特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

血圧ありますか?

2005-09-30 15:33:38 | Bravo!韓国語
 昼前から激しくなる。最低気温16.6度。最高気温21.2度。

 論文に集中していたら、いつの間にか朝の五時を回っていた。
 今日は通院日。このまま横になると、朝九時半の診察予約時刻に間に合いそうにないので、結局一睡もせず。
 病院へ行くまでアイロンがけをし、朝食の間に洗濯機を回す。洗濯物を干してから小雨の中病院へ。
 


 今週は体調が芳しくなかったこともあり、服薬量を若干増やしてもらう。
 主治医の先生が薬を処方するにあたって、血圧を測ることになった。診察室の外にある血圧計で看護士さんが血圧測定をした。腕にマジックテープの大きいのを巻き付けて、シュッパ、シュッパ、シュッパっと空気を送るアレである。

 無事測定が終わると、看護士さんが「血圧ありますか?(ヒョラビ イッソヨ?=혈압이 있어요?)」と私に尋ねてきた。
 「け、血圧ありますかぁ~?」って、あるに決まってるじゃないの。無かったら死んじゃうのよ看護士さん。
 「はい、あります(ネー、イッソヨ=네,있어요.)」と看護士さんの質問に真面目に答える私。看護士さんは私に何を言いたのだろうか?
 私の答えを聞くと、看護士さんは何事も無かったかのように診察室にいる主治医の先生に私の血圧の値を告げた。
 それを聞いて、今回の服薬量をパソコンに打ち込む先生。
 再び診察室に戻って、先生から今後の治療方針と、生活上の注意点についてお話しを伺い、今日の診察は無事終了。
 先ほど血圧を測ってくれた看護士さんにカルテを渡して、一階にある会計カウンターへ向かった。それにしても「血圧ありますか?」ってどういう意味なの?と考えながらカウンター前の椅子に座っている時にようやく理解できた。

 「血圧ありますか?」=「血圧高いですか?」の意味であるということが・・・

 日本語講師や翻訳家として活躍している韓国の友人に確認したところ、やはり「血圧高いですか?」の意味で使われるとのこと。但し、「血圧高いですか?(ヒョラビ ノップセヨ=혈압이 높으세요?)」と言うのが一般的だそうだ。ちなみに「血圧低いですか?」は「ヒョラビ ナジュセヨ(혈압이 낮으세요?)」である。

 私は決して高血圧ではないのだが、病院で血圧を測ると数値が高めになってしまう。緊張しやすいタイプなのだ。
 韓国で血圧を測ったことは今まで何回かあったものの「血圧ありますか?」なんて尋ねられたのは初めてだった。ところで皆さんは「血圧ありますか?」。

 写真は院内薬局にある病院の建物をあしらったステンドグラス。

ワガママな宅配便

2005-09-28 23:43:48 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温16.3度。最高気温26.5度。

 十月一日、ソウル市内を流れる清渓川(チョンゲチョン=청계청)の復元工事が終わり47年ぶりにその姿を現す。それを記念した祝賀行事が九月三十日~十月三日にかけて市庁舎周辺で行われる。
 それらの催しの一つ「清渓川市民ウォーキング大会(チョンゲチョン シミン コッキテフェ=청계청 시민 걷기대회)」に参加を申し込んだ。十月三日の朝、二時間かけて清渓川(チョンゲチョン)沿いをのんびりウォーキングするというものだ。

 このウォーキング大会に参加申し込みをした人たちには、事前に記念Tシャツが宅配便で送られて来ることになっているのだが、今夜(9/28)七時過ぎに宅配業者から電話があった。
 宅配業者(以下宅):「もしもし、特上カルビさんですか?」
 カルビ(以下カ):「あ、はい
 宅:「ウォーキング大会のTシャツを届けに来たのですが、ご在宅ですか?」
 カ:「あ、申し訳ありませんが今外にいるので、下の階の管理人さんの家に預けておいて戴けますか?」
 宅:「あ、はい。解かりました。それじゃ、“○×クリーニング”ご存知ですか?」
 カ:「え・・・?あ、はい。知ってますが・・・
 宅:「“○×クリーニング”さんに預けておきますので、取りに行って戴けますか?」
 カ:「(全然解かってないじゃん!)あのぉ、“○×クリーニング”じゃなくて私の家の管理人さんに預けて戴けませんか?
 宅:「“○×クリーニング”さん、分かるでしょ?、“○×クリーニング”さんに取りに行ってください。そこに置いておきますから」
 カ:「だ・か・ら、“○×クリーニング”じゃなくて、私の家の大家さんに預けて下さい!」
 宅:「“○×クリーニング”分かるって言ったじゃないですかぁ。“○×クリーニング”さんに預けておきますから!」
 カ:「“○×クリーニング”から私の家まではスグ近くですから、私の家の大家さんに・・・
 宅:「すぐ近くなら構わないじゃないですかぁ~!(逆ギレ状態)、“○×クリーニング”に預けておきますから!」
 カ:「だから、私の家の大家さんに・・・
 宅:「(ガチャ!プー、プー、プー)」

