『逆システム学:市場と生命のしくみを解き明かす』
金子勝・児玉龍彦、2004、『逆システム学:市場と生命のしくみを解き明かす』、岩波新書
要素還元主義の自然科学に対抗し、多重フィードバックシステムによる市場と生命という複雑なシステムの理解を目指す逆システム学を本書は提示する。もちろん、新書という限りあるボリュームであるのでそのアウトラインを描いたに過ぎないとしても、自然科学・社会科学のメインストリームのパラダイムに対して十分力強いカウンターパンチを浴びせたと思える。
二人の著者はそれぞれ、経済学と生命科学のバックグラウンドを持っている。各著者は、多重フィードバックシステムという概念をそれぞれ別個各々が課題とする生命システムや市場システム理解に適用した研究を進めている。そして、多重フィードバックシステムが複雑系の理解に重要な意義をもつという点で問題意識を共有し、対話を繰り返して本書に至ったという。
ただ、生命現象や市場メカニズムが多重フィードバックであって、単純なシステムへの還元と理解ではおわらないという点は理解できるのだが、さて、本書に描かれるスケッチだけでは、残念ながら理解が及ばない。現時点では、両著者の次なる展開を期待するということではないのか。
(途中、文章が変でしたので、訂正しました。5月12日)
要素還元主義の自然科学に対抗し、多重フィードバックシステムによる市場と生命という複雑なシステムの理解を目指す逆システム学を本書は提示する。もちろん、新書という限りあるボリュームであるのでそのアウトラインを描いたに過ぎないとしても、自然科学・社会科学のメインストリームのパラダイムに対して十分力強いカウンターパンチを浴びせたと思える。
二人の著者はそれぞれ、経済学と生命科学のバックグラウンドを持っている。各著者は、多重フィードバックシステムという概念をそれぞれ別個各々が課題とする生命システムや市場システム理解に適用した研究を進めている。そして、多重フィードバックシステムが複雑系の理解に重要な意義をもつという点で問題意識を共有し、対話を繰り返して本書に至ったという。
ただ、生命現象や市場メカニズムが多重フィードバックであって、単純なシステムへの還元と理解ではおわらないという点は理解できるのだが、さて、本書に描かれるスケッチだけでは、残念ながら理解が及ばない。現時点では、両著者の次なる展開を期待するということではないのか。
(途中、文章が変でしたので、訂正しました。5月12日)
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