Blue Eyed Soul 60’s #3 (#634)~The Soul Survivors

2011年01月12日 | Blue eyed soul
The Soul Survivorsってご存知ですか?

最近ネタにしているBlue Eyed Soul、白人バンドなんです。知る人ぞ知る、マニアックなグループですが、白人の人たちと考えると非常にレベルが高いです。まあ聴いてもらうとわかりますよ~。


この曲かっちょいいです!

The Soul Survivors - Expressway to Your Heart


Billboard のHot Chartで#4まで上り詰めたヒットナンバーなようですが、あまり知られてませんよね?

私の大好きなシンガーがカバーしてました。Hi Recordsのライターとして活躍したDonBryantが歌っています。

Don Bryant- Expressway To Your Heart


なななな何と、この人がカバーしてました、結構合ってるんですよね。

Bruce Springsteen - Expressway To Your Heart - Working On A Dream Tour - 2009


もう一丁!これはEtta Jamesのヒットナンバー『Tell Mama』のカバー、男性なので『Daddy』にすり替わっている(爆)。

The Soul Survivors - Tell Daddy


またしばらくBlue Eyed Soul特集でお送りするが、このグループは【The Rascals】に匹敵する黒っぽさである。

近々【The Rascals】も取り上げますのでよろしくお願いしま~す!


Blue Eyed Soul 60’s #2(#633)~Righeous Brothers

2011年01月08日 | Blue eyed soul
Blue Eyed Soul 60's第二弾はUSのアーティストから。

あの【ゴースト】のテーマとしてリバイバルヒットした『Unchained Melody』のデュオグループ、

Rightous Brothersである。この曲は貼り付けないが、正直彼等がBlue Eyed Soulと呼ばれたわけが

全く理解できない。歌自体に黒さは全くないからだ。


代表曲として『You've Lost That Lovin' Feelin'』があるが、やはり黒さは感じないがこちらの方が好きだな。
カバーバージョンにも結構いいのがあったと思います。





この人のLiveバージョンの方が黒い。

Elvis Presley - You've lost that loving feeling





途中Bassがおもいきり間違っているところはご愛敬(笑)。Elvis、やはりただ者ではないな。



そして70'sのBlue Eyed Soulの代表格、【Hall & Oates】もカバーしてヒットさせた。


Daryl Hall & John Oates - You've Lost That Loving Feeling




彼らに関してはまた改めて取り上げたいと思います。


いったいBlue Eyed Soulって何?って思うほど、なんでもBlue Eyed Soulって呼ばれていたような...

それもきっと戦略だったんでしょうね。

私も営業バンド(ハコバン)やってた時は毎晩のようにゴーストのテーマを歌いました。

George Bensonがカバーしていてそれを参考にしていたので、原曲っぽさはあまりなかったように思います。

しかしリクエストをしてくれたお客さんは納得してよろこんでくれてました。

The BeatlesやElvis Presley、他の白人アーティストの曲も歌いましたが、彼らのようにはアプローチせず、

黒人シンガーが歌ったらどうなるだろう?と言う発想で歌ってました。原曲があまり好きじゃなくても、

素材さえよければかなり楽しんで歌えるようになりました。

そうやってどんな歌も楽しんで歌えるようになって行ったのです。

そのうちYou've Lost That Loving Feelingも歌ってみようかな?4ビートで歌ってみたらどうかな(笑)?




Blue Eyed Soul 60’s #1(#632)~Spencer Davis Group

2011年01月07日 | Blue eyed soul
2011年二回目の更新になります。

改めて今年もどうぞよろしくお願いします!

