昨晩は、猛烈な雨の区域が私の住んでいる区の湾岸部を通り過ぎたようだ。我が家の周りではそれほどの雨は降らなかった。強い雨の区域はごく狭い範囲だったようだが、多分風もひどかったと思われる。
本日も今のところ私の住む地域の北側をかすめるように通過している。私のところは雨は降っていない。
昨晩から今までの幸運が続けばありがたいが、そんなことはあり得そうもない。出かけるときは傘と防水靴は必携。
太陽は厚い雲の向うで顔を出してくれないが、久しぶりに風もなく静かな時間である。
昨年の秋くらいだったか、記載するのをわすれていたけれどもウォーキングの折り返し点の公園でお茶を飲んでいたら、保育園児のひとりがハトを見ながら「パパが、カラスさんはビョンピョンで、ハトさんはテクテクだよ」と引率の保育士に語りかけていた。保育士は「ハトさんかわいいね」とだけ答えていたが、私はこの子の言っている意味がすぐには飲み込めなかった。
お茶の一服がおわり、しばらく歩いているうちにようやく気がついた。カラスは地上では両足で跳ねるようにして移動する。ハトは首を前後に動かしながら足は人間のように互い違いに動かして移動する。
カラスとスズメ、そしてハトの歩き方は頭の片隅のどこかに追いやられてしまっていた。あらためて「なるほど」と感心した。
この保育園児の父親はきっと観察力がある人なのかと想像した。小さな子どもに身近なことをじっくりと観察することを教えているようで、とても好感が持てる親に思えた。園児と保育士の会話のニュアンスからは保育士も、私と同様に、園児の話を理解しているようには思えなかった。
想像をたくましくすると、この父親は始めから子どもに「カラスさんはビョンピョン、ハトさんはテクテク」と教えたとは思えなかった。カラスの歩き方を子どもに見せて、「ハトさんはどう歩くかな?」と、ハトの歩き方を観察するように宿題を与えたような気がする。
子どもからハトの歩き方の監察結果を聞いたうえで、「カラスさんはピョンピョン、ハトさんはテクテク」と覚えやすいように教えたのではないだろうか。観察することへの動機づけに成功している。そして言葉遊びで覚えることもたくさんあるが、観察力を同時に植え付けることで、言葉遊び以上に実感を伴って覚えさせることが出来る。言葉遊びだけで知ったとしたら保育士に伝えただろうか。自分で観察して、多分父親に褒められた結果として、「ピョンピョン、テクテク」を覚えたのであろう。
私はこのように子どもを教えることが出来たかというと、まったく自信はない。この子どもはとても幸せだと思った。
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