徒歩旅行、世界一周、3万4千キロ

過去の世界徒歩旅行の記録を紹介

世界一周、徒歩旅行-シンガポールからヨーロッパまで歩く編-501

2014-06-23 06:14:19 | 世界徒歩旅行

発展した時代、昭和に生きた若者の徒歩旅日記
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世界徒歩大旅行記3万4千キロ
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日本、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの約15,000kmを歩き終わり、1983年10月10日から1985年9月27日まで約2年間シンガポールからポルトガルのヨーロッパ大陸最西端であるリスボン近くのロコ岬まで約19,000km徒歩で横断。

12、シンガポールからヨーロッパまで歩く(バングラデシュ)-123

6)バングラデシュを歩く

日記から-3

2月15日 (水曜日) 曇り、雨

 コックスバザールから元のメイン道路に戻るのに6km間、昨日と同じ道を歩く。
この様な時は何時もこの6kmが何と長い距離なのだと思うのである。

 今日、歩いた距離が40kmを終えて、ゆっくり歩こうと思っていた時である。
それは小さな村を通り過ぎようとした時であった。
その時はちょうど学校が終わたのと仕事をしていた人も終わったのか、道路上には多くの人々がいたのである。
そこを俺が通り過ぎるのであるから大変なことになった。俺の後ろに100人ぐらいの人々がついて来たのである。
この村に着く前にも数人が俺の後ろに着いて来たが、その時は追い払うようにしていた。
しかし、ここまで人が多くてはどうしようもない。
知らない人が見れば、何だかどこかのヤクザの親分が子分を連れているような感じである。
実際は俺について来る彼ら100人の気持ちを俺が捕まえているのではないからおかしなものである。
彼らはただ「面白い奴がいる。ついて行こう。」というだけの話であろう。
俺が例えばガンジーのようにすばらしい人間であるからついて行こうというのとは違うのである。

 Dulahazaraに着き、Rest Houseに泊まれるか聞いたが、許可が下りない。融通が利かない奴ラメ!
そこの人は1km先にボーディングハウスがあるからそこまで行けと言う。
さて、そこまで行ったら非常に汚い部屋が15タカだと言うので止めることにした。
だが、そこの前にはアメリカの助けで建てた病院があり、そこにゲストハウスがあると言うのである。
それは75タカ(750円)すると言う。今までそんなに高いところで泊まったことがない。
しかし、英語が分かる人に「泊まれる所を探している。」と言った手前と、アメリカ人が出てきて話したので、見栄もある。
アメリカ人にこの日本人は75タカもないのかと思われたくなかったこともあるのである。
だから「チョット、それは、、、」とは言えなかった。そんなことで泊まることにした。

 この病院の後ろに入り口は小さいが奥が非常に大きく広い土地があり、それはバングラデシュとは思えないまるでアメリカにいるような建物が点在している。
その中の一つがゲストハウスである。その中は綺麗でダブルのベッドとお湯が出るので、アメリカのモーテルなら25ドル~35ドルはするだろう。
アメリカでも8~15ドルぐらいの所でしか泊まったことがない俺なのに、ここは良い所だ。考えてみると、この75タカをドルに直すと3ドルぐらいである。
かえって得したような気にもなる。しかし、ここはバングラデシュであることを心に戒めよう。

 ここでは1人のバングラデシュ人と多くのアメリカ人がいて、皆良い人である。
しかし、アメリカ人とか西洋人はどうして全ての環境を自分の様式に変えてしまうのであろうか?
ここには病院で働いている人、宗教で来ている人などがいて、彼らが敷地内の家々に住んでいる。
その家の中はまるでアメリカの家である。この敷地内にいる限り、絶対にバングラデシュにいるとは思えない。
一歩でもこの敷地を出れば、土で造った一間か、あっても二間の小さな家ばかりである。
それに比べれば、この敷地内は間取りが幾つもある大きな家ばかりであり、バルコニーまである。
そればかりではなく、そのバルコニーの隣には卓球の部屋、外にはバトミントンコート、おまけにプールまである。
これは一体どうなっているのだろう。?

 ここにはアメリカのクリスチャンがボランティアで来ているのだと言う。
結局、クリスチャンの教えに従いこの恵まれないバングラデシュに来て、働いていることになっている。
しかし、ボランティアと言ってもバングラデシュの人と接することなくアメリカの生活となんら変わりがない生活で良いのだろうか?
俺はこの様なボランティアはあまり好きではない。
これはあのオーストラリアのアバリジノ人の居留地での白人たちのことを思い出す。
いかにもアバリジノ人の為に良いことをしているように見えるが、それは自己満足のためであり、自分の型にはめようとするのである。
即ち、俺は彼らが偽善に見えるのである。それでも彼らはこの仕事を誇りに思って一生懸命やっている。
ここの人は近い内にアメリカに帰って、多くの援助金を集めて来るそうである。
アメリカに帰り、どんな活動の報告してお金が集るのであろうか?
貧しいこの国の状況だけ伝えてもお金が集るが、それは活動とは関係のないものである。
また、集ったお金はこの敷地内の高い経費に消えて行くだけであろう。

 話は変わるが、それにしても今日ここに来て俺は英語で話しが伝わり大変楽であった。
それと彼らクリスチャンは親切で良い感じである。
だから今日は俺の心が安らぎ、また、何時も盗難にあうか心配しているバックパックの荷物を気にしなくていい、大変良い日であった。

出費 105.50タカ

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