カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

国立公園の元祖を訪ねて~(6)マンモスの実態

2008-08-12 21:16:24 | 旅行:イエローストーン
ラマーバレーからメインロードを西へ引き返します。
タワールーズベルトの分岐を直進し、一気にマンモスカントリーへ向かう。
前方左手に、不気味な
白い丘が見えてきました。

マンモスカントリーは8の字ループのアッパー左上で、公園北口ゲートに通じています。
我々が泊まっているグラントビレッジとは対角線上で反対側の一番遠いビレッジ。
マンモス・ホットスプリングスを中心に、巨大な温泉段丘のある特徴的なエリアです。

見学前にまずは腹ごしらえ。Mammoth Hot Springs HotelのTerrace Grillに入りました。
お洒落な外観
店内からはテラスマウンテンの様子が一望できます。
今日も暑そ~
このとき時刻は9:15amで、
まだモーニングメニューのみ。

変わったモノを食べようと
フレンチトーストと
ビスケット&クリームソース
をチョイスしてみました。

小一時間も休んだら出発。

テラスマウンテンTerrace Mountainへのトレイル入り口に鎮座しているのが、、、
Liberty Cap

形だけ見れば、
鍾乳洞の石筍のようです。

実際は、温泉の噴出口が
沈殿物で塞がれてしまった。

近くで見ると意外に大きい。

その先にあるのが
Palette Spring

白いデコレーションケーキ。

色の変わっている所には
温水が流れ落ちてます。

一旦駐車場まで戻って、上にあがる木製のボードウォークを進む。
正面に見えてくるのが
MinervaTerrace

ここでは一番有名な石灰棚
なのですが、涸れてる?!

乾いたセメントのような、
なんともさびしい姿

Main Terraceに上がってみて、その原因が分かりました。
温泉が無い!!

温泉段丘は、石灰を含んだ温水が流れ落ちることで日々自然の造形が続けられ、
極端な話、1週間ほどでも形がかわってしまうと言います。
しかし、温泉の湧出量は一定ではなく不安定で、止まってしまう事も珍しくない。
そうなると途端に、石灰棚の色は黒ずんでくるのだそうです。
New Spring(手前)と
Canary Spring(奥)

温泉が湧いている所では
今も石灰棚が形成中です。

秋芳洞の百枚皿のようなのを期待していただけに、ちょっと拍子抜けというかガッカリ。
やっぱりトルコのパムッカレに行かなきゃダメか。。。?!

アッパーテラスUpper Terraceは車に乗って見学できます。
テラスマウンテンの上の方にある幾つかのテラスを見て回るルート。
New Highland Terrace

ここは既に涸れているようです。

石灰の山に枯れた木が閉じ込められているのが不気味。

Orange Spring Mound

活動中のテラスです。
テラスの上には湯気が見え、
温水が道路にまで流れ出てる。

なんだかアメーバに覆われた象みたいで気持ち悪い~

ここは、イエローストーン内は勿論、他の国立公園では観たことの無い風景で、
何とも言えない、印象的な場所でした。

マンモスカントリーの見学は以上なのですが、我々にはちょっと行ってみたい所があった。
ここはイエローストーンの北端、北口ゲート方面に向かうとMontanaとの州境がある。
そこまで行ってみようというわけです。ビレッジを抜け、急な坂道を下りて北に向かう。
診療所前の芝生で
寛ぐエルクの大群

人と近すぎ!!

途中でエルクの雄を発見。
さっきの群れの仲間か?

昨日見たのより角が立派です。

川の手前で、目当てのモノを発見。
これでモンタナ州にも(一応)足を踏み入れたぞ、と。


ちなみに裏は当然“ENTERING WYOMING”



さあ、ビレッジに戻ってお昼ごはんだ~


朝ごはんを食べたGrillの反対側にレストランがあったので、そこでランチにしました。
朝が軽めだったから、
たっぷり昼食&休憩をとって
午後にそなえます。

国立公園の元祖を訪ねて~(5)動物に会いたい!

2008-08-12 09:12:48 | 旅行:イエローストーン
7月27日(日)晴れ
今日も早起きして動物探しに出かけます。
今朝はヘイデンバレーよりもずっと遠いラマーバレーまで行くことにしました。

イエローストーン国立公園には8つのビレッジがあって、
それらをつないで8の字型に周遊道路が造られています。
8の字の上の部分をアッパーループ、下の部分をロウアーループと呼ぶんですが、
我々が宿泊しているグラントビレッジは最南端、ロウアーループの一番下に当たります。
ラマーバレーはアッパーループの右上の方にあって、ここからだと距離100km前後。
なので、昨日よりも1時間早く、午前6時にロッジを出ました。
湖に出ると見事な日の出
・・・の影に鹿!

