特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

ハングルのタイピングゲーム

2009-02-14 19:32:37 | カンコクゴ試行錯誤
晴れ.最低気温13度. 最高気温23度.昨日の最低気温とは10度も,そして最高気温は8度上昇

きょうはバレンタイン・デーなので,韓国のハングルタイピングゲームをご紹介します(全く関係ありませんが・・・).
とはいっても,他のブログやホームページでも紹介されているので,すでにご存知の方も多いかもしれませんが,悪しからず

ハングルのタイピング練習のサイトをあちこち探したのですが,おもいっきり子ども向けだったり,文字化けしたり,サイトのメンバー(会員)登録をしなければならないサイトが少なくありませんでした.

そんな中で興味を惹かれたタイピングゲームがこちらその名も「スリルタイピング(스릴 타이핑)」です.
ゲーム内容は次の通り.

時間内にUFOを撃墜してUFOの攻撃から地球を守るタイピングゲーム.
各UFOが掲げている単語を正しく入力し,Enterキーを押すとUFOを撃墜できます.撃墜に成功すると,大きな爆発を起こし他のUFOにもダメージを与える“スペシャルUFO”を上手く使って地球を救ってください


何しろネイティブ(韓国の人たち)を対象にしたタイピングゲームなので容赦ありません.中~上級者向けです.
はじめのうちは,UFOの多さと速さに絶望的な気分になりますがあくまでもゲームなので,スコアが振るわずとも気にしないようにしましょう毎日やっているうちに,少しずつタイピングができるようになります(但し,保証は致しかねます).

【注意】
1.ゲームを始める前にあらかじめハングル入力に設定しておきましょう.
2.「Start」ボタンをクリックすると大きな音が出るので,パソコンのスピーカーの音量を下げておきましょう.
3.ゲームオーバーになると“ハイスコアラーリスト”がポップアップで表示されます.表示されたら“ハイスコアラーリスト”の下にある「확인(確認)」ボタンをクリックしてください(最初の画面に戻ります).


「スリルタイピング(스릴 타이핑)」はこちらからどうぞ.みんなで地球を守りましょう!!

タイピングゲームではなく,タイピングを基礎からしっかり学びたい方はこちらがお薦めですハングル入力に設定せず,日本語入力のままで練習できますよ

追伸:もしみなさんお薦めのハングルタイピングゲームやソフトがあったら教えて下さいね

外国語上達の鍵

2009-02-11 22:14:38 | カンコクゴ試行錯誤
曇り.昨日の暖かさから一転,寒~い建国記念の日.最低気温5度. 最高気温8度.

 外国語を身につけたい.私を含め,そう考えている人は少なくないでしょう.そこで今日はその鍵を探るべく先達の言葉に耳を傾けてみましょう.

“私どもにとっての母語,つまり生まれてこのかた最初に身につけた言語,心情を吐露しモノを考えるときに意識的無意識的に駆使する,支配的で基本的な言語というのは日本語である.第二言語すなわち最初に身につけた言語の次に身につける言語,多くの場合外国語は,この第一言語よりも,決して決して上手くはならない.単刀直入に申すならば,日本語が下手な人は,外国語を身につけられるけれども,その日本語下手さ加減よりもさらに下手にしか身につかない.コトバを駆使する能力というのは,何語であれ,根本のところで同じなのだろう.
 通訳者にとってもう一つの商売道具である,外国語の力もまた母語の能力に左右されるということだ.”


 上の一文はロシア語通訳者でエッセイストであった米原万里(よねはらまり)さんの『不実な美女か貞淑な醜女か』(新潮文庫) からの引用(p278)です.
9歳から14歳までプラハにあるソビエト学校で学び,東京外国語大学のロシア語学科を卒業され,東京大学大学院でロシア文学を修めた米原さんの言葉だけに重みがあります.

 改めてこのエッセイを読んで,私の韓国語が遅々として上達しない理由が明確になりました.逆に言えば,上達させる方法も明確になったわけで嬉しくもあります.まずは日本語を磨くこと.読む,書く,話す,聞くこと.言葉の背景にある歴史や文化を理解すること.それらを踏まえた上で外国語(韓国語)を磨くことが大切だということですね.

 米原さんが師事した徳永晴美(とくながはるみ)先生も無自覚な留学の危険性について2007年11月17日に行われたセミナーで次のように述べています.

