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Snowmint

Ca m'est reste dans l'esprit.

pepita

2011-12-12 | BOOK
お誕生日会の最後に、友人からプレゼントをもらった。

ずっと忙しかった彼女のお仕事は、これだったのね。

『pepita』(ペピータ) (井上雄彦 meets ガウディ) 井上雄彦 (著)



井上さんがガウディに出会う旅の記録。
彼女と彼女のご主人が、本の編集とDVDの制作にも関わっている。
井上さんのイラストも旅の様子も、とても素敵なのだけれど、
ガウディの写真はすべて、彼女の旦那様の川口氏が撮った写真。
とても美しい本だった。
本当は買おうと思っていたのだけれど・・・頂いてしまったので、ここで宣伝(笑)


そして毎年、楽しみにしている川口さんの撮ったガウディカレンダー2012も、いただきました。



丸の内 OAZO 「丸善」

2009-08-02 | BOOK
丸の内OAZOビルの中にある「丸善
洋書の絵本コーナー


ほぼ英語の絵本ばかりだが、よく見ると奥の方にほんの少し、フランス語を見つけることが出来る。

一枚一枚絵柄の違う便箋を見つけ、あまりの可愛らしさに買ってしまった。

端にのりが付いていて、折りたたむとそのまま封筒になる。

「1Q84」 村上春樹

2009-06-04 | BOOK
1Q84(1)
村上春樹
新潮社

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1Q84(2)
村上春樹
新潮社

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ノルウェーの森を読んだ後は、自分でも理解できない涙が頬を流れた。
心の中に、今まで持ったことのない未知の固まりのようなものが、自分の中に生まれたような気さえした。
1Q84は、物語の余韻だけが私の中に残り、溜め息をひとつもらしただけだった。
なのに、読み終えた翌日から、1Q84の事ばかり考えている。
余韻が消えない。

"一人でもいいから、誰かを愛することができたら、人生には救いがある。たとえその人と一緒になれなくても"

青豆の言葉が澱のように、静かに落ちて、心から離れない。
この本は村上さんの中で、一番の純愛だった。


以下、ちょっとネタバレ。


村上春樹ファンにとって、少し懐かしいと思える人物の名前がいくつか出てくる。
銃について語ったタマルの言葉も、「スプートニクの恋人」で読んだような気がした。
村上氏の過去の作品たちへのオマージュのような小説だった。
以前、村上氏がインタヴューの中で『今までの作品の中で一番長い』と語っていたことから、この先Book3/4と続くのではないかとファンの間では騒がれているが、
続きが出れば、謎は解けるかもしれない。
しかしこれはこれで完結してもよいとも思った。



名前と言えば、私はまだ自分と同じ名前の人と出会ったことがない。
日本は女性にとってとても不便な国で、何度も名前を変えなければならない事がある。
親や自分の都合などで今までいくつかの名前を使ったことがあるが、それでもまだ、
同じ名前の人には出会ったことがない。
牛河は、同一人物だろうか?
それとも、転職?



Je n'ai encore jamais rencontrè quelqu'un qui portait le même nom que moi.




合せ調味料で、和食名人

2009-05-06 | BOOK
合せ調味料で、和食名人―東京・青山「椿」料理塾
舛田 三千夫
文化出版局

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友人から、本を貰った。
著者を見ると、
友人に連れられ、数年前から時々うかがっている割烹料理屋のご主人。

中を見ると、
「あ、この出汁!」「カレーうどん!」と、
見覚えのある品々が並んでいた。

料理人が自分のレシピを人に教えるというのは、
自分の腕にそうとう自信がなければ出来ない。

同じ材料を揃えたとしても、多分、ご主人の味には遠く届かないだろう。
それでも、ちょっとしたコツなどを教えてもらえるのは嬉しい。
そのコツが、合わせ調味料。

コツを知れば知るほど自分で作りたくなるのだが、
さらに読み進むと、「椿」でご飯が食べたくなる・・・。



Klee's Kitchen

2009-05-03 | BOOK
クレーの食卓
新藤 信(日本パウル・クレー協会),林 綾野(日本パウル・クレー協会)
講談社

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本屋で料理の本を買うことは、ほとんど無い。
センスの良い器に美味しそうな料理が盛られていても、
美しい写真をぱらぱらと眺め、作れそうだと思えば買う気は失せる。

しかしこの本は、手にした瞬間に欲しいと思った。

クレーの日記や書簡を頼りに、彼が好んで作っていた料理のrecetteも載ってはいるが、
主夫としてのクレー、食いしん坊だったクレー、芸術家クレー、
そしてクレーの市民生活など、読み物として楽しめる。

