九州産の色花春蘭、
それも紅花が初めて発見され、
世の中に紹介されたのが対馬産でありました。
その当時、シュンランのシの字も判りませんで、
「どこにでも有る蘭。」としか理解しておりませんでした。
そんな私が福岡の蘭商のカレンダーに掲載されていた
円弁大輪紅花に身も心奪われ、
蘭狂に羅病したのが紅太后でした。
それが切欠となり、
紅花発掘に躍起になったのは言うまでもありません。
それから一級品二級品入り混じり採取されたようですが、
紅太后、、仮銘品二種、、無銘一種がトップクラスに入るようです。
その中の一種仮銘品に、
我が家で初めての紅花開花期待株です。
どのような発色を示すのかノーキャップで咲かせます。
紅花、生育順調なようでよかったですね。写真を楽しみにしています。
関東地方のがっしり引き締まった蘭作りに慣らされた目には永い間九州、対馬産の蘭ののびのびとした姿は評価の対象にならなかったみたいですね。
昔から知られていたのは天草産の九州日進や雪月花ぐらいで、「九州虎」といえば大きいばかりで価値のないものの筆頭だったみたいです。しかし、1970年代の寒蘭ブームで四国、九州の蘭に目を向けたころから四国から覆輪の南国の花、、大雪嶺、天草から幽谷殿、花がたみなどの名花、他に例を見ない巨大輪の対馬大王などが紹介され、関東でも注目を集めました。
ケイラン、寒蘭ブームの終息で行き場のなかった資金が近畿以西でも春蘭に流れて全国的に広まった春蘭ブーム(このへんは平野先生の著作に詳しいですね)それに続く一連の対馬産の名花の紹介は、それまで主流だった関東、中部、北陸、東北産に比べると花はのびのびとした大輪、葉姿も大型で「引き締まり」一辺倒だった春蘭観賞の世界がこれらの品種でいっそう豊かになったと思います。
対馬産紅花のうわさは私が対馬通いをしていたころ(1980年代初めかなあ)聞いてはいましたが、月刊「蘭」誌上での紅太后のデビューはショッキングでしたね。
対馬産紅花は関東のほうほうでも少し増えているようですから、納得できる株があれば何とか入手したいのですがなかなかタイミングが合いませんね。
しかし、中国蘭のようにのびのびとした葉姿に他に例の少ない、大輪の日本春蘭の多彩な花を咲かせる(花軸の伸びも良いですね)対馬産の蘭の鑑賞はまだ始まったばかりです。たとえばどんな鉢に植えたら似合うんでしょうね。大き目の無地の黒楽(足なし)かなあ。それとも古めの日本鉢がいいのかな。まだまだ研究の余地がありますね。いつか会心の作が出来ると良いですね。