(A) 関連する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型
今回は、
なじみ深い病気(現象)との関連をことさらに強調して報道するパターン
に関連すると考えられる。腰痛自体は、かなり多くの人にみられる症状で、なじみ深いものといえるだろう。このような放送があると、なかには「とんでもない腰痛」もなじみ深い病気ととらえてしまう人もいることだろう。
(B) 今回の放送内容
NHKの番組サイトから、
年間1万人!死に至る腰痛があったとは!?
2013年02月06日放送
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20130206.html
全国1000万人以上が悩まされているという腰痛はまさに国民的大問題。
これまでためしてガッテンでも、腰痛が楽になるウオーキング法など、さまざまな対策をご紹介してきましたが・・・
実は、ひとくちに腰痛といってもその原因は30種類以上!
しかも中には、血管の異変から「突然死」につながるケースもあったんです。・・・
詳しい内容は上記URLでみてもらうとして、主要な論点は、多分放送内容のタイトルから考えても、「とんでもない腰痛」とされる大動脈の異変に関する次の部分ではないだろうか。
死に至る「とんでもない腰痛」とは?
ただのギックリ腰(あるいは慢性腰痛)だと思っていたら命を落としてしまうケースが実際に存在します。
名付けて「とんでもない腰痛」。・・・
この「とんでもない腰痛」の原因は、全く違うところにあります。
それは「大動脈」です。
しかも、この大動脈が原因の「とんでもない腰痛」には2つのタイプがあります。
1. ギックリ腰のような痛み=「大動脈解離」
(中略)
2. 慢性腰痛のような痛み=「腹部大動脈瘤(りゅう)」
(中略)
とんでもない腰痛の見分け方は?
大動脈解離や腹部大動脈瘤(りゅう)などの危険な痛みを見分けるポイントが「横になって寝ている状態で痛むかどうか?」
安静にしても「痛みが持続する」、あるいは「時間とともに痛みが強くなる」などの症状がある場合は我慢しすぎず病院を受診することが大切です。
副次的には上記引用に続く、次の「危険な腰痛」部分も関係すると思われる。
また、「とんでもない腰痛」以外にも、放置しておけない危険な腰痛があります
・すい炎
・がん
・尿路結石
・椎体骨折
などです
残りの部分は、「普通の腰痛」に関する対策が幾つか紹介されている(温める?冷やす?、運動療法)。
(C) コメント
歳をとれば腰が痛くなるのはわりとあることだろうが、3.11後は特に増加している可能性が高いだろう (この点について過去記事はココ)。実際にもそのような増加がみられるようで、他力本願でいくと、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、
スポーツ選手を含む著名人に「ギックリ腰」が多発している
2013年3月5日火曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.com/2013/03/blog-post_793.html
腰痛は中高年にとってはなじみ深い症状と思われるが、放送ではその原因は30種類以上と指摘しつつ、この内容が放送されたということは、足元で大動脈の異変が3.11前より増加している可能性があると考えられる。
なじみ深いものと結び付けることによって、大動脈の異変もなじみ深いものとしたいとの意図があるのかもしれない。
以前の記事(ココ)でも少し触れたけど、内部被曝があるときには、
「放射性降下物血症」 →「高酸化ストレス血症」の一種 →血管病変
という経路で血管系の病気にになり得るだろうと推測される。
実際、チェルノブイリの経験でも血管の早期老化が問題となっていたようだ。サイト「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」の「チェルノブイリの健康被害 原子炉大惨事から25年の記録」(セバスチャン・プフル-クバイルほか著、2011.4月)から少し引用すると、
第2章 汚染除去作業員
http://isinokai.churaumi.me/2012/03/07/hapter2/
2.1 放射線被ばくによる早期老化作用
(中略)
ロシアとベラル-シ、ウクライナの汚染除去作業員での調査では、成人病の発病時期が正常老化作用で現れるよりも10~15年早く見られた15)。 まとめると次のようになる。
血管の老化が早まった-特に脳の血管-そして冠動脈16)。
老人性白内障、眼底血管の動脈硬化、そして早期視野狭窄17)。
中枢神経系障害のため高次知的認知能力の喪失18)。
抗酸化システム-外的損害因子による細胞染色体の損傷の修復を担う-の安定性の喪失19)。
噂話のレベルだと、少し古いけどツイッターから、
@KinositaKouta
@onodekita 同一ビル内で、突然死と大動脈解離が別々におきた。港区。海岸べりビル。清掃工場から近い。三十代の女性と、男性。
Jul 4, 2012
ついでにYNNチェルノブイリ報告書 (これについての過去記事はココ) に関し、関係しそうな部分のいわゆる勝手訳のURLだけ紹介しておこう。
セシウムで心臓・血管が傷つけられ、高血圧・虚血性心疾患・動脈硬化・脳卒中-ヤブロコフ「心臓および血管に関する病気」から
日時 2011 年 10 月 23 日
http://www.asyura2.com/11/genpatu17/msg/707.html
ちなみに、大動脈の異変の解説については、gooヘルスケアから、
大動脈解離 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10660400.html
大動脈瘤 http://health.goo.ne.jp/medical/search/10660300.html
放送では「普通の腰痛」の対策には言及しているけど、何故か「とんでもない腰痛」の対策には触れていないようだ。放送のタイトルから考えれば当然すべきと思うのだが。内部被曝の危険性を指摘しつつ、よい子は食べて応援はしない方がよい、と解説したならば、内容に一貫性も出てかなり素晴らしいものになったことだろう。
ちなみに普通の腰痛の対策部分に言及すれば、基本は温めた方がよいと個人的には感じている。腰痛がするということは、どこかが損傷しているはずで、とりあえず免疫力を高める必要があるからだ。しかし、損傷部分の修復反応が強すぎて痛くて寝れないほどならば、冷やして反応を和らげ、睡眠時間を確保するということも必要だろう。
なお、「とんでもない腰痛」を「普通の腰痛」(ぎっくり腰)、「危険な腰痛」(尿路結石)との関連でみれば、3.11前の事例なのだけど、次の経験談がかなり参考になるだろう。サイト「花水木法律事務所」のブログから、
大動脈解離顛末記(1) 2011年12月 2日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-c43e.html
大動脈解離顛末記(2) 2011年12月 9日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-3b95.html
大動脈解離顛末記(3) 2011年12月22日 (木)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-cf7a.html
大動脈解離顛末記(4) 2012年1月13日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-548e.html
大動脈解離顛末記(5) 2012年1月27日 (金)
http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-729d.html
上記の最後の記事では、次のように指摘されている。
要するに、思い当たる節がないのである。あのときトイレの中に悪魔がいて、命を奪う相手を探していた、という話の方が、腑に落ちる。
トイレの中の「悪魔」なるものは、3.11前だと生まれつきの体質やそれまでの生活習慣から生じたモノのような気がするけど、3.11後には「悪魔」は東北関東の各地にかなりばら蒔かれたので、体内に取り込まないようにかなり注意して生活する必要があるだろう。