前回の記事では少々趣向を変えてと書いたら、chanparaさんとsamnyさんから期待されしまい、

ちょっとプレッシャーを感じてしまった今日この頃でございます(笑)。

もう一つのブログ、アメブロ【soul-jam】ではかなり緩いバラエティーな内容なので、毎日のように

更新していますが、こちらgooでは忙しい時はなかなか更新できません。

そこで実はもう少し軽い内容にする意味で趣向を変えると宣言したのであります(笑)。


今までただ自分が聴いてきた80's前後の音楽を中心に書いてきましたが、それはそれで残しつつ、

もう少しシンガー的観点で書いて行こうと思ったのです。

そうすればまた他のブログとも違ったテイストが出ていくでしょう。


さてさて、リニューアル第一回目はBlue Eyed Soul、何と黒人音楽のメインストリームではなく、

目の青い白人さんが黒人の音楽性や歌い方を真似て表現した音楽を取り上げていきます。


USAのポピュラー音楽事情を語るつもりもありませんが、JazzにしろR&Bにしろ黒人が生み出した

音楽ですが、歴史的に黒人が作り上げたCoolな音楽を白人が真似て、それを黒人が真似できないように

進化させていき、またそれを白人が...

といったようにいたちごっこが音楽を進化させたとも言われています。

Doo-wop全盛の頃は靴墨を顔に塗って、顔を黒くして歌うと言うパフォーマンスも流行ったようです。

これはラッツ&スター(シャネルズ)がこの時代のパフォーマンスを模倣したわけですね。


60's UKではSoul/R&Bの人気は絶大であったようです。

The BeatlesやRolling Stonesだって最初はR&Bのカバーや真似っ子みたいなスタイルでしたからね。


中でも強力だったのがSpencer Davis Group。

それはリードシンガーでOrgan、Guitarのこなす天才少年【Steve Winwood】の存在であった。

Spencer Davis Group - 'Gimme Some Lovin'



この曲はBlues Brothersも映画の中でやっていたので知ってる方も多いでしょう。

何て渋い声なんだ?まだ17~18歳の少年とは思えないですね。キーもめっちゃ高いしね。

ではジャンプナンバーをもう一丁。


Spencer Davis Group - Keep On Running



Fuzz Guitarの音がまさに時代を感じさせるが、Steveの声はだれかに似てると思いませんか?

そう、あのLegend、【Ray Charles】を彷彿させます。

何とあの名曲もカバーしてます。これは私も好きでたまにLiveで歌いますが、

SteveはホントにRayおじさんが大好きだったんでしょうなあ。

Spencer Davis Group - Georgia on My Mind






2011年も月に10回を目標に更新していくつもりでいます。

時には内容の薄い記事もあると思われますが、どうぞよろしくお願いします!



PAGES(#346)

2008年06月11日 | Blue eyed soul

吉田英樹のレッスンサイト:SOUL-JAM

80's中盤にMr. Misterと言うグループがあった。全米#1を二曲( Broken Wings、Kyrie)、そのアルバム【Welcome To The Real World】も全米#1になった。このMr. Misterには全くもって興味無いが、その前身である【Pages】を紹介したいと思う。

まず私が彼らの事を知ったのは【ADLIB】紙の記事だったと記憶している。当時ハマっていたGeorge DukeのアルバムでGuitarを弾いていた『Charles"Icarus"Johnson』が、Pagesの2ndアルバムに参加していると言う記事を見て、欲しい!聞いてみて~と思ったが、残念ながら日本盤は発売されてなくすでにレアな盤であり、それを手に入れたのは2~3年後、中古であった。
Future Street(1979)
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【Pages】とはRichard Page(Vo.&Keyb.)とSteve George(Keyb.&Vo.)が中心となって結成、特徴としては当時流行りのAOR的な作りであるが、かなりJazz-Fusion寄りである。Steely Danあたりから見てもかなりJazz色が強い。それ程有名ではなかったにしろ彼らは、L.A.のスタジオミュージシャンだったので、かなりテクニシャンぞろいであった。このアルバムのプロデューサーはあのBrass Jazz-Rockバンド【Blood, Sweat & Tears】のDrs.であったBobby Colombyである。1st、3rdでもプロデュースしており、彼の秘蔵っ子であったのであろう。残念ながら商業的に成功しなかったが、このようにCD復刻されていたとは驚いた。当時3rdは日本発売されたが、1st、2ndは日本未発売だったからなおさらだ。

