衰颯的景象、就在盛満中、発生的機緘、即在零落内。 故君子、居安宜操一心以慮患、
処変当堅百忍以図成。
衰颯の景象は、就ち盛満の中に在り、発生の機緘は、即ち零落の内に在り。
故に、君子は安きに居りては宜しく一心を操りて以って患を慮るべく、
変に処りては当に百忍を堅くして以って成るを図るべし。
「安きに在りて驕らず、逆境にもめげず」
物事が衰える兆候は、盛んで満ち足りている中に在り、
新しい芽生えの働きは、草木の葉が枯れ凋んだ状態の中にまで伏在している。
だから君子たる者は、心配のない状況にある時には、本心を堅く守って、
一旦事が起こった場合のことを考えておき、
不時の災難に遭遇した時には、忍耐に忍耐を重ねて、
難を逃れ、事が成就することを計るべきである。