獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

「大阪行きは何番ホーム」

2015年08月14日 | 今だから拓郎を語る



 高校生の時。古典の授業は、それはそれは退屈だった。
 古典を受け持つY先生は、当時何歳だったのかはわからないが、どの角度からみても立派なオバさんで、高校生の私にとっては、絶対に恋愛対象には成り得ない印象の方であった。
 古典の授業は、「ありをりはべりいまそかり」を「有森也実いまそかり」などと、茶化して覚えないとやっていられないくらい、眠たくなる苦痛の時間であった。

 そんなある日。そのY先生が、授業中に、私を覚醒させる発言をした。
 「実は私、吉田拓郎が大好きなんです」と、誰も訊いていないのに、突然、語り始めたのだ。
 「今度出た『FOREVER YOUNG』というアルバムは、とってもいいアルバムで、拓郎の魅力が詰まっています」・・・といったようなことを、古典の授業中に、せつせつと語っていたのだ。誰も訊いていないのに(笑)
 当時の高校生にとっての流行は、チェッカーズとか菊池桃子さん辺りで、吉田拓郎氏を愛聴する者は、校内で私の他にひとりかふたりしかいなかったと思う。

 Y先生とは、高校卒業後に、デパートの催事場で開催されていた拓郎のビデオコンサート会場で、一度だけ、偶然お会いした。
 それからほぼ30年の歳月が経過したが、Y先生は今もお元気なのだろうか。
 そんなことを、ふと思った夏の夜である。
 
 
 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏祭り/長渕剛 | トップ | 「僕が一番好きな唄は」 »

コメントを投稿