FUNKなLiveアルバム #5 (#570)~The Isleys Live

2010年03月13日 | FUNK

The Isley Brothers / The Isleys Live (1973)

FUNKバンドの全盛期70'sのLiveアルバムは少ない。あのOhio Playersでさえ当時は1枚も発表していない。1996年に当時('78年)Studio Liveとして発表するためにレコーディングされていて、お蔵入りになっていた音源が【Jam】と言うタイトルでリリースされた。

今回は同じOhio州出身の結成50年を超えるThe Isley Brothersの'73年のLiveアルバムを紹介しよう。ちなみにこのLPは17年程前に誕生日プレゼントとしていただいた。当時も滅多に見かけなかったし、2枚組で中古でも5,000円ぐらいはしていたので、買いそびれていたからめっちゃうれしかった(笑)。もちろん当時はCD化はされていなかったしね。



O'kelly、Rudolph、RonaldのIsley3兄弟で1959年に『Shout』でデビュー、'62年には後にThe Beatlesにカバーされて有名になった『Twist & Shout』をヒットさせるが、その後パットせず、'65年にはMotownと契約、『This Old Heart Of Mine 』をヒットさせるが、'69年には自己のレーベルT-Neckを復活させBuddahと契約。同年にリリースした『It's Your Thing』は全米2位 / R&B1位と彼ら最大のヒットになった。そのBuddah時代最後のアルバムになったのがこの【The Isleys Live】であった。

1969年には【Live at Yankee Stadium】と言うLiveアルバムを出しているが、これは彼らがメインアクトで行ったLiveイベントで、GospelのEdwin Hawkins Singers(Oh Happy Dayで有名)やThe Five Stairsteps等が前座を務めているので、厳密には彼らのLiveアルバムとはカウントしない。



選曲は直前にリリースした【Brother,Brother, Brother】からの曲が中心。Buddahに移籍後はすでに【3+3】の原型が出来ており、5枚のスタジオアルバムのレコーディングでもGuitarのEarnie、BassのMarvin、そして義兄弟でKeyboardのChris Jasperが参加している。もちろんこのLiveアルバムも彼らが参加している。



白人アーティストの曲のカバーが多く、Carol King、Bob Dylan、Neil Young、Stephen Stillsの曲を演っている。曲によってはJimi HendrixになりきっているEarnieのGuitarをフューチャーしている。Neil Youngの『Ohio』とメドレーで演奏される『Machine Gun』はJimiの曲。Jimiがデビュー前にThe Isleysのバックを務め、Isley家に居候していたことは語り草になっている。

A面1曲目『Work To Do』はAverage White Bandを始めよくカバーされているが、私も時々Liveで歌う。ご機嫌なFUNKナンバーである。2曲目はCarol Kingの『It's Too Late』、グーっとテンポを落としてかなりフェイク気味に歌うRonaldがまたいいが、かと思えばEarnieのGuitarがフューチャーされている。トレモロアームが多用されている(笑)。Earnieも当時は20歳そこそこであった事を思うと非常に早熟であったと言えるだろう。BassのMarvinがさらに1歳下である。つまりレコーディングに参加した時にはまだハイスクールに通っていた頃であろう。もちろんChrisも21歳ぐらい。

B面に移って1曲目、いきなり最大のヒット『It's Your Thing』をかなりテンポアップしてる、こりゃたまらん!2曲目はさらにその続編のようなナンバー『Pop That Thing』。正直EarnieはソロGuitarよりこのカッティングの方がかっちょいいのである。そして3曲目は私のLiveでも定番の『Love The One You're With』、いやいやもう1枚目だけでも十分すぎるぞ!これもスタジオ版よりかなり速い。

C面に移るとBob Dylanの『Lay Lady Lay』、これは原曲の1オクターブ上で歌っており、原曲のイメージはほとんどないだろう。正直Ronaldの歌はこの時点で完璧に出来あがっている。Liveでこう言うミディアム系やバラードを歌ってもFUNKナンバーを歌っても全くブレないRonaldはマジでヤバい。これはスタジオ版より結構テンポ落として歌っている。このLiveバージョンの方がいい感じだ。独特の歌い回しはやはりSam Cookeの影響が大きいのであろう。アップテンポもバラードもストロングボイスもファルセットもRonaldにかかったらバッチリなのである。

2曲目はオリジナルで『Lay Away』、これはHoney Coneの『Want Ads』をモチーフにしているのが見え見え(笑)!歌詞も引用しているみたいだから、アンサーソングなのか?

D面はNiel Younの『Ohio』と『Machine Gun』のメドレー。EarnieのGuitarには完全にJimi Hendrixが乗り移っている。これはマジで生で見て聴いてみたいパフォーマンスだ。

現在のThe IsleysはRonaldとGuitarのEarnieの二人で活動している。ただRonaldは2006年に脱税の罪で現在も収監の身なので活動停止状態である。オリジナルメンバー3人のうち長兄のO'kellyは1986年に心臓発作で亡くなっており、二男のRudolphはその後聖職につくために引退、末っ子のMarvinは1989年に糖尿病が悪化して引退している。

正直なところRonaldは来年には70歳を迎えるので、とっとと出て来てもう一度ぐらい来日して欲しいものだ。15年ちょっと前に来日した時はZepp東京だったような覚えがあるが、オールスタンディングでかなり見にくかった。今度はBillboardあたりで見られたら最高だが...

The Isleys、やっぱRonaldはまぢで最高です!





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