相変わらず驚かせてくれます。
しかしこれ以降、動物にはぱったり逢えず、あっさりヘイデンバレーまで来てしまった。
昨日バイソン出くわした辺りや群れを見かけた斜面にも、動物の姿はありません。
「野生だから、いつも同じ場所にいるってわけじゃないんだね~」などど話していると
前方に怪しい渋滞の車列。
出た!バイソンです!

刺激しないよう、
ゆーっくりと追い越します。

昨日より一時間早いので、川面には朝もやが立っています。

ロッジを出て約一時間でキャニオンビレッジに到着。ここはスルーして先を急ぎましょう。
この辺りからだんだん標高が上がっていきます。
Mt.Washburnの辺りからタワー滝にかけてはグリズリーベアの代表的な生息地らしい。
木立の影や斜面、稜線に目を凝らしつつ、車を走らせます。
斜面の鹿の群れ。

耳が大きいから
ミュールジカMule Deer
でしょうね。

足元で物音。

リスSquirrelです。

クマを探しつつ走っていると、道路脇で異常に盛り上がっている集団を発見しました。
巨大な望遠レンズを構え
真剣な表情の人々。

視線の先を追いますが、
何も見えない。
何か居るのかと尋ねると「☆×△(←早口で聞き取れない・・・)」
えぇっと、どの辺りに?「木が茂っている辺りの手前のくぼみの所だよ」と指差す。
カメラの望遠最大で探すも、
全然見つからない。。。。
ダンナとあーでもないこーでもないと言いながら探していると、
隣に居たおじさんが声をかけてきた。「もう☆×△は見たかい?」いえ見つかりません。
すると、そばで双眼鏡を覗いていた息子ちゃんに「この人たちにも見せてあげなさい」
息子ちゃんが快く代わってくれた双眼鏡の中には、黒いスリムな四足動物の姿。
これ何?クマ?「Black Wolfだよ」お、オオカミですって?それはまた貴重な。。。
結局自分達では写真はおろか、影すら見つけられなかった。ご親切に感謝感謝です。

タワー滝Tower Fallまで来ました。
展望台のレストハウスで休憩しようと車を停めると、先の方で何か騒ぎが起きています。
只事ではない雰囲気に、カメラを掴んで駆け寄ると、
居ました、クマです!!
子熊ですね。

こちらからの距離は約15m。

どうも茂みの奥が気になる様子

母熊がお食事中でした。

子熊は退屈なのか、
茂みの周りをチョ六チョロ

そばを車が通ってても
人間の声がしてても
全然気にしてない。

本来、クマには100ヤード(約91m)以内に近づいてはいけない規則。
でも向こうが近づいてくるんだもの。。。みんな狂喜してシャッターを切ります。
全身像が見えました。

ブラックベアBlack Bear
のようです。
でも子熊は茶色い。

母熊は茂みの方に未練があるのか、
戻っていきます。

一生懸命ついて行く子熊が
実に愛らしい
遅ればせながらレンジャーが到着して見物人を散らす。でももういっぱい撮ったもんね~

その後、クマの親子は茂みの奥の谷に下りていってしまいました。
この間わずか約15分ほど。野生動物との邂逅は、正に運としか言い様がありません。

午前8時、クマ騒動の後ちょっと休憩したら再出発。ラマーバレーまでもう少しです。
タワー滝周辺の峡谷は
火山岩の尖塔が林立する
奇妙な眺め

タワールーズベルトの分岐で右に折れてしばらくいくと見晴らしのよい平原に出る。
ラマーバレーLamar Vallry
です。

あ、何か居た!
プロングホーンだ~
プロングホーンPringhorn
警戒心が強くて、
危険を感じると時速110kmで
逃げ去ってしまう。
間近で見れるチャンスは少ないといいます。
これもかなりの望遠撮影です。

実は昨年末に日本に帰った時、カメラを新調したんですよ。
イエローストーンに行くことを見越して、なるべく望遠の利くヤツにしたんですが、
こいつが今回は大いに役立ってくれました。奮発した甲斐があったわ

そろそろ9時。次の目的地マンモスカントリーに向かうことにします。