やばいと思いながら手放せなかったり危険だと知りながらついつい近づいてしまう、悪い癖。
本屋でタイトルを見た瞬間、胸の奥からザワザワと不快な音が聞こえた。
まずいと思いながらも手に取りぱらぱらと読み始め、2,3ページ読んだところで切ない思いに囚われてしまった自分に気付き、本を手放した。
予定通り、本屋に入った目的である本を探してレジに向かう。
それでも気になる。
やっぱり戻って再び手に取り、
やばくても危険でも好きなものは好きなのよ!と開き直って買ってしまった。
辻仁成は、好き嫌いの分かれる作家だと思う。
人の心にずかずかと土足で入り込み、かき回して散らかして後片付けもせずに足跡だけを残していくような文章に、時折疲れ感じることもある。
その感覚を不快に思う人も多いだろう。
しかし私は嫌いじゃないんだ。
それを恋しく思うことさえあるから始末が悪い。
主人公の「栞」は、彼らの美しい思い出に嫉妬した。
私は誰の思い出にも嫉妬しない。
もし、思い出に嫉妬することがあるならば、
私は自分の思い出に嫉妬する。
登場人物の吐く台詞がそらぞらしく独りよがりなところがあり、その気持ち悪さに鳥肌が立つ。
これだけ気持ちの悪い文章をよく書けるなと思う。
1999年に、フェミナ賞を取ったときは驚いたが、フランス人に人気があるというのも少しうなずける。
それは彼がナルシストだからかもしれない。
本屋でタイトルを見た瞬間、胸の奥からザワザワと不快な音が聞こえた。
まずいと思いながらも手に取りぱらぱらと読み始め、2,3ページ読んだところで切ない思いに囚われてしまった自分に気付き、本を手放した。
予定通り、本屋に入った目的である本を探してレジに向かう。
それでも気になる。
やっぱり戻って再び手に取り、
やばくても危険でも好きなものは好きなのよ!と開き直って買ってしまった。
辻仁成は、好き嫌いの分かれる作家だと思う。
人の心にずかずかと土足で入り込み、かき回して散らかして後片付けもせずに足跡だけを残していくような文章に、時折疲れ感じることもある。
その感覚を不快に思う人も多いだろう。
しかし私は嫌いじゃないんだ。
それを恋しく思うことさえあるから始末が悪い。
主人公の「栞」は、彼らの美しい思い出に嫉妬した。
私は誰の思い出にも嫉妬しない。
もし、思い出に嫉妬することがあるならば、
私は自分の思い出に嫉妬する。
人は思い出にのみ嫉妬する辻 仁成光文社このアイテムの詳細を見る |
登場人物の吐く台詞がそらぞらしく独りよがりなところがあり、その気持ち悪さに鳥肌が立つ。
これだけ気持ちの悪い文章をよく書けるなと思う。
1999年に、フェミナ賞を取ったときは驚いたが、フランス人に人気があるというのも少しうなずける。
それは彼がナルシストだからかもしれない。