政府は何を信じろと言うのか 3/19
私たちが一番知りたいのは正確なる情報であり、現実の放射線流出量の数値が炉心より何メートルの計測地で○○時に○○シーベルトが観測されたかを知りたい訳です。
枝野幸男官房長官は15日午前の会見で、福島第1原発から漏えいした放射性物質の濃度について、3号機周辺が400ミリシーベルトに達していることを明らかにされたが、その後の計測場所は身の危険を感じて正門付近から、西門付近に変更したようです。
チェルノブイリでの作業員は何も知らされること無く作業員のうち数千人が被爆のうえ死亡したそうです。
またロシアの原発関係者は日本国の原発作業員の行動に対して、未来に向けて語り継ぐべき英雄的なるこの行為を賞賛し、彼らの英雄的行為を無にしてはならないと述べていました。
心配です。
福島第1の放射線計測を西門に 正門は急上昇で、作業員確保を優先
2011.3.17 08:02
原子力安全・保安院は17日朝、東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第1原子力発電所周辺で実施してきた放射線量の計測場所を、これまでの同発電所正門付近から、西門付近に変更したことを明らかにした。正門付近は放射線量が上昇しており、このまま計測を続けることで「作業員の年間被曝限度量に早く達してしまうリスクが出てきたため」(原子力安全・保安院)という。
【福島原発震災事故】リスクは正しく伝えられているのか?
投稿日: 2011年3月15日 作成者:
枝野幸男官房長官は15日午前の会見で、福島第1原発から漏えいした放射性物質の濃度について、3号機周辺が400ミリシーベルトに達していることを明らかにし「身体に影響を及ぼす可能性がある」と述べた。ところが東京電力がインターネットで公表している福島第1原子力発電所のモニター計測値によれば、最大数値は午前9時の11930マイクロシーベルト(1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルト)だ。リスクは正しく伝えられているのだろうか?
枝野官房長官によれば、15日午前10時22分のモニタリングの結果では、2号機と3号機の間で30ミリシーベルト、3号機付近で400ミリシーベルト、4号機付近で100ミリシーベルトを測定。枝野長官は「従来のマイクロとは単位が一つ違っている。身体に影響を及ぼす可能性のある数値だ」と述べた。官房長官の会見に先立って、菅首相は「高濃度の放射能が漏えいする可能性がある」として、半径20キロ圏内からの避難と20キロから30キロ圏内では屋内退避をするよう緊急メッセージを国民に出したが、高濃度の放射能漏れが施設周辺で測定されたことが、緊急メッセージの背景にあったと考えられる。
ところが、東京電力がホームページで一般に向けて発表している「福島第一原子力発電所の現状について」を見ると、15日午後4時30分時点のデータでも、午後6時時点のデータでも最高値は午前9時に正門で計測した11930マイクロシーベルトとなっており、枝野長官の言う400ミリシーベルトや100ミリシーベルトという身体に影響を及ぼす可能性のある高濃度の数値は見受けられない。経産省の原子力安全・保安院によれば、官房長官が公表したデータは東京電力が測定したデータを国が認定し発表したものだという。東電は15日午後に記者会見し、400ミリシーベルトの高い濃度の放射線量を測定したことを明らかにしているが、インターネットで発表しているリリースには掲載しておらず、もっとも重要なデータを抜け落としたデータを「福島第一原子力発電所の現状」として一般向けに発表していることになる。
テレビ報道で解説をしている識者の中には、「高い数値を示した地点の濃度が、その後、どのように推移しているのかに注目している。しかし、何時間経っても、その後の数値が発表されない」と嘆く声も聞かれた。東電は、「福島第一原子力発電所の現状について」とするプレスリリースで、時間を追って細かく計測数値を公表しているが、15日はなぜかほとんど正門の数値ばかりで、一部西門の数値と、午前9時15分と午前9時20分については4号機付近のデータが掲載されているにすぎない。14日までは正門のほかに、各原子炉付近での測定データが繰り返し表示されているのに、15日に限ってはほとんど正門の測定データばかりしかないというのも不可解だ。
福島第1原発の放射能漏れは、都内の観測施設で通常の20倍以上の放射線量が観測されたことがニュースになるなど、首都圏にも大きな不安を広げつつある。菅首相が言う「高濃度の放射能が漏えいする恐れ」が現実のものになっていくのか、最悪の事態を脱し改善に向かうのか。漏えいした放射性物質の濃度の推移は、今後の事態の展開を判断する上で最も重要なデータであり、すでに避難をしている周辺住民にとどまらず首都圏を含む多くの人たちにとって重大な関心事になっている。それだけに政府や東京電力は、問題が及ぼすリスクについて冷静に判断できるよう、情報については可能な限り迅速にかつ誠実に公表するべきだ。