https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180319-00000011-ykf-soci
中国人観光客の「爆買い」が話題にのぼらなくなった一方で、ブランド品や電化製品、医薬品など日本で購入し、オークションなどで高値で転売する外国人らが暗躍している。彼らは「転売ヤー(転売とバイヤーをかけた造語)」と呼ばれ、暴行騒ぎもたびたび生じている。
今月9日、外国人とみられる複数の人物が警備員に暴行する騒動があったのは、木村拓哉(45)ら芸能人も愛用することで知られる人気ブランド「Supreme(シュプリーム)」の都内の店舗。新製品販売で行列を作る人に担当者がブランド着用や身分証の提示を求めるなど転売ヤー対策を行ったことへの不満が原因とみられる。ネット上では、複数の人物がパイプいすのようなものを手に担当者に襲いかかる動画が拡散された。
人気ゲーム機の新製品発売などでも大手量販店に転売ヤーは列を作ることが多い。大手ゲーム関連会社の担当者は「直接の対策は講じられない。少しでも多く生産して普通に手に入れられるようにするしかない」と嘆息を漏らす。
中国事情に詳しいジャーナリストの奥窪優木氏は「『転売ヤー』は個人や家族から組織ぐるみで動いているものまである。銀座のオフィスで中国人観光客向けにショールームなどを開いている場合もある」という。
転売ヤーが日本で仕入れた商品は「『淘宝(タオバオ)』や『天猫(テンマオ)』と呼ばれるインターネットモールで販売する。医薬品はSNSのWeChat(ウィーチャット)などで取引されている」と奥窪氏は説明する。
最近は転売対象の商品は高額品から日用品や化粧品にシフトしてきているという。
少し我慢すれば中国で入手できる商品もあるというが、なぜ割高な価格でまで転売品を買うのか。奥窪氏は「中国は見えっ張りが多く、他人が持っていないものを持ちたがるということがある。また日本製品に信頼があるため、買い手は安全面などに気を配る余裕のある中流層が多いようだ」と分析した。