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大阪北部地震は「西日本大震災」の序章にすぎない 全国で地震頻発 首都直下地震を誘発する可能性は?

2018-06-23 | 地震

どこを観てもありますが、日本は、地震が起こる時期になっているようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180623-00007879-bunshun-soci 

6月18日、午前8時ごろに発生した大阪府北部を震源とする地震は、府内で観測が開始されてから95年ぶりとなる震度6弱の大揺れを観測した。電気、水道、ガスなどのライフラインが全て止まり、関西の交通は大混乱に陥った。倒壊したブロック塀の下敷きになって9歳の女児が死亡するなど、死者5人、負傷者370人以上、住宅の損壊300棟以上という大きな被害が出ている。

【図】「西日本大震災」の震源域

 今回の地震は、陸上のどこでも起こりうる典型的な直下型地震である。最近の日本では、群馬をはじめ列島全域でこうした内陸地震が続き、地球科学を専門とする私にも、分析を求める問い合わせが頻繁に来ていた。その中には、私が「西日本大震災」と呼び、警鐘を鳴らしてきた南海トラフ巨大地震との関係を問うものもあった。

 南海トラフ巨大地震とは、東海、東南海、南海の3つの地域で同時に発生する「連動型地震」で、西日本全域に、東日本大震災を超える甚大な被害をもたらすと考えられている。

被害総額1410兆円の激甚災害が起こる

 これまで西日本では、巨大地震の約40年前から直下型地震が増加する現象が起こっている。直近では1995年の阪神・淡路大震災が、直下型地震が増加する起点になっていると考えられており、阪神・淡路大震災以降に西日本で起こった直下型地震の多くがこうしたプロセスにあるためと解釈される。

 つまり、結論から言えば、大阪府北部で起こった今回の地震は、2030年頃に起こると予想されている南海トラフ巨大地震という「激甚災害」の序章にすぎない。つまり、大阪府北部地震は、現象としては「想定内」の直下型地震であり、起こるべくして起きた地震と言える。

 この地震に先立つ6月7日、奇しくも土木学会が南海トラフ巨大地震に関する衝撃的な数字を発表したのをご存知だろうか。

 地震の規模を表すマグニチュードが9.1と想定される巨大地震の揺れと津波災害によって、発生後20年間の被害額が推計1410兆円に達するというのだ。具体的には、道路や港など社会インフラが破壊されるばかりか、日本最大の工業地帯が壊滅することで、長期にわたって国民所得が大幅に減少すると想定された。この試算を受け、土木学会は国家を破滅に導く「国難」が起こるとして早急の対策立案を提起した。

 ちなみに、過去に内閣府は、東日本大震災の被害総額は約20兆円と計算しているが、その時も南海トラフ巨大地震の被害額は、東日本大震災よりも1桁上回る220兆円超と試算されていた。これは地震発生直後のみの累計だが、今回、土木学会は発生直後からの20年間で、その7倍もの被害額に膨れあがることを警告したのだ。

 その経済的損失の大きさから、私は改めて、地球科学的に正確な「南海トラフ巨大地震」という言葉ではなく、「西日本大震災」という言葉でこの危機的な状況を認知することが肝要だと考えている

「首都直下地震」が2020年に起こる?

 では、今後の日本列島で何が起きるかを予測してみよう。過去の現象を精密に解析すると確度の高い将来予測ができることから、地球科学では「過去は未来を解く鍵」というフレーズがよく使われる。フィールドワークを行い、さらに古文書を読み解くことで、日本の「古地震」についても多くのことがわかってきた。

 その結果、現在の日本列島の「地下」の状況は、9世紀の日本と非常によく似ていることが解っている(詳しくは拙著 『日本の地下で何が起きているのか』 岩波科学ライブラリーを参照)。東日本大震災に誘発された約1000年周期の地殻変動と、西日本で約100年周期に起こっている地殻変動の2つがちょうど重なりあって、複数の地震を連鎖的に起こす「大地変動の時代」に入ったのである。

 ここで歴史を繙き、9世紀に起こった地震を振り返ってみよう。まず、869年に東北地方を襲った「貞観地震」は、場所・規模ともに東日本大震災と酷似している。貞観地震の9年後の878年には、マグニチュード7・4の直下型地震、すなわち「相模・武蔵地震(関東諸国大地震)」が発生した。さらにこの9年後の887年には、南海トラフ沿いにマグニチュード9、しかも震度7の激震と巨大津波が起きている。つまり、東海・東南海・南海の連動型地震「仁和地震」の発生である。

 これらの事例を21世紀に当てはめてみるとどうなるだろうか。東日本大震災は2011年に発生したが、その9年後は東京オリンピックが開催される2020年に当たる。この頃、関東中央圏で直下型地震が起こり、さらに9年後の2029年に南海トラフ巨大地震が起こる計算になる。

