湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

頬っぺたがへこんだ「宍戸錠」

2016年06月26日 | 詩歌・歳時記
池波正太郎劇場の「剣客商売」の今夜のゲストは、なんと宍戸錠であった。剣の道を極めた、すかんピンの老剣客の役どころである。
彼は日活のニューフェイスとして、役者を始めた訳だが、2枚目としても今一・・・どっちつかずの立場に悩んだ末に、頬に詰め物をして、一気に裕次郎、旭、そして赤木圭一郎の相手役として、のしあがったのである。
   エバンスのピアノに重ね梅雨   ひそか
赤木さんの映画での、抜き打ちの竜と宍戸のコルトのジョウの、軽妙な会話の数々を今でもそらでいえるのさ。「俺の頬に傷をつけた奴はふたりいたが、冷たい土の下でおねんねしているぜ」ジョーがいたからこそのトニーだったことである。
   父の忌をほたるぶくろは
   知りて咲く
頬っぺたから詰め物をぬいた宍戸錠が、いい味をだして老剣客を演じている。ふふっふ、エースのジョーに今一度、リボルバーを握らせて暗黒街で活躍するような、シナリオを書く男気はいないものかね?