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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

吉川宏志(私的解釈)夕暮れの。②

2022-02-24 09:35:54 | 吉川宏志

 夕暮れの梅林行けば木の影と人の影とがすり変りたり

 夕暮れはユウ・ボと読んで、憂、母。
 梅林行けばはバイ・リン・コウと読んで、陪、倫、考。
 木の影はボク・エイと読んで、睦、永久。
 人の影はジン・エイと読んで、尽、衛。
 すり変りたり(擦変)はサツ・ヘンと読んで、察、返。
☆憂える母の陪(お供をするのは)倫(人の行うべき道)の考えである。
 睦(むつまじく/仲よく)永(いつまでも)尽くすことを衛(まもり)、察(思いやり)を返す。

 夕暮れはセキ・ボと読んで、責、墓。
 梅林行けばはバイ・リン・コウと読んで、買、悋、考。
 木の影はモク・エイと読んで、黙、永。
 人の影はニン・エイと読んで、仁、営。
 すり変りたり(擦変)はサツ・ヘンと読んで、刹、遍。
☆責(なすべき務め)として墓を買う。
 悋(物惜しみする)考えを黙っている。
 永(いつまでも続く)仁(人間の)営(いとなみ)は、刹(寺)に遍(もれなく行き渡っている)。

 夕暮れはセキ・ボと読んで、積、簿。
 梅林行けばはバイ・リン・コウと読んで、媒、輪、講。
 木の影はモク・エイと読んで、目、詠。
 人の影はジン・エイと読んで、尽、曵。
 すり変わりたり(擦変)はサツ・ヘンと読んで、察、編。
☆積もる簿(ノート)を媒(なかだち)にする。
 輪(順番に回る)講(話)が目(狙い)である。
 詠み尽くすと洩れる。察(明らかにして)編(順序だてて並べる/編集する)。


M『絶対の声』

2022-02-24 09:16:42 | 美術ノート

   『絶対の声』

 画面の中に薔薇一輪、Une 薔薇の絵 Dans L'univers roseを薔薇の絵に差し替えている。
 背景は薔薇のピンクと葉の青が微妙に混濁した紫色、そして何気に動きを感じる。

 これきりである、これが『絶対の声』だと。
 言葉と物、薔薇と薔薇の絵に相違はあるか? 脳で感知するイメージは学習されたデータの集積により一つの物に集約される。ゆえに薔薇は薔薇であり比べる必要もなく何の制約も不必要であり、無条件に《薔薇》なのである。

 絶対とは(必ずそうなると決まっている知覚の働き)である。
 薔薇という文字の代りに薔薇の絵を描いても必ずイメージはぶれることなく《薔薇》という答えを導き出し、比較・対立を超えてあるものが《絶対》である。

 ただ『絶対の声』という響きには、本当に絶対であるのか?という客観的な眼差しが潜んでいる。《絶対》を俯瞰するもう一つの声が聞こえる。

 写真は『マグリット』展・図録より 


『飯島晴子』(私的解釈)照る池に

2022-02-23 07:57:53 | 飯島晴子

   照る池にめんめんとして冬扇

 照る池はショウ・チと読んで、章、質。
 めんめん(綿々)はメン・メンと読んで、面、面。
 冬扇はトウ・センと読んで、問う、宣。
☆章(文章)の質(内容)を綿々として問い詮(道理を突きつめる)。

 照る池はショウ・チと読んで、償、痴。
 めんめん(綿々)は、メン・メンと読んで、綿々。
 冬扇はトウ・センと読んで、盗、銭。
☆償う痴(愚か)。
 綿々と盗んだ銭(お金)である。

 照る池はショウ・チと読んで、症、致。
 めんめん(綿々)はメン・メンと読んで、免、面。
 冬扇はトウ・センと読んで、闘、専。
☆症(病気の兆候)が致(ある状態に至らせること)を免れる。
 面(向き合う)闘い、専(ひたすら、一生懸命に)。

※美しく照る池を面面(各々)見つめている。(だからと言って何かが起きる訳ではない・・・)


吉川宏志(私的解釈)円形の。②

2022-02-23 06:38:07 | 吉川宏志

 円形の和紙に貼りつく赤きひれ掬われしのち金魚は濡れる

 円形はエン・ケイと読んで、掩、計。
 和紙に貼りつく(和紙貼付)はワ・シ・テン・フと読んで、話、詞、転、普。
 赤きひれ(赤鰭)はセキ・キと読んで、析、企。
 掬わしのち(掬後)はキク・ゴと読んで、利く、語。
 金魚は濡れるはキン・ギョ・ジュと読んで。襟、語、受。
 ☆掩(かくした)計(もくろみ)を話す。
 詞(言葉)を転じ、普く析(分けることで事柄を明らかにする)企(計画)である。利く(通用する)語(言葉)がある。
 襟(心の中)の語(言葉)を受ける。

