https://news.yahoo.co.jp/articles/ca164b8261adac12ae7a5c4566b882526f8307d8
栄養専門誌『Journal of Nutrition』に掲載された論文によると、ペンシルベニア州立大学の研究者たちは、アボカドを1日1個食べることで、悪玉コレステロール値を改善させる可能性を明らかにした。
この場合の悪玉コレステロールとは、酸化した低比重リポタンパク質(LDL)と小さくて密度の高いLDL粒子のことを指し、どちらも動脈硬化症のリスクを著しく増加させるほか、動脈にプラークが蓄積しやすくなり、心臓発作や脳卒中のリスクが高まるという。
この実験は、21~70歳の体重過多や肥満の被験者45人を対象に行われた。初めの2週間は、アメリカの典型的な食事を食べ、その後の5週間は、コレステロール値を下げるために設計された3種類の食事をランダムに取り入れるように指示を出した。
被験者たちは5週間にわたり、炭水化物が59%、タンパク質が16%、脂質が24%(飽和脂肪7%、一価不飽和脂肪酸11%、多価不飽和脂肪6%)で構成された低脂肪食か、炭水化物が49%、タンパク質が16%、脂質が34%(飽和脂肪6%、一価不飽和脂肪酸17%、多価不飽和脂肪%)で構成された中程度脂肪食か、主要栄養素やヘルシーな脂質の割合は等しいけれど、アボカドを主な脂質源とする中程度脂肪食のいずれかを食べた。
その結果、5週間にわたってアボカドを毎日摂取していた被験者には、酸化した低比重リポタンパク質の数値に9%低下がみられている。
ペンシルベニア州の栄養学教授であるペニー・クリス・イーサートンは、次のように話している。「悪玉コレステロールのLDL粒子の大きさはさまざまです。それらは全て健康に有害ですが、小さくて高密度なLDL粒子は特に有害です。本研究における重要な手掛かりとなったのは、アボカドを1日1個食べていた被験者に、酸化したLDL粒子が少なかったことです」
さらには、アボカドを1日1個食べ始めて以来、心臓発作や脳卒中のリスクを低減する働きを持つ抗酸化物質、ルテインの血中濃度は68%も上昇していた。これを受けクリス・イーサートンは、ルテインには悪玉コレステロールの酸化を防止する働きがあるのではないかと考えている。
「酸化は、がんや心臓病などの症状の基底であることを、多くの研究が指摘しています」と、クリス・イーサートン。「LDL粒子が酸化すると、連鎖反応を起こし、動脈壁にプラークが蓄積する動脈硬化症を促進します。食生活を通して酸化から自分の体を守ることができれば、健康に非常に有益となります」
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しかしアボカドには、心臓の健康に有益な食物繊維や一価不飽和脂肪、そしてカリウムやマグネシウムなどの微量栄養素が豊富に含まれていることを数多くの研究が証明しているため、この研究結果の確実性は高いものと言える。
また、アボカドに含まれる一価不飽和脂肪酸のような良質な脂質は、満腹感が持続し、血糖値を安定させ、悪玉コレステロールを減少させる働きがあるだけでなく、高比重リポタンパク質(HDL)の数値を良好に維持するのにも役立つという。
これらのアボカドがもたらす健康上のメリットは、1日1個アボカドを食べることで悪玉コレステロール値が改善するという新たな研究結果の真実性を支持することになる。