絵を描いたり音楽を奏でるように料理を楽しむクレーの姿が目に浮かぶ、
素敵な一冊。


「ビーイング・ピース」 ティク・ナット・ハン

2007-12-23 | BOOK
神様を信じている人は幸せだ、と思う。
信仰によって悲しみを乗り越え、日々の幸せに感謝することを知っている。
近い身内が寺の住職ということもあり、仏教は身近にあった。
しかし私は無神論者。
深い理由があってのことではないし、仏教については何の異論もない。
教えは素晴らしいし、学問としては面白いとも思う。
ただひとつ疑問に思っていたのは、なぜ日本の宗教家の中からは、マザー・テレサのような人が現れないのだろうか、ということだった。
お付き合いのあったお坊さんの中には、素晴らしい方々がたくさん居た。
人の話をよく聞き、教えを説く。人間として大きく寛容。
しかし、彼らが財をうって人助けをしているとお話は、聞いたことがない。
(しかしこれは私の周りだけの話なので、他の宗門ではあるのかも)
寺を手伝っていた頃に、複雑な人間関係やお金の流れ、宗門の裏表を見過ぎたというのも、素直に南無妙法蓮華経が唱えられない一因かもしれない。

そんなことをグズグズと言っていたら、
学生時代の友人の奥様が、この本を薦めてくれた。

仏の教え ビーイング・ピース―ほほえみが人を生かす (中公文庫)
ティク・ナット ハン,Thich Nhat Hanh,棚橋 一晃
中央公論新社

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勧められてすぐに買い、読もうと思いつつ手元に置きながら、なかなか読めずにいた。
ページを開き、何行か読み、
あぁこれは、なんとなく読んでしまうのはもったいない、と思ったからだ。
自分にこの本を読む準備ができたときに読もうと思った。

その準備が出来ていたのかどうかは分からないが、
今、読みたいという気持ちになり、この週末に読み終えた。

難しい言い回しなどはなく、とても読みやすい。
どんな人にも理解できるようにと、教えを難しい言葉で諭すのではなく、具体的な例を挙げ、優しく生きる道を説いてくださっている。
あとがきにもあるように、東洋的な叡知と実践は、私たち日本人には当たり前すぎ、分かりきっていると思える部分もあるかもしれない。
しかし、分かりきっていても忘れている、実践できないことは多い。
そんなことを思い出させてくれる。
微笑が世界を変えるという発想は、私の大好きなフランスの哲学者アランの「幸福論」にも通じるものがあるような気がした。


心がリセットされるような本だった。
そうそう、私は仏教に対しては、本当に、何の異論も無いのだ。
しかしやはり、遠い国でこういう活動をしている方を知るほどに、
どうして日本の仏教会には、こういう方が現れないのだろうかと、また深い疑問に陥ってしまうのだ。

著者のティク・ナット・ハン氏はヴェトナムで生まれ、十代で出家、コロンビア大学・ソルボンヌ大学などで教鞭をとっていたがヴェトナムへの帰国不可となりフランスへ亡命、現在はフランスに仏教者のコミュニティを作り難民救済活動などを行っている。

「フェルメール全点踏破の旅 」 朽木 ゆり子

2007-11-05 | BOOK

フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)
朽木 ゆり子

フェルメール、現存する作品は怪しい物も含めると、37点。
残っている作品の少ない作家なので、お金と時間さえあれば踏破は難しくないようにも思える。
しかし、盗まれて行方不明の作品が1点、個人所有で保管場所も極秘のものが2点(これは美術展に貸し出されれば見られるかも)ある。
実際見ることができる作品は34点だ。
だが、所有の美術館に行けたとしても、他の美術館に貸し出されている可能性もあるので、全点踏破はなかなか難しいらしい。

大好きだったのに気がついていなかったことが多く、とても面白かった。
フェルメールに関しては、寓意なんて考えたこともなかったから。

全点踏破とまではいかないまでも、読めば必ず本物に出会いたくなる。
できたらいいなと、必ず思う。


『Doraemon, Tome 1』

2007-10-01 | BOOK
そしてもうひとつ、仏語訳もの。

Doraemon, Tome 1


ドラちゃんがフランス語しゃべってる!

EUR 5,65 だから約千円弱。だけど、送料考えると買えない。


と思ってたら、紀伊国屋書店BookWebにあったよ!!


