紙筒製造会社の生産管理事務を担当する柴田が、同じように働く中で部内唯一の女性社員である自分だけが名前のないさまざまな雑務を強いられる中、ある日納期が迫りエクセルで作業中に誰かが打ち合わせをした後のコーヒーカップの片付けを部長から命じられ、そのカップ内にタバコの吸い殻が突っ込まれているのを見てプッツンして、自分は妊娠していてコーヒーの匂いが無理と言い立て、その後妊婦として定時帰りを続け、マタニティエアロビに通うなどする様子を日記形式で綴った小説。タイトルは柴田の身籠もっていない腹/子宮と業務で扱っている空洞の紙筒を掛けたもの。
職場での女性社員に対する扱いと、出産後の育児での男=父親の無責任さに対する怒りに満ちた作品です。
その怒りと不条理を読むのはいいのですが、読みながらどこに行くのか、特に後半には「?」と思う謎が生じてきて、ストーリーの行く末というか作者はこれをどう収めるつもりだろうかに関心が向かうのですが、そこに謎解きというか説明なく、ポンとラストに行ってしまうところに、拍子抜けというか腑に落ちないものが残ってしまいました。作品として、それは説明すべきでない、説明不要であるという意見もあるのかも知れませんが。
八木詠美 河出文庫 2023年3月10日発行(単行本は2020年11月)
太宰治賞受賞作
職場での女性社員に対する扱いと、出産後の育児での男=父親の無責任さに対する怒りに満ちた作品です。
その怒りと不条理を読むのはいいのですが、読みながらどこに行くのか、特に後半には「?」と思う謎が生じてきて、ストーリーの行く末というか作者はこれをどう収めるつもりだろうかに関心が向かうのですが、そこに謎解きというか説明なく、ポンとラストに行ってしまうところに、拍子抜けというか腑に落ちないものが残ってしまいました。作品として、それは説明すべきでない、説明不要であるという意見もあるのかも知れませんが。
八木詠美 河出文庫 2023年3月10日発行(単行本は2020年11月)
太宰治賞受賞作
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