FUNK#15~Ohio Players#2

2006年02月10日 | FUNK
==========完成度を深める70'S中期のOhio Sound==========

3rdアルバム"Honey"はジャケが蜂蜜まみれの綺麗なねえちゃん!う~んエロい。内容もバラードに比重を多くしたSweetな
コンセプトを持ったアルバム。
Guitarのカッティングで始まる"Love Rollercoaster"は前作までにないポップなメロディーを持ったダンスナンバーで、"Fire"に続く全米/Soul共に#1に輝くヒットとなった。Ohioにとっては新境地だが、Sugerはいつもと一緒で「アオ!」を連発してFunkyに歌っている。冒頭の『Say what?』う~ん、超FUNKだ!GuitarがMajorコードで半音ずつUp-Downして行く感じがRollercoasterを連想させる狙いなのだろうBassも一緒にUp-Downするぞ、Ohioにしては軽快な感じが出ている。しかし途中DiamondがもたってもかまわずGrooveして行く、これぞOhio Groove!
バラード曲では"Sweet Sticky Thing"がSoulチャート#1を獲得、全米チャートでは意外に#33なのはエロい歌詞の内容のせいだろうか?。この曲はOhioの曲の中で1、2を争う程好きだな。Guitarのアルペジオ気味のイントロから始まるミディアムテンポの甘いメロディーを持ったナンバー。オクターブユニゾンのヴォーカルがまたいいぞ!途中SatchのAltoSaxソロがあるが、これがまたいい!7thコードに変わってFUNKモードになるといきなり熱いブロー。終盤にはSugerのナンチャってJazzっJazzソロに変わるが、急にCoolになるとこがまたいい。果てた後のイメージなのだろうか?歌がセクシーというのは良くあるが、こんなにセクシーなサウンドは他には無いな。パターンは少ない割に展開があって非常にメリハリが効いた曲、演奏共にベストナンバーだ!
タイトル曲の"Honey"もイメージ通り甘~いバラードだ。やはりファルセット系コーラスがたまんなく良い。SugerがかなりWhisper気味にSweetな雰囲気で歌っている。やっぱバラードも絶品だ!ふう~。

4thアルバムは'76年リリースの"Contradiction"だ。これは私にとってリアルタイムになる。さすがに溝が白くなるほど聞き込んだので全曲覚えているな。全曲語っちゃいます。
1曲目はタイトル曲"Contradiction"、スローFUNKで始まるのはこれが初めてであろう。前作のHoneyはバラードの比重を強めていたが、今回はスローFUNKが半分を占めている。
2曲目は"Precious Love"、これもスローFunk。スローな割りにはFUNKっぽい雰囲気なのは7th系コードを多用していることとSugerの歌い方にある。SugerはFUNKの権化だ! 
3曲目は"Little Lady Maria"、Trumpetをフューチャーしたスパニッシュっぽい旋律で始まるが、やはり途中からFUNKになってSuger登場!闘牛が始まりそうだ。
A面ラストはシングルカットもされた"Far East Mississipi"、Ohio FUNKの真髄!完成版呼んでもいいのではないかねとにもかくにも超かっちょいいのだ。イントロのわかりにくいDiamondのフィルがまたFUNKだ。

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B面1曲目はSoulチャート#1、"Who'd She Coo?"だ。この曲はSoul Freakのカウントダウンでしばらくかかっていたような気がする。やはり初めて聞いたOhioの曲なので一番好きな曲だ。イントロのBack bones along became do notという語り
からDrumsのドトターンパリラリラ~、んタララ~タララ、タッタッタッタラララタ~タ~というHorn Sectionがかっちょいい~!すぐにGuitarのリフが二小節パターンで繰り返される。これがまたFunkyだ。それに掛け合うようにEverybody~
!というコーラスともうひとつのコーラスが畳みかけるように繰り返される。
2曲目はやはりスローFUNKで"My Life"、どFUNKが続く中ほっと一息だ。
3曲目はミディアムFUNK"Tell The Truth"、『ウソつくでねえって、おまえにゃあウソはつけねえべ?』ってな感じかな?後半のGuitarのシングルノートのカッティングがどんどんFunkyになって行く。よろしい!
4曲目はこのアルバムで一番UpなFUNKナンバー。SatchのSaxがフューチャーされている。軽快な中、Diamondだけはモタリ気味なのがOhio FUNKの真骨頂だ。
このアルバムラストナンバーは以前Philly Soulの巻で紹介した、USA建国200周年を祝う曲"Bi-Centennial"だ。ホント美しい曲、ファルセット中心のコーラスはかなり高い音域まで使っている。OhioのバラードにはGospelの香りがプンプンする。特にBilly Beck (keyb.) が加入してからは顕著になってきた。Junie在籍時のWestbound時代にはなかった方向性だ。 

このアルバムをピークにセールス的に落日を迎えて行くことになる。EW&Fやポップ路線に変更して成功するKool&The Gangらの台頭に押されて行く形になった。FUNKの暗黒時代の幕開けである。

