大阪府警本部薬物対策課の刑事2人が、覚醒剤の売人の捜査の過程で拳銃を発見し、それが迷宮入りしている殺人事件に使用された拳銃だと判明して、その殺人事件の専従捜査に投入されるという展開の警察小説。
捜査1課の刑事ではなく、薬物対策課の刑事を主人公に据えたのが1つのアイディアなんでしょうが、裏表紙の紹介で想定される殺人事件のミステリーではなく、薬物対策系・暴力団対策系の警察官のアウトロー無頼小説です。主人公の桐尾自身、脅迫と暴力で売人を締め上げて検挙し続け、かつて自分が担当した事件の被疑者のヘルス嬢と関係を持ち続けているという、外れ者の、しかし大阪府警ならいかにもいそうな強面警察官です。それに後半登場する和歌山県警が持て余す外れ者警察官満井のはちゃめちゃぶりが合わさって、後半はどんどん危なく外れていきます。そのキャラクターの味わいと、外れっぷりが読みどころです。
前半の地味な、しかし法的な建前からするとすでにかなりむちゃくちゃな捜査のスローペースな展開から、満井登場後の派手な無軌道ぶりへの変化で読ませています。ちょっと、前半のあまり動かない展開でページを取り過ぎているきらいがあり、もう少し早めに動かした方が読み物としてはよかったと思います。
黒川博行 幻冬舎文庫 2015年10月10日発行(単行本は2013年3月)
捜査1課の刑事ではなく、薬物対策課の刑事を主人公に据えたのが1つのアイディアなんでしょうが、裏表紙の紹介で想定される殺人事件のミステリーではなく、薬物対策系・暴力団対策系の警察官のアウトロー無頼小説です。主人公の桐尾自身、脅迫と暴力で売人を締め上げて検挙し続け、かつて自分が担当した事件の被疑者のヘルス嬢と関係を持ち続けているという、外れ者の、しかし大阪府警ならいかにもいそうな強面警察官です。それに後半登場する和歌山県警が持て余す外れ者警察官満井のはちゃめちゃぶりが合わさって、後半はどんどん危なく外れていきます。そのキャラクターの味わいと、外れっぷりが読みどころです。
前半の地味な、しかし法的な建前からするとすでにかなりむちゃくちゃな捜査のスローペースな展開から、満井登場後の派手な無軌道ぶりへの変化で読ませています。ちょっと、前半のあまり動かない展開でページを取り過ぎているきらいがあり、もう少し早めに動かした方が読み物としてはよかったと思います。
黒川博行 幻冬舎文庫 2015年10月10日発行(単行本は2013年3月)
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