 温厚な性格で仏のカルビと言われている(クリスチャンの)ワタシですが、さすがに今回ばかりは怒り心頭、すぐに電話を入れました。
 「もしもし、“○×クリーニング”さんですか?あの、いつもクリーニングお願いしている特上カルビと言いますが、そちらにワタシ宛の荷物届いてませんでしょうか?あ、届いてますか。すみませんが明日取りに伺いますので預かっておいて戴けますか?あ、はい。宜しくお願いしますぅ
 こんな自分の性格がどうしても好きになれない今日この頃です

酔えない性格

2005-09-27 23:56:04 | 韓国留学記
 朝のうち曇り昼頃から晴れ。最低気温17.8度。最高気温26.1度。

 いつも私のブログに遊びに来てくださる皆様には大変ご心配をお掛けしました。ワタクシ特上カルビ、ソウルで元気に過ごしております。

 さて、すっかり皆さんとご無沙汰している間に我が家ではオンドルが活躍を始めました。先週の月曜日(19日)、陽が落ちてから急に肌寒くなったので、この分だと明朝は一気に冷え込むだろうと寝る前に、ボイラーのスイッチを入れておきました。今季初めてのオンドルでしたが、問題なく暖めてくれました。さすがはRinnaiのボイラー(写真)ですGood job!
 


 韓国に進出した日本企業は数あれど、韓国市場に受入れられた企業はRinnai(린나이)セコム(세콤)、そしてヤクルト(야쿠르트)の三社と言われているそうです。特にヤクルト(야쿠르트)の場合は以前ここにも書いたように、1万2千人もの「ヤクルトレディー(ヤクルトアジュンマ=야쿠르트 아줌마)」はすっかり韓国の街の風景に溶け込んでいます。私が通う学校のキャンパスには毎朝、電動ワゴンにヤクルトを満載した「ヤクルトレディー(ヤクルトアジュンマ=야쿠르트 아줌마)」が出没します。韓国の大学は、山の斜面に沿ってキャンパスが広がっているのが普通です。そのためどこに行くにしても、とにかく坂道がキツイのです。一度でも韓国の大学に行かれた経験のある方なら、「登校」や「下校」といった言葉を実感されたことでしょう。電動ワゴンもそんな韓国の土地柄から登場したのだと思います(果たして、日本国内にもあるのでしょうか?)。
 オンドルが、いつの間にかヤクルトに化けていました。今日、書こうと思っていたのはオンドルでも、ヤクルトでもありません。

 特上カルビの素顔をご存知の方なら分かっていただけると思うのですが、私は大の人見知りです。初対面の人となかなか上手く話すことが出来ません。話し下手でもあります。会話が続かないのです。特に二人っきりだと最悪です。例えばユッケさん(仮名)と初めて会った場合、こんな感じです。
 ユッケ(以下ユ):「初めまして、ユッケです」
 カルビ(以下カ):「初めまして、カルビと申します」
 ユ:「いや~それにしても今日は天気が良くて過ごしやすいですね」
 カ:「そうですね」
 ユ:「カルビさんは韓国何年目ですか?」
 カ:「四年です」
 ユ:「へぇー四年もいらっしゃるんですか。私はようやく一年ですよ」
 カ:「そうですか」
 ユ:「で、今は大学院に通われているんですよね」
 カ:「はい」
 ユ:「専攻は?」
 カ:「韓国語教育です」
 ユ:「じゃ、将来は韓国語を教えられるのですか?」
 カ:「ええ、まぁ」
 ユ:「最高じゃないですか!日本は韓国ブームですし・・・」
 カ:「はい・・・」
 見事なまでに会話が一方通行です。自分で会話を再現しておいてこんなことを言うのもなんですが、これじゃ単なる性格が悪い奴です(改めて反省)。何度かお目にかかる機会があれば、徐々に打ち解けて、本性も?明らかになるのですが、とにかく初対面での会話は苦手です。

 まだソウルに来ばかりの頃のことです。その日初めて会った日本人留学生の方と一緒に水曜礼拝に出ることになりました。教会まではバスで向かいました。私があまりに無口だったのと、タイヤのすぐ上の座席に座っていたこともあってか「カルビさん、乗り物酔いでしょ?」と言われてしまいました。因みに私は基本的に乗り物に酔わない体質なので、ちょっぴりショックでした。因みに運転が荒いことで有名な?ソウルの路線バスに乗っていても酔ったことは一度もありません(常に緊張感を強いられるので、酔っている暇など無いだけかも知れませんが)。

