形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

青春

2012-11-20 16:10:00 | Weblog

私の青春は小学生のときに終わった。
青春とは「春」を意味し、だいたい青年時代のもっとも元気な
盛りの頃をいうそうだ。 ならばやはり私の青春は小学生で
終わったことになる。

友だちと探検ごっこをしたり、川で魚を捕ったり、原っぱや林で
虫を追って遊んでいるのが大好きだった私は、机の前にじっと
座っているのがとても苦手だった。 だから家での勉強をまとも
にやったことがない。 遊ぶのに忙しくて、そんなことしてるヒマ
はなかった。

家の粗末な門を入ると、細い通路の奥に引き戸の玄関があった。
玄関に向かいながら、そっとランドセルを肩から外し胸に抱え、
「ただいまー!」の声とともに、玄関にランドセルを放り込む。 
母親につかまると勉強をさせられるから逃げるのだ。

家の奥から母親が、私の名前を呼びながらパタパタと走ってくる、
スリッパの音が聞こえる。 私はそばに立てかけてある、魚捕りの
網を持って逃げだす。 暗くなるまで夢中で遊んで、バツとして家の
鍵を掛けられたこともたびたびだった。
それが私の輝く青春時代。


からだの形は、生命の器 
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


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