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「ウサギは草食」のウソ、実は肉もよく食べる、映像で判明

2019-01-17 | 猫うさぎ犬、動物

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190116-00010001-nknatiogeo-sctch

天敵であるはずのカナダオオヤマネコや仲間の死骸まで食べる理由

 もふもふでかわいらしくペットとしても人気のウサギ。一般に草食と考えられているウサギの仲間が、実は肉を食べ、ときには共食いまですることを知っていただろうか? ウサギが「肉食系」でもある証拠がカナダで撮影された。

【動画】カメラは見た! 実は肉食系でもあるウサギ

 カナダのユーコン準州に生息するノウサギ属の一種、カンジキウサギは、長く寒い冬の間、栄養を補給するために動物の肉を食べていた。

 夏の間は植物を食べるノウサギたちだが、地面が雪で覆われ、気温がマイナス30度以下まで冷え込む冬になると、エサが見つからず、お腹をすかせてほかのウサギや鳥の死骸を食べるようになるのだという。

 そればかりか、最大の天敵であるカナダオオヤマネコの死骸にまで食指を伸ばすことがある。カナダ、エドモントンにあるアルバータ大学の生態学博士候補生マイケル・ピアーズ氏が、学術誌「Bio One Complete」に発表した。

「まず衝撃を受けました」。ピアーズ氏は、ノウサギの行動を、厳しい冬の間にたんぱく質の摂取量を増やす必要があるためではないかと考えている。「まさか、死骸をあさるとまでは考えていませんでした」

 ピアーズ氏が死肉を食べるカンジキウサギを撮影できたのは偶然も味方してのことだった。米アラスカ州との国境にまたがるセントエライアス山付近で、ノウサギの死骸のそばに遠隔操作カメラを設置し、やって来る野生動物を観察した。撮影は2年半に及び、観察した死骸の数は161体。そのうち20体がノウサギに食べられていたのだ。

 動画から言えることは、動物は単純に肉食か草食かは分類できないということだ。そして、カンジキウサギは普段からよく肉を食べることもわかった。

羽根まで食べるノウサギ

 ノウサギが肉を食べるという記録は1921年にはあった。確かにノウサギは気が荒いところがある。ただ、これまであった報告に科学的な裏付けはなかった。ピアーズ氏によると、「実際に肉を食べている様子がカメラで撮影されたのは今回が初めて」だ。

 2010年には、オンタリオ州政府のために哺乳類の生息数を研究していた生物学者のケバン・カウシル氏は、今回のカンジキウサギに似たノウサギの行動を観察している。カウシル氏は、半分だけふたを開けたイワシの缶詰を北方林の随所にしかけ、その近くに自動撮影カメラを置いた。元々はオオカミやテンが、イワシを食べにやってくると期待したのだが、カメラに写っていたのはノウサギだった。

「後ろ足で立って、木に釘で打ち付けてあった缶からイワシを上手に引き出していました」という。この調査は、学術誌に発表されていない。「死骸のそばにいるウサギも見たことがありますが、骨をかじっているとばかり思っていました。ノウサギやノネズミの歯形が付いた骨やシカの角はいくつも見たことがあります。肉も食べていたのでしょうか」

 ピアーズ氏の調査の中でも奇妙に思えるのは、ノウサギがハリモミライチョウという鳥の羽根を食べていたことだろう。食物繊維は取れるかもしれないが、ノウサギの体内で羽根はどうやって消化されるのだろう?

「一般に草食性と考えられる動物が肉も食べることは、以前から知られていました。今回、新たにわかったことは、羽根まで食べる動物がいたということです。生態学者も驚いていました」

 羽根自体を意識して食べる哺乳類は「極めてまれ」とピアーズ氏は言う。羽根を構成する成分のほとんどがケラチンで、タンパク質はほとんど摂れないからだ。

 もう一つピアーズ氏が驚いたことがある。死骸を見つけたノウサギは、ほかのノウサギに横取りされないよう、エサを守ろうとすることだ。一方で、ノウサギは何でも食べるかというと、そうとも言えないようだ。インターバル撮影された映像には、シカのような大型の死骸に近寄るウサギは観察されていない。大型の死骸はクマやクズリなど大型の動物が食べる。体が小さいウサギは危険を避けているのだろうと、ピアーズ氏は推測する。やはり自分と同じくらいのサイズの死骸がちょうど良いのだろう。

もっと違うものを食べている?

 北米では、草食と肉食の境界線を曖昧にする動物の行動がほかにも報告されている。アパラチア山脈では、ワタオウサギがライチョウの死骸をあさり、米ウィスコンシン州では牛が鳥の卵やヒナを捕食する姿が、アラスカ州ではビーバーが鮭の死骸を食べ、ノースダコタ州とサウスダコタ州ではオジロジカが地面に作られた鳥の巣を襲ったという報告がある。

 カナダ、トロント大学スカボロ校の生態生理学者で、論文の共著者でもあるルディ・ブーンストラ氏は、1980年代後半に、やはり寒い地方にすむ草食のホッキョクジリスがレミングを捕食する現場に遭遇した。

「本当に驚きました。草食動物といっても、純粋な草食とは限らないのです」

 ブーンストラ氏が目撃したのは、カナダのノースウェスト準州でレミングを調査していたときだ。リスがレミングを巣穴から掘り出し、自分の巣に持ち帰って食べる様子を観察した。

「このときリスは、レミングの脳から食べ始めました」と、ブーンストラ氏は話す。「冬の間、多くの草食動物は、たんぱく質が不足するので、それを補おうとしているのだと思います」

 このことから、ブーンストラ氏は「カンジキウサギも、リスのように小型動物を探して捕食しているのではないか?」という新たな疑問も生まれている。

 そうした証拠は今のところない。ピアーズ氏は今後も、この研究を続けるという。カンジキウサギの「食事」は、これまで考えられているより、ずっと多様なのだろう。

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