伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

このビル、空きはありません! オフィス仲介戦線異常あり

2024-09-27 23:19:16 | 小説
 従業員数12名のオフィス専門不動産仲介業者ワークスペースコンサルティングに新卒で入社した咲野花が、入社10か月で初めて成約するかと思われた契約が土壇場で壊れ、営業での実績0のまま、別フロアでアルパカのような古参社員早乙女が1人でいる「特務室」に異動となり、ブッカク(物件確認:賃貸条件等の聞き込み)、X案件(問い合わせ・苦情)への機械的拒否応答、CU案件(「ちょっと受けられない」案件)対応に取り組むうちに不動産業界の実情を知りチームとしての成功につなげて行くという不動産業界お仕事小説。
 相手に寄り添い信頼関係を作って行くこと、情報を収集しその確認を丁寧にすることが基本だということが語られています。
 この作品の会社はオフィスの賃貸の仲介がメインなので登場しませんが、破産管財人になると、不動産業者から売却する不動産はないかという問い合わせのFAXがたくさん来ます(以前は電話もよくかかってきました)。そうでなくても弁護士事務所には無料で査定しますというDMもよく来ます。いろいろ大変なんだろうなとは思います。


森ノ薫 集英社オレンジ文庫 2022年12月25日発行
ノベル大賞受賞作

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