 もちろん、これは単純に年数を足したもので、その通りに地震が起きるわけでは決してない。しかし、9世紀の記録を「過去は未来を解く鍵」として考えると、日本列島が予断を許さぬ状況にあることもわかるだろう。

日本列島が直面する3つの「想定外」

 こうした「想定内」の予測ですら甚大な被害が予想されるが、それに加えて日本列島は、3つの「想定外」に直面している。

 1つ目は、東日本大震災が起こったことである。マグニチュード7程度の地震は想定されていたが、実際にはその数100倍も大きな巨大地震が起こってしまった。これにより、東日本大震災の後、日本列島にはいまだに大きな歪みが蓄積しており、それを解消しようとして今後も内陸地震がいたる所で頻発するとみられる。

 2つ目は、日本列島には「未知の活断層」がいくつも隠れていることだ。日本の地下には直下型地震を起こす活断層がいまだに数多く隠れているが、大都市の地中には、地下鉄やガスパイプなどインフラ設備が多くあるため、十分な調査が進んでいない。そのため、地震後に調べて初めて断層が発見される、ということが多い。

 3つ目は、地震がいつどこで起こるかとピンポイントで予知できないということである。地震は地下の岩盤が急速に割れることで発生するが、そもそも天然の岩石ひとつにしても、非常に複雑な物質で構成されるため、いつどこで割れるかを予測するのは不可能に近い。たとえ超高速のコンピュータを用いて解析しても、「何月何日に発生する」というレベルで予知することはそもそも無理なのだ。

 実用的な地震予知が極めて困難な状況で、日本列島は1000年ぶりの変動期に入ってしまった。今後、自然災害が頻発する「国難」の中で生き延びるには、こうした想定外を正しく理解し、その上で「自分の身は自分で守る」準備をする必要がある。略

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180622-00000008-pseven-soci&pos=1全国で地震頻発 首都直下地震を誘発する可能性は?

「スロースリップとは地下のプレートの境界がゆっくりとずれ動く現象で、それによって地震活動を引き起こし、過去には震度5弱の揺れを伴うものもありました。ゆっくり滑っている場所の横に大きな『固着域』があると、そこがバチンと割れるように大きな地震を誘発する可能性があります」(元気象庁精密地震観測室室長の岡田正実さん)

 さらに、大阪地震の前日17日には群馬県で震度5弱の地震が発生。県内の4市にまたがる「大久保断層」によるものと見られている。立命館大学歴史都市防災研究所・環太平洋文明研究センター教授の高橋学さんはこう指摘する。

「大阪地震は『フィリピン海プレート』の圧力が強まることによってユーラシアプレートの内部の断層が動いて起きたと考えられます。実は、そのフィリピン海プレートの東端に当たるのが千葉です。群馬の地震も、同じようにフィリピン海プレートの圧力で発生したと見られます。もう少し広い範囲でフィリピン海プレートを見ると、南の方で沖縄や台湾、フィリピンでも最近、地震が増えているんです。2016年に地震が起きた熊本や原発のある鹿児島、愛媛を含む地域は、日本最大の断層に沿ってフィリピン海プレートの影響を受ける場所で、一斉に地震が起きている印象があります」

 日本の関東地方の地下は、とくにプレートが何枚も重なり合う場所なので、さまざまな要因で「首都直下地震」が起こるとされるが、その中でも特に大規模な揺れを起こすとされるのが「相模トラフ」だ。相模トラフとは、フィリピン海プレートと大陸プレートがぶつかり合う境界面を指す。つまり、千葉、群馬、大阪と繋がるフィリピン海プレートの活発化が、近々、首都直下地震を誘発する可能性があるということだ。

 さらに甚大な被害を起こすと懸念されているのが「南海トラフ」だ。政府の中央防災会議の試算によれば、死者数は最大で32万3000人という想像を絶する被害が想定される。この南海トラフも同様に、フィリピン海プレートが大陸プレートに圧力をかけることで起こる。

「2016年の熊本地震では、まず日奈久断層帯を震源とするM6.5の地震が起こり、その2日後に隣接する布田川断層帯を震源とするM7.3の“本震”が発生しました。その後、阿蘇地方や大分県にも飛び火するように震源域が広がり、地震が連鎖的に続いた。この地域は関東地方まで続く中央構造体という大きな断層の一部で、1つの断層の動きが各地に地震を引き起こした可能性はあります」(前出・高橋さん)

 今回の大阪地震では「有馬―高槻断層帯」が震源になったが、大阪市中心部の真上を通る「上町断層帯」の方が、発生確率はそもそも高かったので、大阪都心部もさらなる警戒が必要だ。

 いつ、どこで起きるかわからない大地震。「万が一」ではなく、「明日来る」覚悟で備えておくべきだ。

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