『海から見た戦国日本:列島史から世界史へ』
村井章介、1997、『海から見た戦国日本:列島史から世界史へ』、ちくま新書
本書、36頁の陸奥十三湊と67頁の那覇からの同心円を見ると、列島史の範疇では、日本の歴史は押さえられないことが空間的に把握できる。ましてや「蝦夷」の交易路や琉球の交易路、さらには、倭冦の活躍の場(東南アジアまでふくむ)をみれば、いかに日本の従来の歴史観が閉鎖的であったことか。
また、江戸時代は「鎖国」であったと言う位置づけもまた、本書を読むと意図的なバリアを用意していたとしか思えないはずである。
魏志倭人伝のころより、大陸東辺の列島は世界とつながっていたのであろう。昨今の教科書検定の問題も同様に、価値観を日本列島に限定しようと言う歴史観がなせるわざと言わねばなるまい。日本史は、ローカルな歴史ではなく、世界史の中で再構築されねばならないという主張は、本書の著者だけにとどまらないはずである。
本書、36頁の陸奥十三湊と67頁の那覇からの同心円を見ると、列島史の範疇では、日本の歴史は押さえられないことが空間的に把握できる。ましてや「蝦夷」の交易路や琉球の交易路、さらには、倭冦の活躍の場(東南アジアまでふくむ)をみれば、いかに日本の従来の歴史観が閉鎖的であったことか。
また、江戸時代は「鎖国」であったと言う位置づけもまた、本書を読むと意図的なバリアを用意していたとしか思えないはずである。
魏志倭人伝のころより、大陸東辺の列島は世界とつながっていたのであろう。昨今の教科書検定の問題も同様に、価値観を日本列島に限定しようと言う歴史観がなせるわざと言わねばなるまい。日本史は、ローカルな歴史ではなく、世界史の中で再構築されねばならないという主張は、本書の著者だけにとどまらないはずである。
海から見た戦国日本:列島史から世界史へ村井 章介筑摩書房このアイテムの詳細を見る |