271828の滑り台Log

271828は自然対数の底に由来。時々ギリシャ・ブラジル♪

風車(ボツネタその2)

2007-03-15 19:34:50 | 遊具
この風車は近くの沼の曝気(ばっき)に有効ではないかと思って考えたのです。直径70mほどの農業用ため池には今では大変珍しくなった淡水二枚貝(ドブガイ)が生息し、ドブガイに産卵するタイリクバラタナゴが繁殖していることが分かっていました。

この沼の改修工事が持ち上がり、事前に生物の調査を行いました。鳥類では以下の種が確認されました。
カイツブリ目 カイツブリ科  カイツブリ
ペリカン目  ウ科      カワウ
コウノトリ目 サギ科     ゴイサギ  ダイサギ
ガンカモ目  ガンカモ科   カルガモ
キジ目    キジ科     キジ
ツル目    ツル科     バン
ハト目    ハト科     キジバト
スズメ目   ヒバリ科    ヒバリ
       ツバメ科    ツバメ
       ヒヨドリ科   ヒヨドリ
       ヒタキ科    オオヨシキリ
       ハタオリドリ科 スズメ
       ムクドリ科   ムクドリ
       カラス科    ハシボソガラス、ハシブトガラス
ブッポソウ目 カワセミ科   カワセミ

魚類では
コイ科 コイ、モツゴ(クチボソ)、タイリクバラタナゴ、ギンブナ
カジカ科 ヨシノボリ
が確認されて、沼を干した時には大きなブラックバスを5匹捕獲しました。
注目すべきはヨシノボリで、魚体にドブガイの幼生(グロキディウム)が寄生して大きくなるので、タナゴ・ドブガイ・ヨシノボリは1セットで保護する必要があるのです。
また貴重な淡水海綿も見ることが出来ました。

魚類の捕獲・移動には高専の学生さんや近所の方々がボランティアで骨を折って頂きました。沼を干すと底はヘドロが堆積し、貝は全く住めない状態です。貝を捕獲したのは岸近くの浅い場所に限られていました。

多くのため池では富栄養化が進んで緑藻類が繁殖し、昼間は光合成で酸素を放出しますが、夜間は酸素を消費するために沼の底では溶存酸素濃度が低下します。これでは貝は呼吸することが出来ません。

空気に直接触れている水面では分圧に応じた酸素が直ちに溶け込みます。流れも無く沼の表面積が容積に比較して小さいので沼全体の溶存酸素の量は少ないのです。水中に空気を吹き込むと気泡が出来ますが、これは気体と接する表面積を増加させることと等価です。従って気泡の直径が小さければ小さいほど効率は上がります。マイクロバブルが評価される所以ですね。
ですから池の曝気には普通、ポンプで空気を送り込みます。すると気泡と一緒に水も上昇するので上下の水が入れ替わるのです。しかしこれには大きなパワーが必要です。

私が構想したのはまたもや風車の非発電用途で、元々低回転・高トルクの風車で直接プロペラを回して水面の酸素の多い水を底に送り込むことです。それも夜間に活躍してくれることを期待したのです。CGには描いてありませんが、この風車はロープで岸に係留されなければなりません。
採用されなかったのはプレゼンも含めた営業力不足でしょう。
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