これが私と開き直らずに、懐の深い人間になろう、と決めた。(その記事はコチラ)
何かを決めたら、それに関するお試し問題がやってくる、というのは誰にも平等な宇宙の法則で、私にもいくつかのお試し問題が降って来た。
懐の深さを測るといっても、たいした練習問題ではないが、これに合格しないと、もっと面倒な問題がやってくるのを知っているので慎重になる。
あるギャラリーに立ち寄ったとき、ラティーシャと話しているところへナタリーが入って来た。
「この、バイオなんだけどね」
作品の裏には、作者の簡単な略歴やらストーリーを記した文章がついていて、それをバイオという。
私も、6年前ぐらいのほぼ詐欺のような顔写真とともに、絵を始めたきっかけやらコラージュのことなどを書いた文章をつけてある。
「11か所、間違いがあるの」
私の作品の裏のバイオを指さして、言った。
そしてその間違いをひとつずつ説明してくれるのだが、11か所のうち9か所は、ピリオドのあとに一文字分のスペースがない、というもので、あとはFORでもいいがONのほうがしっくりくるという前置詞と、カッコでくくる時のカッコの選び方だ。
それは夫に添削してもらってから印刷したものだし、6年以上誰にも指摘されたことはない。
「Who care?(誰が気にするってのさ)」と胃のあたりまで出かかって、飲み込んだ。
ナタリーは、添削したのをメールで送ってくれるという。
「まーそれは親切にありがとう。実はバイオをたくさん刷ったばかりだから、次のときに使わせてもらうね」
ナタリーは嬉しそうな顔をして、
「よかった。私、こういうのって我慢できないタチなの」
ナタリーが去ったあと、ラティーシャがクチパクで
「完・璧・主・義・者」
と言って舌を出した。
最初の練習問題の解答は、果たして正解だったろうか。
次に来たお題は、次回に。
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