雨
時々曇り
。最低気温20.0度。最高気温28.2度(9/10の天気)。
一昨日(9/8)に都羅山(トラサン=도라산)に行った時のレポート(その2)をお届けします。
写真左が臨津江駅の駅舎です。ソウル方面から臨津江駅に到着した列車は駅舎の手前に停車しますが(写真右)、臨津江駅から都羅山駅へ向かう列車に乗車する場合は全員、駅舎内で軍の憲兵(Military Police)による身分証明書と乗車券(往復分)のチェック及び手荷物検査を受けなければなりません(都羅山駅までの片道乗車券だけでは列車に乗れないので注意しましょう)。DMZツアーに参加する場合はツアーを申し込んだ際に渡された参加者証を忘れずに首からかけておきましょう。参加者証をかけていないとMPから「都羅山でどちらに行かれますか?」と質問されます。都羅山駅だけを見学する場合は「I only visit a Dorasan station」と答えておきましょう。因みに都羅山も韓国領内ですから、税関や出入国審査のようなものはありません。
左の写真「都羅山(トラサン)」行きの列車に掲げられている行先表示板です。
それではいよいよ「都羅山(トラサン)駅」へ向かって出発です。車内は緊張と不安が入り混じった雰囲気に包まれています。右の写真は臨津江(イムジンガン)を渡る直前の列車を最後尾から写したものです(臨津閣の展望台から撮影)。
車内は先ほどと同じく自由席です。お薦めの席は進行方向右側の窓側。「自由の橋(チャユエタリ=자유의 다리)」と朝鮮戦争の時に破壊された鉄橋の橋脚を車窓から眺められます。
警笛を短く鳴らし、列車はいよいよ「臨津江(イムジンガン)」にかかる鉄橋に差し掛かりました。のんびりゆっくりというよりも、慎重に用心深く鉄橋を渡って行きます。右側の写真には板張りの「自由の橋(チャユエタリ)」が映っています。
通路を挟んで私と並んで座っていらしたご年配の紳士が「一時間ぐらい乗るのかね?」と前に座っている方に尋ねました。尋ねられた男性は笑いながら「五分くらいですよ」と答えます。それを聞いたご年配の紳士は「たったの五分かね」と思いっきり拍子抜けされたようです。その気持ち分かる気がしました。MPによる身分証明書と乗車券のチェックに加え、手荷物検査を受けてようやく車内の人になったのですから。確かに「臨津江(イムジンガン)」と「都羅山(トラサン)」の間はたったの4kmしか離れていませんし、乗車時間も五分足らずですが、韓国の人たちにとっては「臨津江(イムジンガン)」を列車で越えるまでに五十年という歳月がかかったのです。皆さん感慨深げに車窓に広がる風景を眺めていらっしゃいました。
「臨津江(イムジンガン)」を越えると、間もなく右手前方に「都羅山(トラサン)駅」が見えてきました。どうやら未だ駅舎は完全に出来上がっていないようです。列車はゆっくりと韓国最北端の駅に入って行きます(写真左)。
右の写真の駅名表示板は次の駅が「平壌(ピョンヤン=평양)」になっていますが、もちろん今はまだ行くことが出来ません。もしかしたら先ほどの年配の紳士は「平壌(ピョンヤン)」まで行けると思っていたのかも知れません。
さて「都羅山(トラサン)」に着くと、ホームでのんびり記念写真を撮っている暇はなさそうです(もちろんホームでの写真撮影自体は問題ありません)。ただ、先ほど「臨津江(イムジンガン)駅」から同乗してきたMPがホームに立ち微動だにせず、乗客の動きを監視しています。ライフルや拳銃などの火器は所持していませんが、「早く出口へ行け!」と体全体で乗客たちに訴えかけています。さっさと駅舎内を通って改札口へ向かうことにしましょう。人数確認のために出口にはバーが取り付けてあり、一人ずつバーを押して改札を出ます。出口では乗車券を回収しますので、乗車券を手元に用意しておきましょう。
DMZツアーに参加する人は駅の待合室を出たところにバスが止まっています。MPの人が参加者証の色を見て「前のバスに乗って下さい」とか、「後ろのバスに乗って下さい」などと教えてくれますので、言われたバスに乗り込みます。参加者証にバスの座席番号がそれぞれ記載されていると前回書きましたが、予想通りバスの座席番号を守る人は見事に一人もいませんでした。乗車人数さえ合っていれば問題ないようなので、空いている席に適当に座ります。MPによる人数確認を済ませるとバスは出発します。運転手さんが左手にハンドル、右手にマイクを両手に握りながら韓国語でガイドをしてくれます。親切丁寧なガイドをしてくれるのは有り難いのですが、ガイドに夢中になり過ぎて何度か道を外れそうになりヒヤヒヤしました。何せ車道の両脇は地雷原という場所柄ですから・・・。
