本日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第12回会合が開催され、甲状腺検査の最新の結果が公表されたのでまとめておこう。前回関連の過去記事は、福島の健康調査 (9-1) 甲状腺検査の結果(2013.6月) 2013/6/8。
先ず関連の報道振りは、例えば朝日新聞から、
福島の子どもの甲状腺がん、疑い含め44人に 16人増
2013年8月20日20時31分
http://www.asahi.com/national/update/0820/TKY201308200364.html
【大岩ゆり、野瀬輝彦】福島県は20日、東京電力福島第一原発事故の発生当時18歳以下だった子どものうち、44人が甲状腺がんやその疑いがあると診断されたと発表した。6月から16人増えた。県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。ただし、県の検査や説明に対して県民の間に疑問や不安の声もあるため、県は、専門家による新たな部会を作り、検査に問題がないか検証することになった。
・・・累計ではこれまでに結果が判明した約19万3千人のうち18人が甲状腺がん、25人が疑いありと診断された。1人は疑いがあったが良性だった。・・・
今回会合の配布資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=050D054B969C712FDB5E5898D8D20683?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、
第12回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年8月20日開催) 当日配布資料
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250820siryou2.pdf
一つだけデータを抜粋して貼り付けておくと、
図1 福島県の甲状腺検査二次検査の検査数推移と結果概要(2013.7月末現在)
出典)前掲資料5頁。
いつものまとめ表を更新しておくと、
図2 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.8月)
比較のため前回分もおいておくと、
図3 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.6月)
気づきの点を指摘しておくと、
・2013(H25)年度の検査実施分(いわき市、須賀川市、相馬市などが対象地域)については、異常判定率がかなり高い(2013年59.1% vs 2012年45.3% vs 2011年36.6%)。
・「がん診断」1人に対応する1次検査者相当数については、前回6月から余り変化がない(今回2,190人 vs 前回2,170人)。発生傾向には変化なく、検査終了数の増加に伴い「がん診断」数が増加した模様。
以前から、2次検査の実施のスピードが遅いと指摘しているけど(未だに約4割が未実施)、やっと検査機関を増やしたようだ。しかし、参議院選挙後というタイミングは、何も意味がないと考えてよいのだろうか(図1によれば、同選挙の前月から何故か検査数も増えてるし・・・)。前掲資料から、
なお、福島県立医科大学以外にも、郡山市の星総合病院においては7月24日から、いわき市の福島労災病院においては7月26日から、それぞれ2次検査を実施している。(前掲資料3頁)
明らかに異常な事態が進行しているはずだが、福島県側は未だにこんな戯言を言っているとは・・・。仮に専門部会を設けても、何の意味があるのだろうか(早く被曝の影響の可能性ありとして、方針変更すべきだろう)。冒頭の記事から再掲しておくと、
・・・県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。