次回はOhio Players特集最終回になります。







FUNK#14~Ohio Players

2006年02月10日 | FUNK
============Ohio Funkのパイオニア~OHIO PLAYERS#1============

Ohio Playersと言ったらMercury時代に尽きるだろう。その前の時代、後にP-Funkに鞍替えするJunie Morrisonを中心としたWestbound時代は"Funky Warm"という大ヒットも出しているものの、かなり実験的なサウンドであった。そして彼らの前身"Ohio Untouchables"はギタリストのRobert Wardが中心となったグループであり、今年亡くなったWilson Pickettが在籍したThe Falconsのバックを務めた経歴があった。その名の通りOhio州Daytonで結成されている。
その後Ohio Playersと改名、初期の音源をまとめて収録した"More Funky Party"という国内盤CDが出ていた。私は"Sweet Obsessions"と言うLPを持っているが、'68年頃の作品なのでSlyやJBの影響が顕著であるが、はっきり言ってまだ未完成のサウンドであり二流バンドの域は超えていない。Westbound時代のLPはすべて復刻、CD化されていたと思うが、こちらは是非聞いておいて欲しい。"Pain"('71)、"Pleasure"('72)、"Ecstacy"('73)の三枚のオリジナルアルバム、多分契約を全うするために出された未発表音源集"Climax"('74)が出ている。PleasureはSoulアルバムチャート#7まで上る大ヒット、シングルカットされた"Funky Worm"は全米#4/Soul#1の大ヒットになっている。ジャケはすべてSMチックでスキンヘッドの女性がモデルとなったかなりSexyなコンセプトで制作されていた。Mercury時代は同じく女性のヌードを使ったSexyジャケではあるが、メジャーを意識した洗練された作りになっている。

さて、本題のMercury時代である。Junieが脱退してWestboundに残り、バンドはMercuryに移籍する。中心はギタリストのLeroy"Sugerfoot"Bonnerにかわる。1stアルバムは"Skin Tight"、まずタイトル曲が大ヒット(全米#13/R&B#2)する。ベースのリフが印象的なドFUNK曲。早速Sugerのお家芸『アオッ!』が登場する、彼は元々Blues系なのであろうか、他のシンガーからみるとかなりブルージーな味を醸し出していた。それはFUNK系のシンガーに多大な影響を与えている。1番のフォロワーはCameoのLarry Blackmonだ。あとEW&FのMauriceも真似してたし、真似っこBar-kaysのLarry Doddosonも影響を受けているのは明白だ。Lionel RichieもThe Commodores時代は『アオ!』的な歌い方をやってた。それはSlyに似ているとも言えるが、このスタイルを確立したのはSugerであろう。 これは口の中のスペースを取り鼻にかけ気味にして、オに近いアから口を窄めてオの口に移行するとこんな感じになる。
"Skin Tight"ではKeyb.がJunieに代わってBilly Beckが加入、ファルセットリードを取っているのが彼。Ohioのコーラスはファルセットが中心でなかなか美しい。ちなみに"Jive,Turkey"と言うヒット曲(全米#47/R&B#6)が収録されているが、たぶん冒頭のリードはJunieである。曲調もWestbound時代っぽい。これはライナー等でも全く触れていないが、この頼りない声は間違いなくJunieのものだ。2番はSugerが歌っている。
バラードは彼らのもう一つの魅力でもある。このアルバムの中には"Heaven Must Be Like This"と言うかっちょいいバラードが入っている。Keyb.のBilly Beckはこういった曲で本領を発揮する、バックで素敵なPianoのオブリが聞ける。彼はJazzもプレイ出来るスキルを持っていることがここでも良~く解る。一流のFUNKバンドはバラードも上手い、これは定説である。その上でBilly BeckはKeyb.のみならずコーラスの要であった。Mercuryから移籍後脱退してFaze-O等のいくつかのセッションで見かけるが一度グループに戻ったその後、残念ながらシーンから遠ざかってしまった。
1988年に"Back"と言うアルバムでOhioが復活した時、Mercury時代の末期にメンバーとなったGuitaristのClarence"Chet"Willisが彼の抜けた穴をカバーしている。Guitarも上手いが歌もかなり行けているのだ!アルバム発売後New Orleans Jazz Fes.に出ていた時のビデオを見たことがあるが、Horn抜きな分コーラスにかなり力を入れていたようだ。       

2ndアルバムは'75年に発表になるベストセラー、"Fire"。アルバムが全米、Soul 共に#1とOhio史上最高の作品となった。タイトルナンバー"Fire"は全米、Soul共に#1となる。既にWestbound時代に成功している彼らだが、FUNKバンドで一番成功したグループと言っても過言ではないだろう。この時代はEW&Fに負けない程売れていたのです。そしてOhioと言えばFireと答える程の代表曲である。サイレンの音から始まるやはりベースのリフがかっちょ良い、Skin Tightのノリに近いHeavy Funkである。このノリがOhio Grooveなのであろう。
間奏部分のJimi HendrixばりのGuitar、Timbalesがいい味付けをしている。油っこい、うな重に山椒を振りかけたようなスパイシーさが感じられる。Sugerは「アオ!」系の歌い方が益々磨きがかかっていく。彼の髪型は変形アフロでOhioのトレードマークにもなっている程奇妙な頭、「ゲゲゲの鬼太郎」がアフロにするとあんな感じか?さらに彼は出っ歯である。発声的に考えると口の中のスペースが人よりも前にあるわけだから、かなりアドバンテージになるのであろう。「アオ!」系の所以はこのあたりから来てるのか?
前作ではHeaven Must Be…と言う素敵なバラードがあったが、2ndからは"I Want To Be Free"という名曲が生まれた。ファルセットによるコーラスが美しい!特に冒頭のShoop-shoop-shoop-shoop~、あ~たまんねえなあ。Sugerは少しウイスパー気味だが相変わらず「アオ!」や7th系の音、ブルーノートを多用してMellow&Funkyに歌い上げている。 もう一曲Heavy Funkナンバー"Fopp"がチャート上位に食い込んでいる。Fuzz GuitarとBassのユニゾンによるリフが印象的なHeavy FUNKナンバー。DiamondのDrumsがドタバタして足がこんがらかっているのは、Ohioの個性的な一部分と解釈するべきであろう。
Ohio PlayersのMercury時代は本当に素晴らしいぞ!
次回は3rdアルバム、Honey以降について語ってみます。また寄り道下さい!