“留学中はなんとなくロシア語ができたつもりでおりますが,帰ってきて3ヶ月,半年も経つとあっという間に能力が落ちていきます.それはロシア語環境にどっぷりつかっていたために一杯になっていると思っていたザルを引き上げた途端,周りの環境がなくなって空っぽになってしまう,あの状態.(中略) 獲得したものを維持するためには日本でやらなきゃいけないという現実が待っています.それを自分でどうするか,という戦略までちゃんと立てないかぎりは留学のありがた味はあまりありませんね.私はそう思います.現地でやれることは何かと考えた場合に,だだ漫然と生活者としてそこで時間を過ごすんじゃない,あれをやるべきだ,これをやるべきだという戦略が,やっぱり欲しいですね.

それから留学を終えた後に維持する能力,つまりそこから,骨格をもらっただけですから後は肉をつけなければならない.それは自国,母国でやるよりほかないですね.そういう戦略を持たなければいけません.”

(2008年4月10日発行『JICインフォメーション第150号』JICロシア語セミナー報告「ロシア語を勉強する君へ」)

 徳永先生の話からも,単に留学したり,外国で暮らしたからと言ってその国の言葉が格段に上達するというのは幻想に過ぎないというのが解かります.これは5年余り韓国へ留学した私自身,つくづくそう思います.

結局はスポーツと同じで,外国語を身につけるのも日々の鍛練(トレーニング)が欠かせないということですね.そのためにも優秀なトレーナー(先生や教材)のもとでトレーニングを積みましょう

日本語が解かるばっかりに

2009-02-09 22:40:38 | カンコクゴ試行錯誤
曇り.最低気温3度. 最高気温8度.

“「他人の通訳を聞いて,『コイツ,なんて下手なんだ』と思ったら,きっとその通訳者のレベルは,君と同じぐらいだろう.『ああ,この程度の通訳なら,私だって出来る』という感触を持ったなら,その人は,君より遥かに上手いはずだからね」”

ロシア語通訳者の米原万里さんのエッセイ『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』(新潮文庫)の中で,米原さんが師事したロシア語同時通訳の第一人者である徳永晴美(とくながはるみ)氏の言葉が引用されている(p120).

私も韓国に留学中,通訳の真似ごとを何度かやらされたことがあるので,実に良く分かる.

一番困るのが大学教授から頼まれる通訳だ.

韓国の大学教授は自分の研究分野に関する日本の文献を読んだり(理解したり),簡単な自己紹介なら日本語で難なくこなせる先生方が少なくない.そんな先生方の韓国語によるスピーチを日本語に通訳する時は冷や汗モノである.

通訳が終わってから研究室に呼ばれ「ご苦労さん」というねぎらいの言葉が待っていると思いきや,「さっきのあの部分は○○じゃなくて,△△と訳すべきだ」とか,「私は××という主旨で話したのではない.☆☆と言いたかったのだ…」などと,“ダメ出し”が始まる.

ヘタをすると通訳しているそばから日本語で「しっかり通訳しろ」などと言われる始末.一体,どちらが日本語ネイティブなのか分からない.しかも私の通訳を聴いている日本からのお客様方が,私の日本語訳に疑念を抱き始める(俺たちが韓国語を解らないからって,こいつテキトーに訳してるんじゃないだろうな).

あぁ~最悪だ.通訳を放棄して,今すぐこの場から逃げ出したい.顔で笑って心で泣いて,教授の韓国語を日本語へとひたすら通訳する私….ダメ出しされればされるほど,緊張のレベルゲージが上がり,自然な日本語がてんで出てこなくなる.頭の中が“フリーズ”しているのが分かるのだ.

いっぽう,他の人が通訳する日本語を聴いている時は,自分でも惚れ惚れするような名訳,名フレーズが頭の中から次々と浮かんでくることはあっても,“フリーズ”することは決してない.

初めに引用した『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』(新潮文庫)で米原さんは

“他人の通訳を聞くときは,積極的知識で当たらねばならず,消極的知識は積極的知識を常に量的に凌駕すものである以上,客観的に当然なのである.”とも述べている(p120).」”

私の例えが適当であるか心許ないが「理解語彙」と「使用語彙」の違いを考えれば分かりやすいだろう.読んだり聞いたりして意味が理解できる語彙(理解語彙)と,読み書きはもちろんのこと,実際に話をする時にも自由に駆使出来る語彙(使用語彙)がある.

