寒くなったからと思って厚着をしていくと、出先では暑くなる。この季節、調整が難しい。
百貨店の長崎物産展で、ついつい氷菓に惹き付けられ、アイスクリンを買った。
「あいすくりん」、母が、アイスクリームのことをそう呼んだことがあった。
ちょっと変で、ちょっと面白かったのでよく覚えている。
昭和30年代に、屋台でソフトクリームのようなものを売っていたらしい。
乳脂肪分はほとんど感じられなくて、牛乳・卵・砂糖の氷菓子というような味。
鐘の音がチリンチリンと聞こえると、子供たちは飛んでいったに違いない。
鳴りもので客を呼ぶのは豆腐屋も。長い笛を上手に鳴らす様子に感心した覚えがある。
鐘や笛は、喧噪とはほど遠い風景のなかで聞こえたことだろう。
お寺の、教会の鐘が時刻を知らせたというのも昔話になった。
今でも聞こえるものがある。寒い夜の拍子木。町内会の夜回りだ。守られている音に感謝。