 そんな人見知りな性格なお陰で、誤解されることが多いカルビです。ある友人曰く「ある意味、誤解されたままのほうがカルビにとっても良いかも知れない」とのこと。発言の真意がどこにあるのか、深く追究するのはやめておいたほうが良さそうです。アルコールもカフェインも摂取出来ない体質となってしまった今では、酔う機会が全くありません。強いて言えばパク・ジョンヒョンのライブに酔うくらいでしょうか?  

ソウル市庁と戦闘機

2005-09-26 21:35:17 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温17.5度。最高気温25.6度。

 ソウル市庁舎前に芝生の「ソウル広場(ソウルクァンジャン=서울광장)」が出来てから、市庁舎周辺で毎週のように多様な行事が開かれるようになりました。

 今朝(26日)バスで市庁舎前を通ったら、市庁舎とは似つかないモノが展示されていました。それがこれです。
 


 思わずバスを途中下車して「ソウル広場(ソウルクァンジャン)」へ向かいました。
 ソウル市は韓国空軍の協力を得て、テロ対策として戦闘機による防空警戒態勢を構築したとかしないとか・・・。
 冗談はさておき、この戦闘機は訓練機として最近開発されたもので、全幅9.45m、 全長13.13m、全高4.9m。注目すべきはマッハ1.4という最高速度です(市庁舎前にある説明文では最高速度はマッハ1.5となっていました)。
 T-50/A-50 ゴールデンイーグル(골든이글=Golden Eagle:黒ハゲワシ)はF-16の製作技術を応用した次世代高等訓練機及び軽攻撃機として、韓国政府と韓国航空宇宙産業(한국항공우주산업=KAI : Korea Aerospace Industry, サムスンテックウィン(旧サムスン航空)-旧現代宇宙航空(현대우주항공)-旧大宇重工業(대우중공업)各社の航空事業部門の合作法人)と米国のロッキード・マーティン(Lockheed Martin)が共同で開発。2000年2月に韓国航空宇宙産業(한국 항공우주산업)は航空機の名称を「T-50/A-50ゴールデンイーグル(黒ハゲワシ)と定め、高等訓練機と軽攻撃機をそれぞれT-50、A-50として開発したそうです。
 

 


 ところで、何故ソウル市庁前に戦闘機などを展示しているのか?というと2005年10月18日~23日までソウル空港(ソウルコンハン=서울공항)で開催されるソウルエアーショー(SEOUL AIR SHOW 2005)PRの一環だったのです。いくらPRとはいえ、最高の軍事機密である最新型の超音速戦闘機をこんな形で展示することはあり得ません。当然のことながら展示されているのはモックアップ(実物大模型)です
 

 


 国産の超音速戦闘機開発ということで数日前にTVニュースでも大々的に報道していましたが、実際にはロッキード・マーティン(Lockheed Martin)との共同開発なので、国産と言うのには少しばかり無理があるのではないでしょうか(特に最近の航空機は各国の企業が協力して開発するのが一般化しつつあります)。
 ソウルエアーショー(SEOUL AIR SHOW 2005)ではこのT-50をはじめとした公開飛行が多数行われるそうです。ソウルエアショーの一般公開日は10月22~23日の二日間(午前9時半~午後5時)です。航空機ファンの方は足を運ばれてはいかがでしょうか。
 
 追記(9/28):市庁前でのT-50の展示は9月27日で終了したそうです。

日本語検定一級です

2005-09-17 23:12:39 | 韓国留学記
 一時強く雷雨のち曇り。最低気温??度。最高気温23.7度。韓国気象庁のホームページを見たら、今日(9/17)の最低気温が何と2.4度となっていた(そんなはずはない。何故なら今日の平均気温が22.5度なのだから・・・。気象庁の百葉箱に落雷でもあったのか知らん)。←今日(9/18)確認したところ昨日(9/17)の最低気温は21.0度でした!