買っちゃった。







リコールされていた電子辞書XD-ST7200が返って来た。
一週間もせずに帰ってきたので、助かった~!
これが無いと何もする気にならないの。

でも、新しいXD-SW7200いいなぁ~。

だって、タッチペンで手書き機能がついてるのよ!
いいないいないいな、と思うけど、前の辞書がまだ使えるうちは
もったいなくて買えません。


「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一

2007-09-18 | BOOK
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
福岡 伸一
講談社

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まったくの門外漢、そんな私にとっては少し難しい内容だった。
にもかかわらず、するすると読めたのは、福岡先生の文章力と、生命というものの不思議さ、ミステリー性に引き込まれてしまったからかもしれない。
世紀の大発見についても、その事実や仕組みだけでなく、見つけられた過程や学会の裏話なども盛り込まれているのも楽しく読めた一因かも。
終盤のタンパク質とノックアウトマウスの話に至っては、まるで上質なミステリーを読んでいるかのようで、
その先に書かれていることへの期待に鼓動が高鳴り、ページをめくる手が震えた。


これからケヤキ並木を緑を見るたびに、落ちた枯葉を眺めるたびに、
「あぁきれいな風景だ」と思うだけでなく、
私はそれに、生命を感じることができるだろう。
ナイフで傷付けられた傷口にさえ、自分の命への愛おしさを感じることができるかもしれない。
そして波打ち際に立てられた砂の城を思い出すのだ。


勤めている研究所の一般公開で、バナナのDNA抽出実験を見学させていただいたことがあった。
事務方の私たちにとっては興味津々な実験である。
しかしそのあまりの簡単さに驚いた。
「細胞を包んでいる膜をアルカリ溶液で溶かし、上澄み液を中和して塩とアルコールを加えると、試験管内に白い糸状の物質が表れる。これがDNAだ。」
記述のとおり、実験は台所用洗剤(アルカリ溶液)と食塩、90度以上あるお酒、それに濾過する為のコーヒーフィルターのみで行われた。
すべて家庭でそろえられるものばかりであるから、家に帰ってからでも再現することはできた。
しかし私にはその構造を覗くものが無い。
それに気付いた時点でDNAへの興味は一気に薄れてしまっていたのだが、
本を読みながら、ふと、このときのことを思い出していた。

八月六日に「ガリバー旅行記」を読む

2007-08-08 | BOOK
先日買った読み物ソフト「日本文学100選」と「DS図書館」、
どちらも楽しんではいるが、子供のころ読んだ世界名作のジャンルが懐かしく、
「図書館」のほうばかり読んでいる。
グリムやアンデルセンも、覚えていたのは絵本で読んだような内容で、実はまったく違う意味を持っていたりするので面白い。

赤い靴の女の子は足を切られて死んだと思っていたのだけれど、
実は最後に天使に許され、その喜びで胸がいっぱいになり、胸が張り裂けて死んでしまったとか、
かえるの王様では、かえるに嘘をついたお姫様が罰も無く、結局は幸せになる話だったとか・・・
かなり誤解して覚えているものも多かった。

家なき子も小公女も若草物語も、今読み返すと、本当にいいお話だったんだなぁ。


六日の夜は、ガリバー旅行記を読んだ。
これもよく知られているのは小人の国へ行くお話だが、実はこれは四部構成で、
約17年かけてガリバーが世界を巡る物語だ。
しかし物見遊山な楽しいことばかりではなく、この世の世界とはまったく違う不思議な国、そこで出会った奇妙な人々を通して、
自分たち人間のいやらしさや業のようなものを見出してしてしまう。
彼は旅に出るたびに、自分の世界に嫌気が指す。
その描き方は、作者のスイフト自身、周りの人間に相当嫌気が差していたのではないかと思うほど。
最後に穏やかで理性にあふれた国にたどり着き、この国を治めている馬のほうが、人間よりもずっと立派だと思うようになる。


読み終わるまで知らなかったのだけれど、
この本の終わりに、

ガリバー旅行記
 ーK・Cにー

という「あとがき」がついていた。
このあとがきの作者は訳者だろうか?それはよく分からないのだけれど、

その書き始めは、

「この頃よく雨が降りますが、今日は雨のあがった空にむくむくと雲がただよっています。今日は八月六日、ヒロシマの惨劇から五年目です。僕は部屋にひとり寝転んで、何ももう考えたくないほど、ぼんやりしています。」

そしてこの文の作者はガリバー旅行記を読み、
二つの意見の相違から絶えず戦争を繰りかえすこの世界を、リリパットの世界のような、ちっぽけな存在に思えてくると綴っている。
そしてまた、五年前のことを思い出す。
「八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た。・・・八日の朝があけると広島駅を目指して歩いた。」
そこで一匹の馬に出会う。
ぼんやりと、鞍も着けずにたたずむ馬を眺め、
その後、もらった握り飯を頬張りながら「俺はこんなことをしていていいのか」と、
喉を詰まらせる。


八月六日にこの物語を読んだことは偶然だったが、私には偶然ではないことのように思えた。