彼らをBlue Eyed Soulと呼ぶべきかどうかは別にして、当時としてはかなり質の高いサウンドを出していた。2ndではA-1、Rock調の『I Do Believe In You』はヒットしても不思議じゃない佳曲。A-2『The Sailor's Song』はミディアムのテンションコードバシバシ、Fusion的サウンド、CharlesのGuitarソロがめっちゃかっちょいい!
A-3のバラード『Take My Heart Away』は哀愁のメロディー。Richardのファルセットもかなりイケてる。B-1の『Who's Right, Who's Wong』はKenny RogginsとRichardの共作である。Saxのソロは昨年1月57歳の若さで亡くなったMichael Breckerである。彼はポップスでのプレイも最高だった。

2ndは隠れた名作である!

1stもなかなか良い。当時は全然見かけなかった超レア盤が復刻。
    ↓
PAGES/1st(1978)
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吉田英樹のレッスンサイト:SOUL-JAM


Lisa Dal Bello(#341)

2008年05月29日 | Blue eyed soul
Lisa Dal Belloと言うシンガーがいたのをご存知だろうか?1stアルバムがリリースされた1977年に、当時まだ19歳であったLisaはカナダの有名な音楽祭である【Juno Award】Most Promising Female Vocalistに選ばれている。正直当時Soulを聞き始めて二年目であった私にとっては、白人歌手、それもカナダ人がここまで歌う事は驚異であった。同じカナダ出身のCeline Dionがデビューする20年以上も前であったが、すでに当時白いAretha Franklinのように売り出されていたのである。LPの帯にはBoz Scaggsのレコーディングスタッフが全面的に参加!と言うようなコピーが書いてあったと思う。実際Aretha FranklinやChaka Khan、Stevie Wonder、Ray Charles等を聞いて影響を受けたようだ。
そしてまだそれ程有名ではなかったDavid Foster(やはりカナダ出身)のプロデュースで制作された。ただ驚いたのは、その後【TOTO】と言うバンド(L.A.の当時の若手スタジオミュージシャンで固めたバンド)がデビューするが、メンバー全員がこのアルバムに参加していた事だ。ただほとんどの曲のBassを弾いていたのはDavid Hungateではなく、TOTOにはのちに参加するMike Porcaroである。一曲だけだがThe CrusadersのRobert"Pop"PopwellがFUNKなBassを弾いている(B-3)。

Lisa Dal Bello/1st


とにかく19歳ながら歌は完璧に近い上表現力も素晴らしい。作詞曲は一部David Fosterとの共作であるが全曲セルフであり、コーラスアレンジも自分で、大半は自身でオーバーダブしている。さらにDavidとストリングスアレンジを共同でやると言う才媛ぶりを発揮している。曲によってはかなりSoul寄りの楽曲があり、声、唱法的にもまるで黒人シンガーと聞き間違える程の太い声質と広いレンジ。
A-1の"Look At Me"はFUNK Rock調の曲で、いきなりGrowlを聞かせてくれる。サウンド的にはAOR的だが、歌は完全のSoul系の歌い回しであり黒人としか思わないだろう。 今でこそJoss StoneのようなUK出身の白人少女が出現し、黒人のように歌う白人がいてもけして不思議ではなくなったが、30年前には本当に珍しい事であった。例えば少し前に取り上げたCold BloodのLydiaあたりを聞いてもバンドの音がFUNKでも絶対に黒人とは思わないだろう。

