・ J・ウェイン、K・ヘプバーンの初共演。
ジョン・ウェイン扮する「勇気ある追跡」(69)の主人公ルースター・コクバーンが再登場する西部劇。1907年5月生まれの同い年キャサリン・ヘプバーンと初共演、監督はスチュアート・ミラー。
大酒飲みで左眼に眼帯、犯罪者は容赦なく射殺する保安官R・コクバーンが6年ぶりに登場。白髪が増えたが相変わらず同居人の中国人に世話を焼かれ将軍という名の猫も健在だ。
相変わらずの逮捕ぶりで何人殺したか覚えていないと詰問され、パーカー判事(ジョン・マッキンタイア)からバッジを取り上げられるが、騎兵隊を皆殺ししてニトログリセリンを奪ったホーク(リチャード・ジョーダン)一味を生け捕りすれば、賞金2000ドルと終身保安官にするという条件で追跡の旅に出る。
古き善き西部劇というものがあるとすれば50年代が全盛期で、J・ウェインがオスカーを獲った「勇気ある追跡」はその終焉を飾る名作だった。
その続編を作ったのはハリウッドの名優に最後の華を咲かせたいという周辺の配慮があったからこそ。そのためには相手役が大切で、ハリウッドの盟友でありながら共演したことがないK・ヘプバーンに白羽の矢が立った。
監督のS・ミラーはプロデューサーとして有能で、二人の初共演と「勇気ある・・」のイイトコドリをして完成した本作は本国では公開前から評判を呼び大ヒット。
ただしクオリティに関しては前作の二番煎じの域を超えられる筈もなく、かなりどこかで観たことがあるシーンや破綻のある展開が目立つ。
それでも勝ち気で愛らしい修道女に扮したK・ヘプバーンが登場し、J・ウェインとともに旅をするうち打ち解けていくさまは、まるで熟年夫婦を観るよう。大男のウェインがヘプバーンに言い負かされ大人しく従う姿はほのぼのムードが漂い、魅入らされてしまう。
J・ウェインは翌年の「ラスト・シューテスト」が遺作となったが,K・ヘプバーンはその後も大活躍したのは周知のとおり。
ストローザー・マーティン、R・ジョーダン、アンソニー・ザーブなどに囲まれてはまり役を全うしたJ・ウェインにとって、本当の意味で最後の作品といえるだろう。
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