https://www.fnn.jp/articles/-/37536
略 新型コロナウイルス特有じゃないかと今のところ言われている。肺炎が重症化するメカニズムでも肺の中の細かい血管に血栓ができて循環が悪くなり、肺炎が悪化し、重症化するのではないか。略
普段は血栓がつかないようなところにつく。頸動脈、首のあたりに血栓がついて、治療したら消えてしまうということもあった。もしくは血管内治療を行った症例では、血栓をある程度とってもまた自然にそこに血栓ができ、詰まってしまうという状態が繰り返されることもあった。
普通、脳梗塞で主幹動脈が詰まる場合は例えば心臓内で大きな血栓ができて、頭にとんで大きな血管が詰まってしまうというメカニズム。その場合血栓は一度回収すればおしまいだが、若い症例では血栓が一度できたら回収してもできやすく、何度でもできやすい。または異常なところに血栓ができやすいというような形だった。だから、心臓から血栓がとぶようなタイプの脳梗塞、我々が普段治療しているような脳梗塞ではなかった。
ーー全米レベルで症例数は?
まだつかめていない。ただ、血栓症の中でも、脳から戻る血管、静脈に血栓ができる脳静脈洞血栓症という月に1例あるかないかの症例が、新型コロナウイルス感染が始まったのと同時期に急に4例相次いだ。元々は経口避妊薬を内服している若い女性や肥満のリスクがある方に起こる。マンハッタン内でニューヨーク大学やブロンクスの病院でも同じような疾患を見たという話があった。
ーーなぜ若年層に起こるのか?
実際には、コロナウイルス陽性の高齢の方も脳梗塞になりやすいと思う。若い人でも(感染した場合は)凝固機能が亢進するため、脳梗塞がみられるようになってきたし、また、重症なタイプの脳梗塞がみられるようになってきたのではないかと考察している。
ーー治療法は特別なものか?
脳梗塞に対する治療は通常の治療。それにコロナウイルスの治療、呼吸管理、全身管理が必要になってくるかどうかの違いだ。略
重松医師:
「脳梗塞の治療は時間との闘いだ。血管が詰まった瞬間から脳細胞がどんどん死に始め、脳に早く血が流れるようにしてあげないと脳を救うことができない」
特に若い世代の場合、受診が遅くなることが問題で、ダメージが最小限に抑えられなかったり、思うような回復が得られなくなるケースがあったと言う。また、以下の症状があった場合は、若い世代でも脳梗塞の恐れがあると注意を呼びかける。
重松医師:
「ろれつ障害、体の片側だけ力が入りにくいなど筋力低下、顔が非対称になる、片側だけ動きにくくなる、半身だけのしびれというのが一般的な症状だ。頻度が高いわけではないと思うが、(脳梗塞の症状が)若い方にも起こりうると認識してもらい、万が一症状が出たらコロナがいるからいやというのではなく、一刻も早く受診してほしい。早く来て早く治療すれば、より回復がよくなる、それを伝えたい」
一方、医療従事者に対しては、若い世代を含む全ての脳梗塞の患者に対して新型コロナウイルスの検査をすべきだと強調する。
重松医師:
「脳梗塞の患者さんに対しては、症状がなくてもコロナウイルス感染症を疑うことが自分を守る、スタッフを守る、病院を守る、患者さん、また院内の他の患者さんを守るという立場から大事じゃないかと思う。当院では症状が無くても、脳梗塞患者の全症例に、コロナウイルスの検査をしている。安全管理、患者さんマネージメントの面からしても大事なことじゃないかと思う」略