A-2はAOR系の美しいバラードで、曲によって声質を変えて来る技量がまた憎い。アップもバラードもばっちりこなすのである。
A-3はポップなアップテンポなナンバー"My Minds Made Up"でキレの良い歌が聞ける。JeffのDrs.がまた小気味いい!80'sにはすっかり引っ張りダコになってしまったのも頷ける、素晴らしいセンスである。A-4も同じくアップナンバー。
A-5、B-2、B-5はSoul色が薄いバラードナンバーであるが、10歳頃にElton Johnに影響を受けて作曲を始めた影響が残っているのかもしれない。
B-3の"Daydream"はちょっとAverage White Bandを思わせるミディアムFUNKナンバー。一番ではオクターブ下で歌っておいて二番では上で歌ってしまうこのレンジの広さとパワーは、まるでChakaやArethaのようでありまるで白人女性には聞こえて来ない。B-4の"Milk & Honey"はアップテンポのFUNKナンバー、正直こういったアップナンバーでのLisaのシャウト、高音、リズムのキレは本当に素晴らしく、さらに何気にホイッスルボイスを使っているが、気がつかない程自然であるのがまた凄い。

本国カナダではそれなりに成功したようだが、全米のチャートではパッとしなかった。その理由としては、当時は白人アーティストの曲が黒人のラジオ局の電波にのることはほとんど無かった。R&Bチャートで成功した白人アーティストは、たいていジャケットに顔や姿を載せずに売り出し、まんまと売れてから顔を出していたのである。史上No.1 一発屋Wild Cherry、Average White Band、Bobby Caldwell等はみんなそうだった。

この後'79年に2ndアルバム『Pretty Girls』を発表するが、実はこのアルバムの存在自体知らなかった。もちろん聞いた事が無いので内容も良くわからない。ずーっと'81年発表の3rdアルバム『Drastic Measures』を2ndかと勘違いしていた。これは輸入盤で所有しているが、これは思い切りRock系の音になっていて驚いた。Lisa=Soul的イメージが自分の中で確立されていたので、かなりショックであった。まあもちろんジャケを見ればサウンドが目に浮かぶが...
Drastic Measures
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Olivia Newton Johnが『Physical』を大ヒットさせた時期であり、Seana Eastonが頭角を表して来た時期であるから、実力の割にそれ程成功していなかったLisaにとっては、生き残りをかけた路線変更であっただろう。これで失望した私は二度とLisaを追う事は無かった。しかし、2ndとこの3rdは両者共にRufusの初代Guitarist、Al Ciner、とやはりRufusのプロデューサーでもあったBob Monacoのプロデュースであった。もう少し黒いサウンドになっても良かったのでは?まあもちろん本人は納得してなかったようで、一度アーティスト活動を停止していた。1984年に名義を【Dalbello】に変更して三枚のアルバムを残しているが、Song Writer、Producerとしても活躍している。

早すぎた天才少女【Lisa Dal Bello】、悲運のCanadian Soul Singerである。




70'sのBlue Eyed Soul #1(#284)

2007年12月08日 | Blue eyed soul
そう言えば20代中盤の頃Blue Eyed Soulを聞いていた時期がある。

元々高校時代はRock全盛の頃、当時はまだDeep PurpleやLed Zepplinが健在だったし、QueenやKissがブレークしてて、Aerosmithも追いつき追い越せって感じの勢い、そんなこんなでVan Halenが登場したところでRockの新時代に突入!と言うのが私の時代。だからまわりはみんなRock少年ばっか、必ずアフロの黒人のイラストが登場し、ダンスステップの解説が載っているSoulのシングルに興味がある奴なんか皆無である。

私も当時のRockに全く興味がなかったわけでもないので、とりあえず話を合わせる程度には聞いていた。なんだかんだ結構詳しいのはそんな背景がある。
70's終盤から80'sにかけてはAORが大流行、そのうちSoulはBlack Contemporaryと呼ばれるようになり、ちょっとフニャ~っとした軟弱な時代に突入した頃である。

'76年にFUNKから入門してDonny HathawayやStevie、Marvin Gayeなどに夢中になりつつ、今度はルーツに戻るようにOtis ReddingやWilson Pickett、 そして師匠と仰ぐSam Cooke大先生との出会いがあってSoul創世記にハマって行ったのである。もちろん当時の流行、SOLARサウンドあたりやQuiet Storm等の音も聞いていたが、Go-Goが出現してNew Jack Swingが生まれるまでFUNKの暗黒時代が続いたせいもあり、古い方に耳を向けていたのはごく自然の成り行きだろう。

