特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

一体ここはどこなの?

2005-06-16 23:16:36 | 韓国留学記
 晴れのち曇り夜から激しい雨。最低気温17.8度。最高気温25.2度。

 家のすぐ近所にある延世(ヨンセ)大学附属のセブランス病院が去る五月四日に新築され、韓国内最大規模、最先端の設備を誇る病院に生まれ変わったことは以前ここに書きました。

 地下3階、地上21階、総面積5万1570坪、1004個の病床を備えた巨大な白亜の建物は遠くからでもとにかく良く目立ちます。

 日本人の友人とさっき、夕食を一緒に食べていたら、セブランス病院の話しになりました。

 その友人のクラスメイトの話しによると「病院の中すごいよ!日本にあるような自然食品のお店はあるし、広いフードコート(food court)もはいってるよ!美味しいアイスクリーム屋さんだってあるんだから」とのこと。

 私も、その友人も未だ病院内に立ち入ったことが無かったので、「それじゃ、散歩がてら行ってみようか?」ということになりました。時計を見ると既に午後七時四十五分を回っています。さすがにこんな遅い時間じゃあ、全部閉まってるんじゃないの?と思いながらも歩いて病院へ向かいました。

 一階の外来入口から建物の中に入ってみたもののひっそりしています。フードコートなんかありそうな気配もありません。でも、さすがに内部は薄いクリーム色を基調として、明るく、清潔感に溢れています。エレベータホールのフロア案内を見ると“メインロビー”は三階のようです。“フードコート(食堂街=식당가)”とも書いてあります。早速、エレベータで三階へ向かいました。

 エレベーターを降りたら、「あらまぁ、ビックリ!」まるでホテルのロビーのような贅沢な空間が広がっているではないですか(写真参照)!
 この写真のすぐ左側は一階から五、六階くらいの高さまでの吹き抜けになっていて、ガラス張りのシースルー(see-through)エレベーターが設置され、魚をモチーフにしたと思われる、七色に彩られたオブジェが天井から吊り下げられています。また、一角には緑の竹をふんだんにあしらったスペースも設けてあります。
 そして、写真右側の壁ぎわに沿って、入退院の手続きや会計を行う低いカウンターが続いています。どの窓口にも一人用のゆったりとしたソファーが備え付けられています。椅子に座って、落ち着いて諸手続きが行えるというのは、利用者の利便性を充分に考えて作られている気がしました。

 そのカウンターのすぐ脇の通路を入ると、和食、中華そして韓国料理のレストランが入っています。どこもホテルやデパートのレストラン街などに入っている有名なお店です。夜遅い時間にもかかわらず、全てのお店が営業していました。

 そして三階の“メインロビー”の吹き抜けを挟んで反対側のフロアに自然食品を扱ったお店がありました。お店自体は決して広くありません。しかし、全て有機農法で作った物や、糖尿病などの方のための健康食品やら、輸入食材、天然シャンプーやリンスそして石鹸までが所狭しと並べられていました。

 自然食品のお店の脇には広いフードコートとがあって、思った以上に賑わっていました。値段は5~6,000ウォン台中心で、デパートや大型スーパーにあるフードコートと大差ありません。一般の営業時間は朝八時~夜九時。ベーカリー・カフェは朝六時半~夜九時。夜食は夜十一時迄と書いてありました。メニューの種類もかなりのもの。

 美味しいアイスクリーム屋さんをついに発見。他にもエスプレッソコーヒーのお店、お粥専門店、フローズンヨーグルトのお店や緑茶を扱ったお店などもありました。
 何と言っても一番驚いたのは有名なハンバーガー店(注意:♪音楽が流れ続けます!)がテナントとして入っていたこと。病院にファーストフード。しかもハンバーガー店とは!日本じゃちょっと考えられない組み合わせです。詳しくメニューまでは見なかったのですが、特別なヘルシーメニューなんてあるのか知らん? 

 因みに韓国の病院に入院すると、入院患者は全員病院指定のパジャマ(病院名とマークが全体に入っている)を着用しなければならないので、入院患者かどうかは一目で判ります。それにしても、これだけ飲食施設が充実していると、食事制限されている患者さんには辛いだろうなぁと思うのは余計なお世話でしょうか?

 逆に、お見舞いに訪れた方や、看護をしている家族にとっては病院の中で好きなものが食べられるので便利でしょうね。でも昼間はさぞかし混んでいるのだろうな・・・。コンビニや銀行そして旅行会社まで揃っておりました。

 たまにパジャマ姿で点滴をぶら下げてガラガラ歩いている入院患者さんを見かけましたが、三階のメインロビーにいる限りでは、ここが病院であるということを一瞬忘れそうになります。ちょっとしたシティーホテル顔負けのインテイリア。“無駄な空間”を多く取り入れた、実にゆったりとした落ち着いた雰囲気の造りです。

 病院って、独特の雰囲気があるじゃないですか。健康な人も病院の建物に入ると何となく気持ちが陰鬱になるような・・・。今日見た限りでは、そんな雰囲気全くなしです。逆に家の近くにこんなに充実した飲食施設が出来たなんて、嬉しい限り。何てったって、病院ですから清掃は実に行き届いています。

 でも患者さんを含め、不特定多数の人が出入りするとなると、正直言って院内感染なんかがちょっぴり心配ですね。その辺りは、まだまだ日本よりも危機意識が薄いし、建物が新しいだけに逆に気を抜いてしまう恐れも充分ありますからね。

 今夜は一つ“穴場”を発見した気分になって、家に帰ってきました。

 写真はセブランス病院三階のメインロビー。 

最新の画像もっと見る