毎日 お 浚 いしましょう。
シュン
さら(う)、ふか(い)
浚
【解字】形声。氵(水)+。音符の(シュン)は、出たに通じ、出すの意味。水中から、たまったどろなどをくみ出す、さらうの意味を表す。
- さら-う。
- くむ。くみだす。
- 井戸・川などの底の土砂などを取り去る。底を深くする。「浚渫」
- 他人の物を奪い取る。かっさらう。
- 深い。
- 待つ。
- 大きい。
おさらい
1.習ったことを繰り返し練習すること。復習。
2.習得した技芸を発表すること。温習。
最近、親や先生が子供の勉強やお稽古事について、この言葉は遣わなくなってきたように思います。
幼少期の学習については、繰り返しの復習が重要であることは今も昔も変わりはありません。
現代は、「復習」が大多数であり、「おさらい」は近い将来死語になってしまうのかもしれません。
でも、伝統芸術である日本舞踊ではまだ「おさらい会」という行事が存在しているみたいですね。
しかしまさか ”ドブ浚い” の字と同じとは意外に感じませんでしたか。
浚渫船はご存知でしょうか。
浚渫(シュンセツ)・・・水底の土砂や岩石をさらうこと。
実際見ているけど、名前を知らない方が多いのでしょうね。(←わたし)
浚渫の渫も「さらう」という意味を持ちますが、「お渫い」とは遣わないようです。
セツ、チョウ、
さら(う)、けが(す)、も(らす)、あなど(る)
渫
【解字】形声。氵(水)+枼。音符の枼(セツ)は、刪(サン)に通じ、けずるの意味。水底のけずる、さらうの意味を表す。また、泄(セツ)に通じ、もらすの意味にも用いる。
- さら-う。水底の泥などを除き去る。「浚渫」
- 漏れる。泄。洩。
- 散る。
- 汚す。
- あなどる。なれなれしくする。
- やむ。やめる。休止する。
- きよい。
なるほど、「おさらい」を「お渫い」と遣わない理由がわかりました。
浚は、”さらえる”
渫は、”けずる”
という意味合いが強いようです。
しかし、四字熟語の
せいせつふしょく
井渫不食
【意 味】賢者が登用されないままでいること。
「渫」は水底の泥やごみを除く意で、「井渫」は井戸の水がきれいに澄んでること、
「不食」は飲用として用いられない意。
せっかくきれいな井戸水があっても、汲んで用いられないということから。
【補 説】「井(セイ)渫(サラ)えども食(クラ)われず」とも読む。
【出 典】「易経」<井>
こちらは、「渫」の方を用いています。
ところで、浚の字義に
<他人の物を奪い取る。かっさらう。>
というのがあります。
■攫う、掠う(浚うと同語源)
■復習う、温習う(浚うと同語源)
これも意外ですね、人攫いの攫うと同じ語源だったとは。
あっ、女房言葉については、こちらを参照ください。
女房言葉 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E6%88%BF%E8%A8%80%E8%91%89