https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181106-00010000-ourage-life
更年期世代に圧倒的に多いのが、漢方でいう“五行”における「肝」と「腎」の不調だそう。
「肝の働きが強すぎて熱がこもる『肝熱』は、イライラしやすくなったり、汗がどっと出たり、のぼせ、ほてりなどの症状が出ます」と漢方薬剤師の樫出恒代さんは話す。
自分の現状を知る簡単な方法は、舌を見ること。漢方においては「舌診」は重要だ。
「舌には、その人の体調が面白いように映し出されています。毎日、鏡の前で舌をチェックする習慣をつけましょう」と樫出さん。舌を見るポイントは色、形、苔(こけ)のつき具合。
「健康で若々しい舌は、薄紅色で滑らかな形で、苔が偏りなく薄く生えています。そんな舌を目指してください」
≪肝熱の舌の例≫
【特徴】 舌の裏側の静脈2本が太くくっきり浮き出ている。縦に走る静脈が太くて2本が近寄っているほど、血液がドロドロになるお血(おけつ)の可能性大。不調の大きな原因は血流の悪さにあり。
【起こりやすい更年期症状】 痛みに弱く、肩コリ、首コリ、腰痛に悩まされがち。目の下のくまやシミができやすい。手足は冷えるのに顔や頭はボーッとする冷えのぼせになりやすい。あざが消えにくいことも。
【漢方薬の例】
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…滞った「血」の巡りをよくする
・田七人参(でんしちにんじん)…中性脂肪やコレステロールを分解し、血液をサラサラに。
【特徴】両脇が赤く、舌に厚みがある。高血圧で血流が悪くなりがちな肝熱の典型的な舌。舌の両脇が鮮やかな濃いめの赤色。肝熱の舌は総じて厚みがあり、大きめ。
【起こりやすい更年期症状】ストレスをためやすく、イライラしがちで、のぼせやすい。不眠に悩まされることも。
【漢方薬の例】
・加味逍遙散…「血」の不足を補い、自律神経を整える
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)…のぼせを抑え、イライラを落ち着かせて、不眠を改善。
【特徴】両脇が赤く、苔の色が黄色っぽい。肝熱の特徴である両脇の赤みと厚みのある舌に加え、苔が黄色っぽいのは、体に熱がこもった状態を表している。
【起こりやすい更年期症状】胃腸が弱り、食欲がなく、食べても消化不良に。周囲の出来事に敏感になり、気にしたり、怖がったりするように。
【漢方薬の例】
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)…落ち込んだり不安になったりするのをケア。
・抑肝散(よくかんさん)…神経の高ぶりを抑えてうつうつとした気分を解消。
【特徴】舌のまわりが赤く、厚みがある肝熱タイプで、側面が波打っているのは、漢方でいう水毒の状態。体に余分な水がたまっている。
【起こりやすい更年期症状】花粉症、鼻炎などのアレルギー症状を起こしやすい。物事に神経質になりやすい。自分を出さず、息が詰まりがち。
【漢方薬の例】
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)…冷えを改善し、神経過敏をケア。
・クマザサエキス…抗菌作用に優れ、アレルギー症状を抑えて免疫力をアップ。
※漢方薬の服用については、漢方専門の医師や漢方薬剤師などに相談のこと。