 円形はエン・ケイと読んで、演、啓。
 和紙に貼りつく(和紙貼付)はワ・シ・チョウ・フと読んで、話、詞、調、普。
 赤きひれ(赤鰭)はセキ・キと読んで、積、記。
 掬われしのち(掬後)はキク・コウと読んで、利く、講。
 金魚は濡れるはキン・ギョ・ジュと読んで、金、語、授。
☆演(押し広め)啓(教え導く)話を詞(言葉)で調え、普く積(つみ重ねて)記(書き記すことが)利く(出来る)講(話)である。
 金(尊い)語(言葉)を授かる。

 円形はエン・ケイと読んで、怨、刑。
 和紙に貼りつく(和紙貼付)はオ・シ・チョウ・フと読んで、汚、視、懲、普。
 赤きひれ(赤鰭)はセキ・キと読んで、責、規。
 掬われしのち(掬後)はキク・コウと読んで、危懼、考。
 金魚は濡れるはキン・ギョ・ジュと読んで、禁、禦、需。
☆怨(恨めしく思う)刑がある。
 汚(汚点、傷)を視て、徴(こらしめ)普く責める規(決り)を危懼(あやぶみ怖れる)考えである。
 禁じ禦(防ぐこと)を需((必要とする)。


『飯島晴子』(私的解釈)百合鴎。

2022-02-22 07:06:11 | 飯島晴子

   百合鴎少年をさし出しにゆく

 百合鴎は及んでヒャク・ゴウ・オウと読んで、飛躍、号、翁。
 少年はショウ・ネンと読んで、床、捻。
 さし出しにゆく(差出行)はサ・スイ・コウと読んで、嗟、衰、肯。
☆飛躍(飛び上がり)号(叫ぶ)翁(男の老人)、床で捻(ひねったこと)を嗟(嘆く)衰えたのだと肯く(承知する)。

 百合鴎はヒャク・ゴウ・オウと読んで、秘鑰、合、応。
 少年はショウ・ネンと読んで、正、念。
 さし出しにいく(差出行)はサ・スイ・コウと読んで、査、推、考。
☆秘鑰(秘密を解明する鍵)は合(一つにあわせること)である。応える正しい念(思い)を査(調べ)推しはかる考えがある。

 百合鴎はヒヤク・ゴウと読んで、秘薬、合、翁。
 少年はショウ・ネンと読んで、症、年。
 さし出しにゆく(差出行)はサ・スイ・コウと読んで、嗟、衰、講。
☆秘鑰(よく効く薬)を合(一つにする)翁(男の老人)、症(病気の兆候)を年だと嗟(嘆き)衰(勢いがない)講(はなし)をする。


吉川宏志(私的解釈)鳥の見しものは ④

2022-02-22 06:16:31 | 吉川宏志

 鳥の見しものは見えねばただ青き海のひかりを胸に入れたり

 鳥の見しもの(鳥見物)はチョウ・ケン・ブツと読んで、超、賢、仏。
 見えねばただ青き(見只青)はゲン・シ・ショウと読んで、現、私、照。
 海のひかり(海光)はカイ・コウと読んで、皆、考。
 胸に入れたりはキョウ・ジュと読んで、教、受。
☆超(飛びぬけて優れている)賢(才知や徳がすぐれている)仏が現れる。
 私は照(あまねく光が当たる=平等)である皆(すべて)の考えを教えとして受けている。

 鳥の見しものは(鳥見物)はチョウ・ケン・ブツと読んで、帳、験、物。
 見えねばただ青き(見只青)はケン・シ・ショウと読んで、兼、詞、唱。
 海のひかり(海光)はカイ、コウと読んで、皆、講。
 胸に入れたりはキョウ・ニュウと読んで、況、新。
☆帳(ノート)で験(ためす)。
 物(ことがら)を兼ねた詞(言葉)を唱える皆(すべて)の講(話)の況(ありさま)は新しい。

 鳥の見しものは(鳥見物)はチョウ・ゲン・ブツと読んで、鳥、現、打つ。
 見えねばただ青き(見只青)はケン・シ・セイと読んで、堅、枝、栖。
 海のひかり(海光)はカイ・コウと読んで、壊、荒。
 胸に入れたりはキョウ・ジュと読んで、脅、受。
☆鳥は現れるものを打つ。
 堅い枝に栖(すみか)があると、壊して荒らし脅かして受(自分のものにする)。


『飯島晴子』(私的解釈)冬の枝。

2022-02-21 07:04:26 | 飯島晴子

   冬の枝はなれて熱き赤子擁く

 冬の枝はトウ・シと読んで、投、資。
 はなれて熱き(離熱)はリ・ネツと読んで、利、熱。
 赤子擁くはシャク・シ・ヨウと読んで、借、資、要。
☆投資の利(儲け)に熱(夢中になり)借りる資(元手)を要(要求する)。