 韓国では旧暦の八月十五日のことを秋夕(チュソク=추석)という。秋夕(チュソク)を挟んだ前後一日ずつの合わせて三日間は連休となる。韓国の人たちにとって秋夕(チュソク)は一年で最も大事な名節である。ふるさとに帰省し親戚一同集まって、先祖のお墓参りをする。従って、連休期間中は高速道路はもちろん電車や飛行機も帰省客でいっぱいだ。テレビやラジオでは朝から帰省ラッシュの話題でもちきりである。

 そんな連休初日の今日、妻と新村(シンチョン=신촌)に出掛けた。梨花女子(イファヨジャ)大学の辺りを散策して、バスで梨泰院(イテウォン=이태원)に行こうと思ったのだが、どうやらこの辺りから梨泰院(イテウォン)へ向かうバスはないようだ。仕方なく市庁(シチョン=시청)へ向かうことした。
 しかし、このバス停から市庁(シチョン)へ向かうには何番のバスに乗れば良いのか良く分からない。バス停に掲示してあるハングルで書かれた路線図と、妻が持っているソウルの観光マップを照らし合わせて「市庁(シチョン=시청)」の文字を探す。しばらくして708番のバスに乗れば良いということがわかった。韓国に来てから私も妻もハングル文字はどうにか読めるようになった。お陰で地下鉄に乗る分(ぶん)にはさほど不便は感じない。一方、バス路線は複雑で私には到底覚えられそうにない。バス停にいた韓国の学生さんに、708番のバスは市庁に行くかどうか妻が英語で尋ねた。どうやら間違いないようだ。
 十分ほど待っただろうか。何台かバスは来たものの708番ではなかった。その間に先ほどの学生さんは他のバスに乗って行ってしまった。バス停には私たち夫婦と、もう一人男性がいるだけだ。なかなかバスは来ない。バスが来ないとついつい不安になる。バスがやって来る方向と、バス停に貼ってある路線図とを妻と二人で落ち着き無く交互に眺めていた。
 すると、先ほどから私たちと一緒にバスを待っていた男性が「どちらに行かれるのですか」と声をかけてきた。しかも日本語でだ。こういう時に日本語が出来る韓国の人と出会うとホッとする。
 「いや、初めは梨泰院(イテウォン)に行こうと思ったんだけど・・・」と言うと彼はここからはバスが無いので、一つ手前のバス停からソウル駅へ行くバスに乗り、ソウル駅で梨泰院(イテウォン)へ向かうバスに乗り換えれば良いと親切に教えてくれた。
 「ありがとう。でも、今はとりあえず市庁(シチョン)まで出ようと思ってね」と言うと、今度はバス停の路線図を見ながら市庁(シチョン)へ行くバスを探してくれる。
 「708番ならロッテデパートに行きますから、市庁までは歩いてすぐですよ」と彼。妻が「708番は市庁にも停まりますよね」と路線図を指差して彼に尋ねた。すると、彼は路線図を改めて見ながら「あ、そうですね。ロッテデパートの先に市庁前(シチョンアッ=시청앞)って書いてありますね」と答えた。どうやら708番であることは確かなようである。それにしても彼は日本語がとても上手い。
 「日本語検定一級ですか?」と尋ねると、彼は恥ずかしそうに「ええ、そうです」と答えた。韓国には日本語が上手い人が本当に多い。だからついつい仕事の時も韓国の人の日本語力に頼ってしまうのだ。私も負けずに韓国語を勉強しなければと思う。
 彼によると秋夕(チュソク)の連休期間中は普段よりもバスの本数が少ないそうだ。しばらくしてバスがやって来た。彼が手を挙げてバスを止める。「このバスですね」と妻と一緒に乗り込もうとしたら、「このバスじゃないですよ、市庁は708です」と教えてくれた。どうやら彼が乗るバスだったらしい。彼は「お気をつけて」と私たちに丁寧に挨拶をしてバスに乗り込んだ。やはり韓国の人は目上の人に対して礼儀正しい。学生なのか社会人なのかは尋ねなかったが、彼のような人に出会うと、何とも気分が良い。
 彼が乗ったバスが行ってから、妻が「あの男性は在日韓国人か日本人だったんじゃない」と言った。日本語が上手過ぎるというのだ。確かに上手かったが、日本語が上手な韓国の人は沢山いるだろう。それに彼は日本語検定一級と言っていた。
 708番のバスはそれから三分もしないうちにやって来た。

 あのぉ・・・日本語が上手な韓国人って、実は私のことなんです。 
 「日本語検定一級です」って答えたのは、あの場の成り行き上「日本人です」と答えるのがためらわれたからであって、他意はありません。上の文章(太字)は、今日(9/17)出会った日本人のご夫妻がもしブログを持っているとしたら・・・と想定して私が想像力を膨らませて書いてみたものであり、フィクションが含まれています。
 それにしても私のことを韓国人と信じて疑わなかったご主人は今頃どこで何をされているのでしょうか・・・(特上カルビ)。

 追記(9/19):日本語検定の正式名称は日本語能力試験であり、(財)日本国際教育支援協会が、日本語を母語としない人を対象として、日本語能力を測り、認定することを目的に年一回実施されています。