駅の周辺は見事に何もありません。あるものといえば建設工事現場でしょうか。物流倉庫などあらゆる建物を建築中です。
DMZツアーはおおよそ次のようなスケジュールです。①「都羅山(トラサン)駅」(13:35発)→②「第三地下トンネル(チェサムトンクウル=제3땅굴)」(13:45着/14:50発)→③「都羅展望台(トラジョンマンデ=도라전망대)」(15:00着/15:20発)→④「統一村(トンイルチョン=통일촌)」(15:30着/16:00発)→⑤「都羅山(トラサン)駅」(16:15着/16:43発列車でソウルへ)
②の「第三地下トンネル(チェサムトンクウル」は撮影禁止です。手荷物はロッカーに預け、各自ヘルメットを着用しなければなりません。このトンネルは北が韓国へ侵入するために掘られたトンネルです。以前は全行程徒歩による見学で、往復一時間半ほどかかったそうです。しかし、2002年のワールドカップを機に地元のパジュ(坡州=파주)市が見学者用に電動のケーブルカーを設置しました。そのため現在は地上と地下の間を片道七分ほどで結んでいます。ケーブルカーに乗り込み、ゆっくりとトンネルに入ってゆくと全身がひんやりとした空気に包まれます。地下トンネルに関する韓国語による解説を聞きながら傾斜十五度のレールの上を進みます。地下でケーブルカーを降りると、いよいよ北が掘ったトンネルが現れます。ここから各自徒歩で、約十分ほど進みます。至るところで岩盤が露出しており、場所によっては頭上から水がしたたり落ち、足元がぬかるんでいたり、水溜りもありますのでスニーカーなど汚れても良い歩きやすい靴を履いて行かれることをお薦めします。また、ケーブルカーには屋根がありません。トンネル内も非常に狭いので背の高い方は充分気を付けて下さい。
トンネルの見学を終えると、非武装地帯を紹介する短い映画と展示を見ます。
駐車場には売店やお手洗いもあります。
上の写真は③「都羅展望台(トラジョンマンデ)」です。初めに写真左の建物の中にあるホールで韓国軍の担当者から非武装地帯に関するレクチャーを受けます。ホールの前方はガラス張りになっており、非武装地帯とその先に広がる北側の様子を一望することが出来ます。レクチャーを受ける時はなるべく前の席に座ったほうが、眺めも良いですし、説明も良く聞こえます。但し、軍事上の理由からホール内での写真やビデオ撮影は禁止されています。
レクチャーが終わるとホール左前方の出口から外にある展望台に出ます(写真右)。展望台には東京タワーなどにあるような有料の双眼鏡が並んでいるのですが、左隅の三台は軍事観測用の双眼鏡なので覗いてはいけません。タダで見られるからと覗いていると注意を受けます。見学者の方々は双眼鏡が有料だと言うことを知ると「軍も商売をするのかね」と文句を言いながらも、きちんと小銭を入れて、眼下に広がる非武装地帯と北側の風景を熱心にご覧になっていました。この展望台からの撮影は右の写真にある黄色い「Photo Line」の内側からのみ可能です。この線より前で撮影していると、やはり注意されますので気をつけましょう。
「都羅展望台(トラジョンマンデ)」の駐車場にもお菓子やお土産を置いている売店そしてお手洗いがあります。
④「統一村(トンイルチョン)」はバスの車窓からの見学と、「統一村(トンイルチョン)」にある村営の売店と食堂での休憩があります。「都羅山(トラサン)駅」には食堂がありませんので、お腹が空いた人はここで食事を済ませておくのが良いでしょう。売店には主に、統一村(トンイルチョン)で収穫された農産物などがおいてあります。いわゆる生協のようなお店です。北朝鮮産の平壌焼酎(2,500ウォン)や人参酒などもおみやげとして置いてあります。日本人の観光客の方々が何本も買い込んでいました。
「統一村(トンイルチョン)」を出発するとDMZツアーも無事終了です。あとはバスで「都羅山(トラサン)駅」へ戻るだけです。
写真は「都羅山(トラサン)駅」の駅舎を外側から写したものです。
改札が始まるまでの15分ほど駅の待合室でしばし休憩です。待合室には飲み物やポップコーンなどを売る売店があります。絵葉書やキーホルダーなどのおみやげも置いてありますが、種類はさほど多くありません(売店のお兄さんは日本語が出来ました)。
帰りの列車は乗り換えなしでソウル方面に向かいますので、お手洗いは「都羅山(トラサン)駅」で済ませておくのがいいでしょう(列車内にはお手洗いがありません)。
