271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

PHLAT BALL(エントロピー弾性)

2007-11-07 04:49:55 | 遊具
群馬県産業技術センターからの帰り道、前から欲しかった「フラットボールXT」を買うために前橋IC近くのトイザらスに立ち寄りました。クリスマス商品の入れ替え時期なのかいつもより品揃えが寂しいような気もします。小ぶりなJrも売っていましたが、やはり買うならXTでしょう。
帰社して開梱して投げてみましたが、こんな風にはなりません。


上手く球体に変形しないのです。ゴムが経年変化を起こしたのかな、とちょっとがっかりして、パッケージを見るとこの注意書きがあります。

「そのうちに」ってのはいつのことなのだろうか?その下にも注意書きあり。

それでフラットボールと一緒に朝風呂に入りました。まるで子供です。風呂から出て気がついた。球体の内部が濡れてしまったのです。仕方が無いのでガスストーブの吹き出し口に暫く置いて乾かしました。すると見事に弾性が蘇ります。
ボールの内部を観察すると吸盤が見えます。これでディスク→球体の変形する時間を調整しているのです。円周は6分割され、内部にはプラスチックのローラー状のパーツがあって、それを回り込むようにしてそりのついたゴムベルトで引っ張っているのです。よく考えられている、と感心しました。投げる前に内部の観察でも楽しめる製品です。

多くの物質は暖めると弾性率が下がります。言い換えれば柔らかくなるのですが、ゴムは違います。加硫ゴムが実用化されるより前に、イギリスの科学者ジョン・ゴフ(John Gough)は1806年に以下のようなゴムの性質を発見しています。
1)ゴムひもに錘を下げ、熱すると収縮する。冷やすと伸びる。
2)ゴムひもを唇につけ、急に引っ張ると暖かく感じる。
ゴムは非常に長い分子鎖からなり、これが複雑に絡み合っています。液体と同じように分子がミクロのブラウン運動をしているのです。温度が上がるとブラウン運動が活発になり張力が増大するのです。
ゴムを引っ張ると動きの可能な状態が減少し、つまりエントロピーが減少するので、エントロピーの大きい状態に戻ろうとする張力が発生するのです。ゴム弾性がエントロピー弾性と言われる所以です。ゴフの発見からゴム弾性が統計力学によって解明されるまで130年を要しました。

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4 コメント

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おもしろ~い! (sachiko161)
2007-11-07 10:02:32
271828さん、おはようございます♪
コレは楽しそうは玩具ですね!
庭で遊ぶのにもってこいです!!
私も買っちゃおうかなぁ・・・

しかし、一緒にお風呂に入ってしまうとは・・・
男の人っていくつになっても少年ぽいって言うんでしょうか・・・なんだか親近感が凄く沸いてきます(笑)
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御礼 (Fujiwara)
2007-11-07 17:24:41
よくおもちゃ屋で見かけますが、こんなにおもしろいものだったのですね。買ってみようかな。

先日、お借りした本、拝読させていただきました。つねづね私が考えていること、それから大雑把なデータの扱いなど、同じ問題意識をもっている人がいることを知り、うれしく思いました。

まちなかにお越しの際は、ぜひご連絡ください。またいろいろとお話できたらうれしいです。
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X2 (271828)
2007-11-07 17:57:06
sachiko161さん こんばんは

双子の場合を想像すると、何でもX2にしないと不満が出ませんか?これも2個買うことになりそうですね。
湯船の中でも、お庭でも遊べるのでお買い得かも知れません。買って上げて下さいね。
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動画 (271828)
2007-11-08 05:09:04
Fujiwaraさん おはよう

遊具やおもちゃは見ただけで使い方が分かるものが多いのですが、やはり動画の威力は圧倒的です。PHLAT BALL も店頭で動画を流せばもっと売れるでしょうね。

さて本のことです。学力は「楽しいと感じた経験」によって伸ばされるのですね。単に100点取ったという達成感ではないのでしょう。
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