特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

路線図にない駅

2005-02-02 21:07:33 | Bravo!韓国語
 お待たせしました。大好評『ブラかん』の第三回目。

 ソウルには八路線の地下鉄が走っている。

 そんなソウルの地下鉄に路線図に乗っていない駅があることをご存知だろうか。韓国の国家機密?であるこの事実を、私は偶然にも知ってしまった。
 
 以前、友人とオリンピック公園にある重量挙げ競技場で開かれた“イ・ウンミ(Lee Eun Mi=이은미)”のライブに出かけ、思いっきりライブの余韻に浸りきり、地下鉄五号線の“オリンピック公園”駅のホームにいた時のことだ。“イ・ウンミ”のライブは行くたびに全身鳥肌モノで感動する。その日も友人と感動しまくり状態だった。

 次の電車の行先を示す電光表示板には“フェソン(회송)”とあった。その次の電車も“フェソン(회송)行き”だった。普段五号線を利用しない私と友人は路線図で必死に“フェソン(회송)”駅を探した。しかし、探しても探しても“フェソン(회송)”という駅は五号線に見当たらない。

 しばらく路線図とにらめっこして、ふと気付いた。“フェ”とは“回”という漢字の韓国語読み。“ソン”とは“送”という漢字の韓国語読みなのだ。つまり“フェソン”とは“回送”ということなのだ。ハングル表記されているから、私たちは駅名だとばかり思い込んでいたのだ。

 それから“フェソン(회송)行き”の電車が二本、私たちの目の前をノンストップで通り過ぎ、最終電車がやって来た。最終電車は途中駅止まりで、仕方なく地下鉄で行ける所まで行き、タクシーをやっとの思いでつかまえ、家に辿り着いたのだ。結局家に着いたのは午前二時近く。ライブの余韻も感動もどこかへ飛んでいってしまっていた。

 「“フェソン(회송)行き”にはご乗車になれませんので、ご注意下さい!」

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