改札は16時半から始まります。今回は身分証明書や手荷物検査などはありません。帰りの乗車券を手元に用意して、改札へ進みます。
すでに列車はホームに停車しています。空いている席に着いたら、ソウルまではのんびり休みましょう。出発まで余裕があるので、ホームで記念写真を撮るのも良いでしょう。何度も来るような場所ではありませんから。
平日の夕方は途中駅から会社や学校帰りの人達が多数乗り込んで来るので、車内は混雑しますが、こんな列車の旅もたまにはいいのではないでしょうか。
DMZツアーは都羅山(トラサン)駅が出来る以前からあったものと変わりが無いようです。ですから外国人観光客にとってのメインイベントは、やはり臨津江(イムジンガン)を列車で渡り、都羅山(トラサン)駅へ行くというところに尽きると思います。
今回、都羅山(トラサン)を訪れて、南北の交流が進んでいる現場を直接目にすることが出来ました。以前、板門店(パンムンジョム)を訪れた時のような緊張感は都羅山(トラサン)では全く感じられませんでした。ただ、南北が休戦状態にあることは事実であり、38度線に沿って南北2kmの非武装地帯を挟んで双方の軍が対峙していることに変わりありません。韓国内のマスコミでは南北和解に向けた動きが盛んに報道されていますが、個人的にはまだまだ南北の溝を埋めるのには時間と忍耐、そして何よりお金がかかると思いました。韓国内ではほとんど話題にのぼりませんが、南北統一にかかる費用は韓国のGDP(778.4兆ウォン=約85兆円)の30倍以上といわれています。
来週から北京で六ヶ国協議が再開されるようです。協議の進展を期待するとともに、日本政府にも今まで以上に北をはじめ各国に対して断固とした態度で臨んで欲しいと思います。あとでお金だけ巻き上げられるのは目に見えていますから・・・。
カルビの都羅山(トラサン)ツアーに最後までお付き合い戴き、ありがとうございました
!
追記:毎週月曜日は都羅山(トラサン)駅が休業のため列車も臨津江(イムジンガン)駅止まりです!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_rain.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
一昨日(9/8)に都羅山(トラサン=도라산)に行った時のレポート(その2)をお届けします。
写真左が臨津江駅の駅舎です。ソウル方面から臨津江駅に到着した列車は駅舎の手前に停車しますが(写真右)、臨津江駅から都羅山駅へ向かう列車に乗車する場合は全員、駅舎内で軍の憲兵(Military Police)による身分証明書と乗車券(往復分)のチェック及び手荷物検査を受けなければなりません(都羅山駅までの片道乗車券だけでは列車に乗れないので注意しましょう)。DMZツアーに参加する場合はツアーを申し込んだ際に渡された参加者証を忘れずに首からかけておきましょう。参加者証をかけていないとMPから「都羅山でどちらに行かれますか?」と質問されます。都羅山駅だけを見学する場合は「I only visit a Dorasan station」と答えておきましょう。因みに都羅山も韓国領内ですから、税関や出入国審査のようなものはありません。
左の写真「都羅山(トラサン)」行きの列車に掲げられている行先表示板です。
それではいよいよ「都羅山(トラサン)駅」へ向かって出発です。車内は緊張と不安が入り混じった雰囲気に包まれています。右の写真は臨津江(イムジンガン)を渡る直前の列車を最後尾から写したものです(臨津閣の展望台から撮影)。
車内は先ほどと同じく自由席です。お薦めの席は進行方向右側の窓側。「自由の橋(チャユエタリ=자유의 다리)」と朝鮮戦争の時に破壊された鉄橋の橋脚を車窓から眺められます。
警笛を短く鳴らし、列車はいよいよ「臨津江(イムジンガン)」にかかる鉄橋に差し掛かりました。のんびりゆっくりというよりも、慎重に用心深く鉄橋を渡って行きます。右側の写真には板張りの「自由の橋(チャユエタリ)」が映っています。
