縁あって一緒に暮らすようになった二人・・・親が他界し、子が離れていくと二人きりに戻る。
若いうちは忙しさに紛れて気づかなかった癖も、露になりお互い(こんな奴だったの)ということになる。
夫は、父親の顔も知らずに生まれてきたし(硫黄島の玉砕、戦死)、わたしは酒飲みで怠け者の父親のもとに生まれたという、お互い不幸な星の生まれである。
二人の条件は一致しているようにも見えるのに、なぜかまるで違う二人に出来上がってしまった。
たとえばTVを見ていても、夫は悲しいドラマに、訳が分からなくても泣く。ごく些細な悲しみモードでも必ずティシュで鼻を噛み、にじんだ涙を拭っている。
(なんだメソメソと、情けない)わたしはそれを、斜めに見て鼻で笑っている。
わたしはと言えば、どんな些細な可笑しみにも共感し、大笑いをする。それを見ると夫は
「なんだ馬鹿笑いして、外に聞こえたらみっともない」と、文句を言う。
どうしてこんなに違うのか。
運命に肯定的なわたし・・・こんなものかと思っている。
若いうちは忙しさに紛れて気づかなかった癖も、露になりお互い(こんな奴だったの)ということになる。
夫は、父親の顔も知らずに生まれてきたし(硫黄島の玉砕、戦死)、わたしは酒飲みで怠け者の父親のもとに生まれたという、お互い不幸な星の生まれである。
二人の条件は一致しているようにも見えるのに、なぜかまるで違う二人に出来上がってしまった。
たとえばTVを見ていても、夫は悲しいドラマに、訳が分からなくても泣く。ごく些細な悲しみモードでも必ずティシュで鼻を噛み、にじんだ涙を拭っている。
(なんだメソメソと、情けない)わたしはそれを、斜めに見て鼻で笑っている。
わたしはと言えば、どんな些細な可笑しみにも共感し、大笑いをする。それを見ると夫は
「なんだ馬鹿笑いして、外に聞こえたらみっともない」と、文句を言う。
どうしてこんなに違うのか。
運命に肯定的なわたし・・・こんなものかと思っている。