さて、Blue Eyed Soul(以下BES)とはどんな歌、アーティストを指すのであろう?
(これに関しては以前も述べている)→吉田英樹の音楽コラム~Blue Eyed Soul

古くはElvis Presleyや映画『ゴースト』のテーマでリバイバルヒットしたライチャスブラザースあたりがそう呼ばれていたのであるが、要は白人=青い目が黒人のように歌うと言う意味である。昔から黒人が新しい音楽を生み出し、白人が真似をすると言うポピュラー音楽の歴史がある。これはJazzの進化も同様であった。

60年代に入るとRolling StonesやThe Animals、Steve Winwoodが在籍したSpencer Davis Groupのような黒人音楽をカバーするUK出身のバンドが出現、The Beatlesも初期は同様にカバーバンドであった。Eric ClaptonやMick Taylor(Ex. Stones)、を輩出したJohn Mayall&The Blues Breakersは別格かな...

とにかくUKじゃ昔からR&Bが盛んだったんだ。(イギリス人は懐古主義なため、未だに60'SのMOTOWNサウンドに人気がある)

前置きが死ぬ程長くなったが、前回Staple Singersを取り上げたので、Mavisのフォロワーとしてあげておきたいのが『Humble Pie』のSteve Marriottである。StaplesのファンとHumble Pieのファンでは結びつく事はほとんどないので、多分ここに気がつく人自体かなり少ないであろう。だいたいHumble PieをBlues Rockバンドと呼ぶ事自体、彼らをほとんど理解していないと思われる。だいたいオリジナルにもBlues調の曲はほとんどないしR&BかSoulの曲のカバーばかりである。

この人はアホかという程いつも高いレンジで歌っている。女性のキーでそれも張り上げている感じで時折ピッチがやばい。でもそのスピリットは伝わって来るのである。Rod Stewartも同じように高いレンジで歌うが、なんか軽い。何ともSteveの無骨さが好感を惹くのである。

Thunder Box('74)
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この『Thunder Box』と言うアルバムではR&B曲を4曲取り上げている。Hiサウンドの歌姫『Ann Peebles』の名曲『I Can't Stand The Rain』、The Beatlesもカバーした『Anna』、Dobbie Grayの『Drift Away』、そしてStaplesがWattstaxで歌った『Oh La De Da』をカバーしている。このアルバムはLPで持っていないといけない、それは変形ジャケットで鍵穴から金髪美女のヌードが見える仕掛けになっているR指定なジャケットだからだ。最近は紙ジャケが流行っているが、さすがにCDのサイズじゃあ再現できないであろう。


Smokin'('72)
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このアルバム『Smokin'』は1~5作目まで在籍したイケメン(当時はかわいコちゃん)GuitaristのPeter Framptonが脱退した直後のアルバム、Peterがぬけたから良くなったのか非常にいい出来ですよ、これ...

それにしてもSteveはMavisが大好きなんだよね、Tina Turnerも好きだとは思うけどね。声に『Mavs』命!って乗っかってるもんね。

またBlue Eyed Soulシリーズも少しずつ続けて行こうかな?と思ってます、どしどし意見や質問待ってますぞ~!