通路を挟んで私と並んで座っていらしたご年配の紳士が「一時間ぐらい乗るのかね?」と前に座っている方に尋ねました。尋ねられた男性は笑いながら「五分くらいですよ」と答えます。それを聞いたご年配の紳士は「たったの五分かね」と思いっきり拍子抜けされたようです。その気持ち分かる気がしました。MPによる身分証明書と乗車券のチェックに加え、手荷物検査を受けてようやく車内の人になったのですから。確かに「臨津江(イムジンガン)」と「都羅山(トラサン)」の間はたったの4kmしか離れていませんし、乗車時間も五分足らずですが、韓国の人たちにとっては「臨津江(イムジンガン)」を列車で越えるまでに五十年という歳月がかかったのです。皆さん感慨深げに車窓に広がる風景を眺めていらっしゃいました。
「臨津江(イムジンガン)」を越えると、間もなく右手前方に「都羅山(トラサン)駅」が見えてきました。どうやら未だ駅舎は完全に出来上がっていないようです。列車はゆっくりと韓国最北端の駅に入って行きます(写真左)。
右の写真の駅名表示板は次の駅が「平壌(ピョンヤン=평양)」になっていますが、もちろん今はまだ行くことが出来ません。もしかしたら先ほどの年配の紳士は「平壌(ピョンヤン)」まで行けると思っていたのかも知れません。
さて「都羅山(トラサン)」に着くと、ホームでのんびり記念写真を撮っている暇はなさそうです(もちろんホームでの写真撮影自体は問題ありません)。ただ、先ほど「臨津江(イムジンガン)駅」から同乗してきたMPがホームに立ち微動だにせず、乗客の動きを監視しています。ライフルや拳銃などの火器は所持していませんが、「早く出口へ行け!」と体全体で乗客たちに訴えかけています。さっさと駅舎内を通って改札口へ向かうことにしましょう。人数確認のために出口にはバーが取り付けてあり、一人ずつバーを押して改札を出ます。出口では乗車券を回収しますので、乗車券を手元に用意しておきましょう。
DMZツアーに参加する人は駅の待合室を出たところにバスが止まっています。MPの人が参加者証の色を見て「前のバスに乗って下さい」とか、「後ろのバスに乗って下さい」などと教えてくれますので、言われたバスに乗り込みます。参加者証にバスの座席番号がそれぞれ記載されていると前回書きましたが、予想通りバスの座席番号を守る人は見事に一人もいませんでした。乗車人数さえ合っていれば問題ないようなので、空いている席に適当に座ります。MPによる人数確認を済ませるとバスは出発します。運転手さんが左手にハンドル、右手にマイクを両手に握りながら韓国語でガイドをしてくれます。親切丁寧なガイドをしてくれるのは有り難いのですが、ガイドに夢中になり過ぎて何度か道を外れそうになりヒヤヒヤしました。何せ車道の両脇は地雷原という場所柄ですから・・・。
駅の周辺は見事に何もありません。あるものといえば建設工事現場でしょうか。物流倉庫などあらゆる建物を建築中です。
DMZツアーはおおよそ次のようなスケジュールです。①「都羅山(トラサン)駅」(13:35発)→②「第三地下トンネル(チェサムトンクウル=제3땅굴)」(13:45着/14:50発)→③「都羅展望台(トラジョンマンデ=도라전망대)」(15:00着/15:20発)→④「統一村(トンイルチョン=통일촌)」(15:30着/16:00発)→⑤「都羅山(トラサン)駅」(16:15着/16:43発列車でソウルへ)
②の「第三地下トンネル(チェサムトンクウル」は撮影禁止です。手荷物はロッカーに預け、各自ヘルメットを着用しなければなりません。このトンネルは北が韓国へ侵入するために掘られたトンネルです。以前は全行程徒歩による見学で、往復一時間半ほどかかったそうです。しかし、2002年のワールドカップを機に地元のパジュ(坡州=파주)市が見学者用に電動のケーブルカーを設置しました。そのため現在は地上と地下の間を片道七分ほどで結んでいます。ケーブルカーに乗り込み、ゆっくりとトンネルに入ってゆくと全身がひんやりとした空気に包まれます。地下トンネルに関する韓国語による解説を聞きながら傾斜十五度のレールの上を進みます。地下でケーブルカーを降りると、いよいよ北が掘ったトンネルが現れます。ここから各自徒歩で、約十分ほど進みます。至るところで岩盤が露出しており、場所によっては頭上から水がしたたり落ち、足元がぬかるんでいたり、水溜りもありますのでスニーカーなど汚れても良い歩きやすい靴を履いて行かれることをお薦めします。また、ケーブルカーには屋根がありません。トンネル内も非常に狭いので背の高い方は充分気を付けて下さい。
トンネルの見学を終えると、非武装地帯を紹介する短い映画と展示を見ます。
駐車場には売店やお手洗いもあります。
