続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮 Ⅱ-1-1自分自身が目前の空間を測るための模型Ⅰ

2019-11-11 06:39:59 | 美術ノート

   Ⅱ-1-1自分自身が目前の空間を測るための模型

 目前の空間の範囲とは視界の消失点までをいうのだろうか。作品を見ると遠近はなく、自身の方が大きい。むしろ空間によって自然は縮小されているようである。空間は天空をも含めた感覚なので空からの圧迫は自然を凌駕する関係にあるのかもしれない。

 通常見る行為は、見えるものが主体であるから空間の方は縮小されむしろ見えない《無》として認識される傾向にある。
 しかし、空間を主体とすると、逆の現象が見えてくる。空間は圧倒的に地上の自然をカバーし、恐ろしいまでの巨きさなのである。

 目前の空間は、深い地下の上に乗っているのだという認識を覚醒させる。
 地下深くから出ている突起は、水脈・鉱脈・地層の深い眠りかもしれない。時間、過去からの変動、不可視であるが、厳然として在る地上の空間を支えるものである。この対峙があって目前の空間の把握が可能となる。全体(世界)から推して図る目前の空間認識は、視覚というよりデータの集積から見た客観的な空間測定の模型である。


 写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館

 


『城』3299。

2019-11-11 06:12:15 | カフカ覚書

二、三度きわめてあっけなく、つまり、あのいまいましい沈黙という武器だけで撃退されてしまうこともあったが、それでも旗を巻かなかった。


☆抑圧や圧迫など、確かに大変巧妙な忌々しい沈黙を通して撃退した事件である。しかし、負かすことはできずに終わった。