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送検されたのは京都市のインク製造会社「松井色素化学工業所」に勤める35歳の社員と67歳の嘱託社員。2015年12月、神奈川県茅ケ崎市のTシャツメーカーにインクを納入した際、塩化ジデシルジメチルアンモニウムをセットで販売した。
このメーカーが製造したTシャツを昨年9月、茅ケ崎市で開催されたマリンスポーツ大会で主催者が選手とスタッフに配布。着用した100人以上に皮膚がかぶれるなどの症状が出たのだ。
「塩化ジデシルジメチルアンモニウムは殺菌剤の一種。送検された2人はインクで染色する前にこの物質を塗布しておけば、鮮やかな色になることを突き止め、インクとセット販売したのです。その際、“水で薄めて塗布してください”と注意したが、この溶剤は水溶性なので海に入ったり、汗をかくと溶けだして化学熱傷の症状を引き起こす。そのため着た人がヤケドを負いました。入院した被害者もいます
松井色素はこう説明する。
「当社の社員は、塩化ジデシルジメチルアンモニウムを塗布した上からインクをのせると固着して溶け出さないと判断したようです。ところが水ぶくれやただれといった症状が出ることになりました。現在、被害者のみなさまにおわびに伺っているところです。まことに申し訳ありません」(同社総務部)