普段意識しない限り,私たちは言葉をはじめとする知識を理解していると思い込んでいる.しかし,いざ人前でスピーチをしたり,ディベートをするとなると,今まで理解していると思い込んでいた言葉や知識はすっかり吹き飛んでしまうのだ.従って実に稚拙な言葉で通訳せざるを得なくなる.

「積極的知識」と「消極的知識」の差をいかに縮めるか?これこそが通訳や翻訳に限らず外国語に携わる者に与えられた永遠の課題なのかも知れない.

「なぜ?」と「どうして?」

2009-02-04 22:08:27 | カンコクゴ試行錯誤
晴れ.最低気温9度. 最高気温5度.

韓国留学中の話です.
学期末試験を前にして大学図書館で勉強していました

韓国の大学の図書館は日本と違って,館内で携帯の着メロが鳴って当然のような大らかなところがあります.たとえマナーモードにしていても,携帯を直(じか)に机の上に置いている人が多いので,電話が来るとビービービービー本体を震わせながら,携帯が勝手に机の上を駆けずり回ります.

周囲の人たちにとっては大きな迷惑ですが,迷惑そうな視線を投げかけた学生の着メロがしばらくして館内に響き渡ることも少なくありません.他人の着メロは迷惑千万でも,自分の携帯の着メロに関しては「私の携帯が鳴りましたが,それが何か?」というような涼しい顔をしています.

勉強中,大学院の同期から電話が来ました.私はもちろんマナーモードに設定して携帯本体はシャツの胸ポケットに入れていたので,静かに机を離れ閲覧室の外へ出て電話を取りました.

 同期A:(韓国語で)「カルビ氏,今大学の図書館にいるでしょう?」
 カルビ:(韓国語で)「え?なぜ,分かったの?」
 同期A:「・・・?」


Aさんが黙ってしまったのには理由があります.なぜなら私が,とんちんかんな韓国語を使ったからです

具体的に説明すると「え?なぜ,分かったの?」を韓国語で「어? 왜 알았어?(オ?ウェ アラッソ?)」と口にしたからです.直訳すると「え,なぜ 知りましたか?」になります.

日本語の「なぜ」に該当する韓国語が「왜(ウェ)」なので,私は何も考えず日本語式に単語を置き換えてしまったのです.

このような場面では「어? 어떻게 알았어?(オ?オットッケ アラッソ?)=え?,どうして 分かりましたか?」というのが自然な韓国語です.

英語に例えれば「Why=왜(ウェ)」と「How=어떻게(オットッケ)」の違いといったところでしょうか?(違っていたらゴメンナサイ)

「왜(ウェ)」は「なぜ,どうして」という単に疑問を表す副詞ですが,「어떻게(オットッケ)」は同じ副詞でも「どのようにして,どんな方法・具合で,どういうふうに」と方法や状態を表す点が異なります.

韓国留学中はこんな失敗を毎日のように重ねていたワタシです

今年も挑戦センター試験

2009-01-29 23:13:35 | カンコクゴ試行錯誤
曇り時々晴れ.最低気温7度. 最高気温10度.

遅ればせながら,今年度(2009年)の大学入試センター試験で出題された「韓国語」の問題に挑戦した

【写真】今年(平成21年度)の大学入試センター試験韓国語の問題用紙

自己採点の結果は180点(200点満点中)昨年(156点)に比べ点数は格段にアップしたものの個人的には悔いの残る成績

採点の時になって,なぜこんな簡単な問題を間違えたのか自ら呆れるようなミスが目に付いた.センター試験だからといって決して侮(あなど)ってはいけないのだ.

昨年(2008年)に比べると全体的に難解な問題は影を潜め,長文読解なども比較的易しくなっていた.

それにしてもセンター試験で180点しか取れないとなると,韓国語能力試験の対策もおろそかにできない.慣用句の総整理と,使用頻度の低い動詞を復習して頭に叩き込まねば!

ちなみに大学入試センターによる平均点の中間集計(2009年1月23日現在)によると韓国語の平均点は166.83(83.41)点,最高得点は200(100)点,最低得点は40(20)点で外国語科目(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語)の中で最も高い平均点を記録しました!

【参考】外国語科目の平均点中間集計(2009年1月23日現在)
※( )内の点数は100点満点換算した場合の得点.

 ①韓国語166.83(83.41)点
 ②ドイツ語152.58(76.29)点
 ③フランス語138.97(69.48)点
 ④中国語136.62(68.31)点
 ⑤英語115.03(57.51)点