https://www.buzzfeed.com/jp/nicolenguyen/amazon-fake-review-problem-1?utm_term=.vc9D2WRPw#.fp0Pw6mvV
オンラインには、アマゾンの不正レビューを売買するための巨大なエコシステムが存在し、アマゾンによる取り締まりを巧みにかわしている。
ジェイクはこのiPhoneケースを一度も試していない。それどころか、ジェイクはiPhoneを持っていない。
ジェイクはレビューのリンクをコピーし、「Slack」の招待制チャンネルに貼り付けた。報酬と引き換えにアマゾンのレビューを書く人々を対象としたチャンネルだ。1日後、ペイパルから通知が届いた。ジェイクのアカウントに入金があったという内容だ。入金の内訳は、使用しないiPhoneケースの返金10ドルと3ドルの謝礼。もしジェイクがiPhoneケースを転売すれば、その売り上げも手に入る。
ジェイクは本名ではない。ジェイクを含め、今回取材に応えてくれた5人のレビュアーは、アマゾンにアカウントを停止されては困るという理由で、匿名を希望した。ジェイクらは、インターネット最大のマーケットプレイスの隅々まで浸透している不正レビュー経済を支える、目に見えない労働力の一部だ。レビュアーたちは、手軽な収入と無料の商品に引かれ、LEDライトからドッグフードを入れるボウル、服、さらには妊婦用ビタミン剤のような健康用品まで、アマゾンで販売されているあらゆる商品に、偽の5つ星レビューを投稿している。目的は、レビューを見た人々に最高の商品だと思わせ、「アマゾン・ゴールドラッシュ」の分け前を狙う出品者の売り上げを増やすことだ。
一方、きちんとルールを守っている出品者は、不正レビューの海に飲み込まれないようにするのが精一杯だ。買い物客たちは、不良品やあからさまな欠陥品をつかまされている。そして、アマゾンはなすすべがないも同然だ。
不正レビューのシステムは複雑で、サブレディットやSlackの招待制チャンネル、「Discord」のプライベートサーバー、非公開のFacebookグループが絡み合っているが、インセンティブは単純明快だ。競争の激しいアマゾンマーケットプレイスで大量の在庫を売りさばくには、星5つの評価を獲得することが不可欠であるため、出品者は、良い評価を得るためであれば、喜んで数千人に報酬を支払う。