271828の滑り台Log

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老朽化する遊具(国交省の報道発表資料)

2009-01-14 05:01:14 | 遊具
今月の9日、国土交通省は「都市公園における遊具の安全管理に関する調査の集計概要について」という資料を公開しました。日本全国にどんな遊具がどれ位設置されているか、そして設置してから何年経過しているのか、やっと概要がつかめるようになりました。昨年の6月に私も「日本に存在する遊具の総数」と題する記事を書き、約50万基と見積もりましたが、大筋で合っていました。小学校・幼稚園を所管する文部科学省、保育所を所管する厚生労働省が同様な調査を実施され、資料を公開することを望みます。
国交省の当該ページにはPDFの資料3本が掲載されています。まず気がつくことは遊具の老朽化が急速に進んでいることです。冒頭に掲げたグラフがそれを物語っています。「設置後20年以上経過したものが4割以上」と注意を喚起していますが、設置年数が不明を含めると約6割です。同省の安全基準は日本公園施設業協会のJPFA-S:2008を参照規格としていますが、標準使用期間の最も長い鋼製の遊具でも15年です。

個々の遊具についても興味深いデータがありました。
「○要措置遊具の内、撤去の割合が高かった遊具
・撤去の割合が高い遊具は、回転塔(245 基 45.3%)、スプリング遊具(1,652 基37.6%)、
吊り輪(16 基 28.1%)の順であった。」

私が「絶滅危惧種」と呼ぶ「回旋塔」は「回転塔」なのでしょうか?そして撤去された遊具で絶対数が最も多いのはスプリング遊具(1,652 基37.6%)でした。スプリング遊具の問題点についてこれまで何度も書いてきましたが、物理で言う「ポテンシャル」の観点で考察したことがあります。載荷する質量によって不安定になる構造は基本的に好ましくないのです。これは金属性のバネを使おうとゴムを使おうと同じです。

昨年亡くなった石井桃子さんの言葉を胸に抱いて、この難関を乗り越えようと思っています。

子どもたちよ
子ども時代を しっかりと
たのしんで ください。
 おとなになってから
 老人に なってから
あなたを 支えてくれる のは
子ども時代の 「あなた」 です。
   石井 桃子
   2001年7月18日

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