抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

平穏に生きていくだけなら、【歯も、そして芸術も】必要ない、

2014-08-16 | 歯科治療

平穏に生きていくだけなら、【歯も、そして芸術も】必要ない、

無用なのです。


……プラトンは、国家にとって、必要不可欠なのは、《生命の維持》と《道徳》と《平穏な暮らし》だと言っています。

で、【それらを乱す芸術】は無用だと。


に対して、かのニーチェは猛烈に反発します。

{曖昧なものに耐えうる能力と、情熱がなければ、生きている価値はない。
芸術は人生には必要だ。無用なわけがない。}


国家云々はともかく、
個々、生きていく幸福には、

まさに、ニーチェの云う通り、
芸術なしで、幸福な人生なんて、考えられません。

ただ、《幸福の過剰な追及は、時に、大きく、道徳と相反し,悪=犯罪をも生じさせます。》


歯の病気は怖くはありません、… けど。… …けど、まただからこそ、です。


 (もちろん、医者にもですが、)


歯医者にやたら通院するのも、歯をやたら、すぐ《抜く(抜かれる)のも、やめることです。

 とにかく、歯医者過剰で、

 やたら、(マスコミでも)歯の病気は怖い。
  死にも通じる。


 だから、歯の病気をバカにするな!(怖いんだぞ。)

  歯を大切にしろ!
 歯医者に行け!と、

 《時に、やたら煽ります。》


  歯を大切にしろ!     全身にも関わっている。
 歯の病気をバカにするな。

 【それは然り、その通りです。】


  しかし、歯の病気は、特別怖くはありません。

  【歯の病気は、癌などように、死に直結はしません。】


 虫歯や歯周病では死にません。

《インプラントでは、かなり多くの障害を伴う後遺症、

死んだ人まで出ていますけどね。》


      プラトンの言うところの、
  [生命の維持]と       [道徳律]と、
 [平穏な暮らし]に、
 歯がなくても大丈夫です。

   歯がなくても、食べられるし、


  デタラメな入れ歯でも、インプラントでも食べられます。
 (インプラントは入れ歯の一環、自分の歯のようには、絶対に噛めません。


見てくれ(審美性)の問題と違和感の問題はあるかもしれませんが、


  取り外しの入れ歯=義歯と、

 慣れれば、たいして変わりません。
(義歯も、今は見てくれ=審美性も優れたものがありますし。)


  もちろん、義歯もインプラントも、

 個々、個人差、
   治療の良し悪しは当然、ありますが。)


   いいですか、歯は消化器ですあることはもちろんですが、

 【何よりも、歯は感覚器なのです。】

   胃がなくても死にません。(しかし、死に直結することはあります。

   大腸、小腸もそうですが、腸の方がより怖いことも… …)


  しかし、胃や腸は、
 言うところの、感覚器ではありません。
 (見えませんし。)


  歯は見えます。         (一般に、感覚器である、性器は、まぁ…ふだん、人にさらすことはありません。)


  怖くないとは言いませんが、

 《性器の病気は、一般には、諸に死に直結はしません。》


あえて、乱暴な言い方をすれば、
  【性器がなくても死にません。】


  しかし、《快楽は、幸福、倫理に直結してます。》


  【歯は消化器の面と、感覚器の面の両面を持っているので。】

 […中途半端というか、 幸福と倫理の間を彷徨している(サマヨッテいる)のです。]


   《生命の維持と道徳律と平穏な暮らしには、
  ある意味、障害にすらなります。

  個々、その人のポリシー、個性によっては。    強く、相反し、敵対すらするのです。》


  【人間、その若き時に快楽せよ!】
  と、聖書にあります。
 私もつくづくそう思います。


 年取ると、肉体の衰えが身に沁みます。


  【歯も、ひとつの快楽の、ある意味、重要な道具です。】

   容貌にも、
 食欲はもちろん、

 性欲にも、歯は大きく関わり、影響を及ぼしています。


 【歯は、肉体的快楽に密接な臓器=(消化器、感覚器)なのです。】


  「歯がないと呆けます。だから、歯を大切にしましょう。」と、喧伝します。

  正確には、
 「噛まないと呆けます。」なのです。

   わかりますか?

【歯がなくても、噛めるし、食えるのです。】


 《百歳で、歯が無くても、呆(ボ)けず食べて、元気な人はたくさん居ます。》

 歯があっても、七十代で、呆けている人もたくさん居ます。


  【要は、噛むこと、噛めることなのです。】


  【でも、歯がない顔は醜いです。


  老人なら、シワクチャの顔も、また、可愛いかもしれませんが、

それでも、歯がある顔の方がいいですよ。


歯がない顔は、時に、不気味ですらあります。


  しかし、【歯は快楽の道具でもある。】

 とは言わず、

 《呆けるとか、歯がないと、喰えない、生きていけない。》
等と、

 やたら、煽り、喧伝する。


 何故か?

 それは自明です。

 {歯医者が過剰だからです。経済的に厳しく苦しいからです。}


 歯医者の平均年収は医者の三分の一(新卒は五分の一)です。

 正直、生活は厳しいです。


   で、患者増やすべく、歯の健康を、マスコミを通じ、利用し、啓蒙、宣伝するわけです。


 それは結構なことですが、

 《歯を大切にしましょう。歯でも死にます。》
これは、

 「歯を大切にしましょう。」は当然です。

ここまでです。

ここまでは当然です。

私も大賛成、
   大歓迎です。


 しかし、本当ことを言えば、【歯では死にません。】


 でも、とにかく、患者を増やしたい!


