271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

スプリングとリンク(その2)

2007-11-11 15:17:10 | 遊具
先日のエントリースプリングとリンク(その1)ではスプリング遊具事故を新聞報道から引用して説明しました。「小学生の男児3、4人が"スプリング遊具"に乗って遊んでいた」とか「女子中学生(13)が乗っていた動物形遊具のスプリングが折れて」など、幼児向けに設計された遊具に大きな体重が負荷された状態で事故が起こったことをうかがわせます。事故の現場を見た訳ではありませんが、以下のように"the park is not just for little kids"とばかりに遊んでいた時に起こったと想像出来ます。



多くのスプリング遊具は模式的に描くと以下のようになります。

また冒頭に示したようにコイルスプリングを用いず、板バネを使った製品も見かけることがあります。板バネを使う理由は、上図においてコイルスプリングを屈曲させて使用するため、圧縮側のコイルのピッチが減少し、この隙間に指などの身体の一部が挟まれる危険を回避するためです。

またゴムの弾性を利用してトルクを制御する製品もあり、以下の動画は今月ドイツのケルンで開かれた展示会で撮影したものです。


この製品のゴムの使い方は私にとって目新しいものでした。外国製・国産も含めてこれまでの製品は、角パイプを2重に使い、隙間にゴムを充填してトルクを制御していました。日本でも倉敷化工が「トーションラバー」という商品名で製品化しています。主な用途はベルト・チェーンのテンションの調節です。

ゴムの弾性を車のサスペンションに採用して成功したのは英国のMiniでした。これがMiniのサスペンションに使われている「ラバーコーン」です。

ただこの記事によるとゴムのへたりが早いという欠点があるようです。このサスのデザインは有名なアレックス・モールトンでした。
日本の軽自動車の黎明期、狭い車体の中に悪路にも負けないサスペンションを組み込む苦労がありました。あのスバル360はトーションバーで「スバル・クッション」と広い足元の空間を確保しました。これに対して東洋工業はマツダ・R360クーペで、サスペンションは4輪共にトレーリングアームの独立懸架とし、ピボット部に内装されたゴムのねじれを利用する「トーションラバースプリング」を用い、軽量化を図りつつもソフトな乗り心地を得ていました。
小型車や自転車のサスペンションにゴムが使われる理由は、実用限界歪がスプリング鋼の0.3%に対してゴムそれは300%であること、また単位重量当たりの歪エネルギーがスプリング鋼の130ジュール/kgよりはるかに大きく8,000ジュール/kgも蓄積出来ることです。約62倍です。

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