吉田英樹のSly&The Family Stone論 #4

2006年08月30日 | FUNK

=====『There's A Riot Goin' On』~暴動 =====

前回hidekichiはSly& The Family Stoneの最高傑作に『Stand』をあげた。

それに続く『暴動』は一応オリジナルFamily Stoneとしては最後のアルバムである。一応と言ったのはかなりの部分でSlyが多重録音しているらしいとの事、確かに驚く程音質が悪い。今時ならデジタル機器や打ち込みで一人でもかなり高いクォリティーで制作が可能だが...

このSlyの手法を受け継いだのが70's末期に登場した天才、Princeである。妙にRock寄りであったのも非常に近いものを感じるが、ちなみに私はPrinceにはあまり興味が無くてあまり聞かなかった。数年前にLarry Grahamとと共演するようになったので無視出来なくなった。

本当にこの『暴動』のレコーディングがどのように行なわれたのかさっぱりわからない。もちろん最初に聞いた時はそんな事は全く思わなかったが,BassだってLarry Grahamが弾いているのか、Slyまたは別な(Bobby Womack?)人が弾いていることも考えられる。曲によっては細くてPick弾きっぽいので、Larry以外であるのは明白であるが...

A-1 " LOV N' HAIGHT " なんかBassがLarryでないのは明白であろう、Slyが弾いているのであろうか?GuitarとBassは何気に下手くそ(HornやChorusは別)であるが、全体的なサウンドで聞いてみるとかっちょいいのが不思議である。Grooveってのは上手ければ出るものではないのがこれで良ーく解るであろう。

正直確実にLarry GrahamがBassを弾いているであろうと思われるのは、A-2の”Just Like A Baby"、B-2 “ Smilin' " 、B-5 " Runnin' A Away " 、B-6 " Thank You For Talkin' To Me Africa " の4曲のみである。

DrumsのGregg Erricoはこのアルバムの中ジャケにも登場していない。なぜか裏ジャケでBassを持っている写真があるが...
この『暴動』ではどのぐらい彼が叩いているのであろうか?

まあこのあたりの時代はまだクレジットが無いものが多く、謎なものが多い(最近は解明されてきた物もあるけど)のであるが...

Family Stoneを後にした彼は『Carlos Santana & Buddy Miles/LIVE』に参加、Betty Davisの1stアルバムのプロデュースをしている。

Betty Davis:これはBay Areaのオールスターメンバーで録音されていて、マジありえない程の豪華さだ!
Greggは全曲で叩き、Larry Grahamは1曲を除いて全部、しかもその1曲はDoug Rouchが弾いている。Journey結成前のNeal Schonやまだ4人組のPonter Sisters、T.O.P.のGreg Adamsまで参加、あとSantanaの人脈やG.C.S.の面々も参加している。CD復刻もされているので、FUNKファンなら是非聞いて欲しい物だ。主役、Bettyのへたくそな歌は無視しても十分の価値がある内容である。

多分これと同時期にレコーディングされたのが『Sanfrancisco Giants』と言うアルバムである。発売は録音してから数年後の '77年か'78年位だと思ったが、Latin FUNKと言うか少しJazz寄りのような、当時のSantanaのサウンドともダブる。

しかしこの後ほとんどGreggの名前を聞かなくなるのである。知ってる人教えてくれ~!

曲によってHornではAlto Saxっぽいサウンドが聞こえるが、すでにPat Rizzoが参加していると思われる。

何とも中途半端と言えばそれまでではあるが、'71年当時って事を考えるととんでもなく進化をみせたアルバムなのだ。実験的な内容であるが、名盤である『Fresh』はきっとこのアルバムがなければありえなかったのであろう。

次回は『Fresh』に行っちゃうぞ~!


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