佐藤優の「蘇るロシア帝国」を以前読んで、イタリアの近現代史、ファシズムについて知りたいと思って図書館で借りた。
色々難しい。
当たり前なのかもしれないが。
一国の歴史を1冊の本で理解するなど、難しいのだろう。
イタリアが統一されたのが1860年だから明治維新より少し早いくらい、近代統一国家としての歴史は我が国と変わりないのだ。
イタリアはローマ帝国以後、都市国家が分立する状態となり、近世は南部はスペイン・フランスの間接支配を受け、北部も都市国家同士、あるいはローマ教皇が相い争う状態だった。
フランスやオーストリアが中央集権的な王政体制を整え北部の都市国家群に圧力をかけ始める。
さらにヨーロッパの知識階層で啓蒙思想が流行りだし、フランス革命で頂点を極める。
フランス革命後、ナポレオンが没落したあと、北部の都市国家群はオーストリアの支配下に組み込まれる。
イタリアは遅れすぎているのである。フランスは啓蒙主具が暴走して王家を処刑するまで突っ走ってる。他も絶対王政とかで国力を蓄えて強くなっている。
ルネッサンス以降の分裂した都市国家群が有力な外国勢力と結んで半島の中で勢力争いをしている場合ではないのです、これではいけない、イタリアも国家を統一して近代国家の仲間入りをして人並みにならなければならない、という思想が主に北部の知識人の間に芽生え始め、それがリソルジメント運動という国家統一運動に発展していく。
色々勉強になった。しかしもっと勉強しないとだめだ。
とりあえず、有力な都市にしても今まで位置関係も分かってなかった事がわかった。
ヴェネチアは東側のアドリア海に面しており、対岸のクロアチアの海岸沿いにダルマチアといわれる領土を持っていた。
ジェノヴァは反対側のフランス寄りの海岸の港町。どうも背後に山脈があって北側のトリノとかミラノとは分断されているみたい。
トリノ、ミラノはアドリア海にそそぐポー川という川の流域の都市。トリノのあたりはピエモンテ地方という。ミラノのあたりはロンバルディア地方という。
フィレンツェは港町ではなく内陸部にあり、位置もポー川流域ではなくローマ寄りで、その周辺をトスカーナ地方という。
またロマーニャという都市があるが、これはローマとは別。
南のほうに行くと、ナポリがある。ここは産業的には遅れているのだがなぜか人口が多い。近世北米南米に移民として移住したのはこういった南部のイタリア人が多かったらしい。
その少し南にアマルフィがあるが、これは近世衰退して歴史上のプレーヤーとしては出てこないみたいだ。
イタリアというとオリーブとかトマトとか農産物の豊かなイメージがあるが、実は暑すぎて水を沢山必要とする作物は育てるのが難しいらしい。
あと思想的なことが良く分からない。
ファシズムというのは極右と極左がくっついたような・・・。
そもそも、啓蒙思想というのが絶対王政に対して出てきた。支持するのはブルジョア。
それが行き着くところまで言ったのがフランス革命。
フランスではロベス・ピエール率いるジャコバン派がむちゃくちゃしすぎた反動でナポレオン帝政から王政復古までいく。
このあたりから良く分からなくなってくるのだが、啓蒙主義を支持していたブルジョアが体制派になり王党派と近づいていって、どちらかというと右派になる?反体制派だった資本家が体制を打倒して自らが体制になった?
左派の受け皿と言うか思想として啓蒙主義がさらに変化して社会主義・共産主義が現れる。
リソルジメント運動の首魁、ガリバルディとかマッツィーニは左派だったと書いてあるが、社会主義者、共産主義者ではない。そもそもまだそういう思想が世に出ていなかった?
もう少し勉強しないと。
天下泰平であれば、ファシズムなどどうでもいいのだが。