 そこは、まあ気持ちはまだわかります。

   人情です。私もそうです。


しかし、ここで私が、強く、本当に、強く主張し、注意を促したいこと、

警告しておきたいことは、

   《ただ、その活路を、インプラントに過剰に求め、


   インプラントに過剰に
頼り、見いだし、


 歯医者の本分、
  歯医者の初心を見失い、残る、残せる歯を、抜いてしまうことです。


もっと、酷いことは、
  自分を見失い、などという段階を越えて、


 ‘インプラントのために、やたら、歯を抜く、確信犯的な歯医者=輩が居る’ということです。》

 10年前は、
 ここまで、酷くなかったのです。


  【まだ、今よりは、
 歯医者が、真面目に治療していれば、

   贅沢しなければ、
 それなりに喰えたからです。】


  今は、
 (贅沢もしたいのでしょうが)


  インプラントがやはり金になる、

 上手くやれば、儲かる。

 地道な治療だけでは、生活も厳しい。


 肉体的にもハードだし…。      (歯医者は肉体労働です。)


 だから、歯医者全体が過剰になっただけでなく、

私が恐ろしいと実感するのは、

 【10年前より、
 治療技術のレベル自体、そのものも落ちた。】     ということなのです。

 《治療技術の未熟な歯医者が、活路をインプラントに見いだし、


 あげく、治療技術の未熟な歯医者が、
 歯を抜き、
   インプラントを施ししているのです。》


そら恐ろしいです!


  残る歯を、残せる歯を抜く(抜かれる)だけでなく、


 その治療技術=スキルもおぼつかないのです。    アヤシイのです。


 【更に、言わせてもらうと、その診断力さえも。】

   地方の歯科医院では、それが、より顕著です。

 もちろん、 都会は何しろ、過剰で玉石混淆ですが、


 本当に、酷くレベルの低い歯医者は、
  都会では、原則やっていけません。(つぶれます。)


 で、そのレベルの低い歯医者が、
 地方へ、
 より田舎へ、

 で、その活路を、
 やはり、(当然? 当然!)
 インプラントに… …


 悪循環です。


それで、抜かれる方は、たまったものではありません。


   CTだ、マイクロスコープだ、と、

  抜く(抜かれる)理由付けにされて、

 (もちろん、正当、誠実な歯医者がほとんどですが、…こうも、歯医者が過剰だと……。)


  治療費もかかり… …
地道な治療をしない、されないでは、たまりません。


 歯は抜くと、なくなると、精力を失います。
 快楽にも影響します。


 それを、入れ歯だ、
 義歯だと、補うことはできません。


 もちろん、インプラントでも然りです。

 《インプラントは自分の歯と同じように噛めます。》

 全くの間違いです。
 【インプラントも入れ歯です。

 断じて、自分の歯ではありません。】


 審美的には、インプラントもいいかもしれません。

 (私はインプラントを全否定するものではありません。)

 ただ、そうですね… …。

 インプラントを三本以上、埋め込んでいる人、
 その自分のレントゲン写真を見せてもらいなさい。

   (診せてもらいなさい。)


 そして、見て、よく観てください。


―歯(ハ)というよりは、牙(キバ)のような…
…凶器(キョウキ)と云っては言い過ぎですか?―


  《それが、頭蓋骨、顎に埋め込んであるのですよ。

  頭から遠い箇所でなく… 、


  事故、やむを得ない、病ならまだしも… …。
 (私はインプラントを全否定しているのではありません。)


 ただ、おかしいと思いませんか?


インプラントに活路を見いだし… …

 「歯でも死にます。」と、煽っておいて、

 今度は、《歯を抜いても死なないから》と、…

インプラントのためになると、歯をすんなり抜く…

抜いて(抜かれて)しまう!

 [なんとも、自己矛盾じゃないですか!]


 それで、歯を失うなんて、


 残る歯も、残せる歯も、抜く(抜かれる)なんて!

 忍びないじゃないですか。


 【地道な治療もせずに、されずに。】


治療技術=スキルのレベルの低い歯科医が増えてます。


 そこには、制度的、経済的に苦しい理由、

 背に腹は代えられない理由がある、としても… …。


 何事もやはり、初心を見失わないことです。

特に、迷ったら、 初心に還ることです。


 繰り返します。          【歯科の初心は、まずは、その歯が残るか、残せるか。】


  (抜くことも含めて) そこからです。そこからなのです。


 歯は快楽の、幸せの、それはいとおしい道具、大切な臓器、感覚器です。

 歯の病気で、死に直行することは断じてありません。


 焦らないことです。焦らないでください。


焦って、抜かない(抜かれない)ことです。


【私には、その治療技術=スキルがあります。】


 [歯は大切ですが、{歯の病気は死に至る病}ではありません。]


{《歯の病気は死に至る病》ではないのです。}

前向きに、

快楽の、その幸福のために、


歯を、自分の歯を、その自分の歯を、大切にして欲しいのです。


そう,その自分の歯を、極力、大切に、いとおしく…して…欲しいのです。…
……
… …初心不可忘… …         …。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私の診療所は【手作り】です。 | トップ | 歯医者(とは限らないでしょ... »

歯科治療」カテゴリの最新記事