 冬の枝はトウ・シと読んで、套、旨。
 はなれて熱き(離熱)はリ・ネツと読んで、裏、熱。
 赤子擁くはシャク・シ・ヨウと読んで、釈、詞、要。
☆套った至(考え)の裏(内側)は熱い。
 釈(事情を説明する)詞(言葉)が要(必要)である。

 冬の枝はトウ・シと読んで、党、死。
 はなれて熱き(離れ熱)はリ・ネツと読んで、離、熱。
 赤子擁くはシャク・シ・ヨウと読んで、惜、姿、様。
☆党(仲間)の死。
 離れる(なくなる)熱を惜(残念がる)姿の様(ありさま)がある。


吉川宏志(私的解釈)あみだくじ。

2022-02-21 06:19:56 | 吉川宏志

 あみだくじ描(か)かれし路地にあゆみ入る旅の土産の葡萄を提げて

 あみだくじ(阿弥陀籤)はア・ミ・ダ・センと読んで、吾、三、兌、詮。
 描かれし路地はビョウ・ロ・ジと読んで、秒、露、字。
 あゆみ入る(歩入)はブ・ニュウと読んで部、新。
 旅の土産はリョ・ト・サンと読んで、慮、吐、算。
 葡萄を提げてはブ・トウ・テイと読んで、部、問う、態。
☆吾(わたし)は三つに兌(取り替えること)を詮(明らかにする)。
 秒(わずかに)露(あらわれる)字の部(区別)がある。
 新しい慮(考え)であると吐く。
 算(見当をつける)部(区分)を問う態(ありさま)がある。

 あみだくじ(阿弥陀籤)はア・ミ・ダ・センと読んで、蛙、身、拿、専。
 描かれし路地はビョウ・ロ・ジと読んで、苗、露、餌。
 あゆみ入る(歩入)はホ・ニュウと読んで、捕、入。
 旅の土産はリョ・ド・サンと読んで、慮、努、三。
 葡萄を提げてはブ・トウ・タイと読んで、捕、逃、態。
☆蛙の身(体)を拿(つかまえる)。
 専(もっぱら)、苗から露(現れる)、餌にするため捕(つかまえる)。
 (田んぼに)入って虜(いけどりにすること)に努める。
 三(何度)捕(摑まえても)逃げてしまう態(ありさま)がある。

 あみだくじ(阿弥陀籤)はア・ミ・ダ・センと読んで、阿、弥、陀、宣。
 描かれし路地はビョウ・ロ・チと読んで、平、露、質。
 あゆみ入る(歩入)はホ・ニュウと読んで、歩、入。
 旅の土産は、旅は現世から冥土への土産。
 葡萄を提げてはホ・ドウ・テイと読んで、補、道、提。
☆阿弥陀の宣(みことのり)、平(平等)を露(あらわす)質(内容)である。
 歩み入る(冥土)、冥土の土産には、補(おぎない助ける)道(神仏の教え)を提(掲げて)歩み入っていく。


吉川宏志(私的解釈)死亡者名簿の。付記

2022-02-21 05:47:30 | 吉川宏志

 死亡者名簿の漢字凹凸が嚙みあうように隣り合いたり

 死亡者名簿、死亡者の冥(あの世)の模(ありさま)は換(入れかえて)治められている。凹凸(不平等)が嚙みあうように隣り合いたり(並べて平らになっている)。

 ここまで読んで、どうしても違和感のあった凹凸。普通なら凸凹であるが、それが逆になっている。
 《善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや》(親鸞)
 悪人こそが阿弥陀仏の本願による救済の根機である。救済したい対象は衆生である。すべての衆生は末法濁世を生きる煩悩具足の凡夫たる「悪人」である。

 このことが凹凸の所以だと思う。吉川宏志は凄いし、深い。


『飯島晴子』(私的解釈)雪女。

2022-02-20 07:16:36 | 飯島晴子

   雪女けふもみどりの布団にゐる

 雪女はセツ・ジョと読んで、説、叙。
 けふもみどりの(今日緑)はコン・ジツ・ロクと読んで、混、実、録。
 布団にゐる(布団居)はフ・トン・キョと読んで、普、貪、拠。
☆説(話)を叙べる。
 混ぜた実(内容)は録(書き記したもの)を普く貪(むさぼること)を拠(より所にする)。

 雪女はセツ・ジョと読んで、屑、除。
 けふもみどり(今日緑)はキン・ジツ・ロクと読んで、金、実、禄。
 布団にゐる(布団居)はフ・トン・キョと読んで、普、団、挙。
☆屑(ごみ)を除(取り去り)、金(貴重な)実(草木の実)の禄(天からの授かりもの)を普く団(一つにまとめる)挙(すべて)を。

 雪女はセツ・ジョと読んで、窃、如。
 けふもみどり(今日緑)はコン・ジツ・ロクと読んで、混、実、録。
 布団にゐる(布団居)はホ・ダン・キョと読んで、補、談、拠。
☆窃(そっと盗む)が如しである。
 混ぜた実(内容)を録(書き記す)、補う談(話)の拠(より所)がある。