上の写真は③「都羅展望台(トラジョンマンデ)」です。初めに写真左の建物の中にあるホールで韓国軍の担当者から非武装地帯に関するレクチャーを受けます。ホールの前方はガラス張りになっており、非武装地帯とその先に広がる北側の様子を一望することが出来ます。レクチャーを受ける時はなるべく前の席に座ったほうが、眺めも良いですし、説明も良く聞こえます。但し、軍事上の理由からホール内での写真やビデオ撮影は禁止されています。
レクチャーが終わるとホール左前方の出口から外にある展望台に出ます(写真右)。展望台には東京タワーなどにあるような有料の双眼鏡が並んでいるのですが、左隅の三台は軍事観測用の双眼鏡なので覗いてはいけません。タダで見られるからと覗いていると注意を受けます。見学者の方々は双眼鏡が有料だと言うことを知ると「軍も商売をするのかね」と文句を言いながらも、きちんと小銭を入れて、眼下に広がる非武装地帯と北側の風景を熱心にご覧になっていました。この展望台からの撮影は右の写真にある黄色い「Photo Line」の内側からのみ可能です。この線より前で撮影していると、やはり注意されますので気をつけましょう。
「都羅展望台(トラジョンマンデ)」の駐車場にもお菓子やお土産を置いている売店そしてお手洗いがあります。
④「統一村(トンイルチョン)」はバスの車窓からの見学と、「統一村(トンイルチョン)」にある村営の売店と食堂での休憩があります。「都羅山(トラサン)駅」には食堂がありませんので、お腹が空いた人はここで食事を済ませておくのが良いでしょう。売店には主に、統一村(トンイルチョン)で収穫された農産物などがおいてあります。いわゆる生協のようなお店です。北朝鮮産の平壌焼酎(2,500ウォン)や人参酒などもおみやげとして置いてあります。日本人の観光客の方々が何本も買い込んでいました。
「統一村(トンイルチョン)」を出発するとDMZツアーも無事終了です。あとはバスで「都羅山(トラサン)駅」へ戻るだけです。
写真は「都羅山(トラサン)駅」の駅舎を外側から写したものです。
改札が始まるまでの15分ほど駅の待合室でしばし休憩です。待合室には飲み物やポップコーンなどを売る売店があります。絵葉書やキーホルダーなどのおみやげも置いてありますが、種類はさほど多くありません(売店のお兄さんは日本語が出来ました)。
帰りの列車は乗り換えなしでソウル方面に向かいますので、お手洗いは「都羅山(トラサン)駅」で済ませておくのがいいでしょう(列車内にはお手洗いがありません)。
改札は16時半から始まります。今回は身分証明書や手荷物検査などはありません。帰りの乗車券を手元に用意して、改札へ進みます。
すでに列車はホームに停車しています。空いている席に着いたら、ソウルまではのんびり休みましょう。出発まで余裕があるので、ホームで記念写真を撮るのも良いでしょう。何度も来るような場所ではありませんから。
平日の夕方は途中駅から会社や学校帰りの人達が多数乗り込んで来るので、車内は混雑しますが、こんな列車の旅もたまにはいいのではないでしょうか。
DMZツアーは都羅山(トラサン)駅が出来る以前からあったものと変わりが無いようです。ですから外国人観光客にとってのメインイベントは、やはり臨津江(イムジンガン)を列車で渡り、都羅山(トラサン)駅へ行くというところに尽きると思います。
今回、都羅山(トラサン)を訪れて、南北の交流が進んでいる現場を直接目にすることが出来ました。以前、板門店(パンムンジョム)を訪れた時のような緊張感は都羅山(トラサン)では全く感じられませんでした。ただ、南北が休戦状態にあることは事実であり、38度線に沿って南北2kmの非武装地帯を挟んで双方の軍が対峙していることに変わりありません。韓国内のマスコミでは南北和解に向けた動きが盛んに報道されていますが、個人的にはまだまだ南北の溝を埋めるのには時間と忍耐、そして何よりお金がかかると思いました。韓国内ではほとんど話題にのぼりませんが、南北統一にかかる費用は韓国のGDP(778.4兆ウォン=約85兆円)の30倍以上といわれています。
来週から北京で六ヶ国協議が再開されるようです。協議の進展を期待するとともに、日本政府にも今まで以上に北をはじめ各国に対して断固とした態度で臨んで欲しいと思います。あとでお金だけ巻き上げられるのは目に見えていますから・・・。
カルビの都羅山(トラサン)ツアーに最後までお付き合い戴き、ありがとうございました
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追記:毎週月曜日は都羅山(トラサン)駅が休業のため列車も臨津江(イムジンガン)駅止まりです!