Blue Eyed Soul #1

2006年04月23日 | Blue eyed soul
Blue Eyed Soulと言う言葉がある。そう言ったジャンルがあるわけではなく、白人が黒人のように歌うスタイルを言うのである。古くは白人が顔に靴墨などを塗り、黒人歌手になりすましてパフォーマンスをするスタイルがあった。日本のシャネルズ(ラッツ&スター)がそれを模倣して成功した。50~60年代ではゴーストのテーマ(Unchained Melody)で有名なライチャスブラザースやエルビス プレスリー、The Animals、(Eric Burdon)、Spencer Davis Group(Stevie Winwood)等がそのように呼ばれていた。

今回は60's後半以降の話である。

60's後半にGroovin'やGood Lovin'のヒットで知られるYoung Rascalsというグループがあった。Felix CavaliereというVocal&Keyb.が中心となっていたグループで、彼の少々しわがれた声がとても魅力的である。70'sに入ってThe Rascalsと改名して二枚のアルバムを残したあと解散するが、最後のアルバムではBuzzy FeitonやRobert Popwell、David Sanborn等が全面的に参加していて、かなりSoul、Funk色が強くなっている好アルバムだ。ただFelixのソロアルバムのような物だが…

もう一つ、60's後半から80年ぐらいまで活動していたSons Of Champlinというバンドがあった。その後Chicagoに参加するVocal、Keyb.& Guitarを担当するBill Champlinが中心となっていた。Felixよりは野太い声でなかなかSoulfulだ。メンバーにHorn Sectionがいたり、5~7人ぐらいで編成されていた。私は昔アルバムを三枚程持っていたが、全部売ってしまった。れらは未だ復刻されていないので誠に残念である。Soul/Rock/Funk/Gospel等がブレンドされた好グループであった。

Daryl Hall&John Oates、彼らはPhilladelphia出身で、Blue Eyed Soulと呼ばれる中では一番成功したグループであろう。すでに故人となった元The TemptationsのDavid RuffinとEddie Kendricsをゲストに迎えたLIVEアルバムで往年の名曲Get Ready、My Girlをメドレーで演奏されたのは非常に印象深い。DarylはMarvin Gayeも大好きだったようだ。Soul的見地から考えると正直技術不足だが、作曲センスや時代を読む能力が高いのであろう。

もう一人Bobby Caldwellがいた。彼のWhat You Won't Do For Loveは黒人アーティストが良くカバーしている曲。Hidekichiも好んで歌っている。この曲はPopチャートよりもSoulチャートの方が上位にランクされたらしい。彼のセンスは結構好きだな。

UKのアーティストにもBlue Eyed Soulと呼ばれた人がいる。結構最近亡くなったRobert Palmerもそう呼ばれたが、私は
彼には全然Soulを感じなかったな。まるで力んで歌う事がSoulと勘違いしているようにしか思えない。Paul Youngも80年代にヒットを飛ばしBlue Eyed Soulとも呼ばれたが、彼も全然問題外だな。

RockバンドのVocalにも非常に高い技術とセンスを持っていた人がいる。No.1はFree~Bad Compony~solo、最近再結成されたQueenのツアーに同行したPaul Rodgersだ。彼の歌はSoulだね。時にクール過ぎるきらいもあるが、Blue note、Minor Pentatonicの使い方は黒人そのもの、Grawlの使い方なんかも今聞いてもばっちりだ。Free、Bad Compony在籍時代は20代であった事を考えると彼の歌がいかに天才的であったことが良くわかるであろう。

スーパースターであるRod StewartはSam Cookeが大好きであったようだ。70's前半に活動していたFaces時代にはTwistin' The Night AwayやYou Send Meなんかをカバーしていた。彼の歌い回しからSamの影響は手に取るようにわかる。最近はJazzスタンダードを中心に歌っているらしい。あまり興味が無いが...

Sam Cookeマナーと言えば、JouneyのSteve PerryはかなりSam Cooke的に歌っている。Rodなんかは目じゃない!Journey加入直後のアルバムで"Lights"と言う曲を歌っているが、まるでSam Cookeである。JourneyってサウンドはまるでPop Rockであるが、実はバンドメンバーはメチャテクだし、歌はかなりSoulなのである。

日本人であるHidekichiにとってBlue Eyed Soulという響きに共感を得たのは、HidekichiがSoulを歌って来たからである。黒人でない我々がSoulを歌うと言う事では近いものを感じる。ただ、彼ら(青目)のように歌いたいとは思わないが...