時として、出会いは突然やってきます。
とあるラーメン屋さんを目指して、らんちばさんの車で移動していた時、たまたま二人の目に、「ラーメン」の暖簾を出す大衆食堂が入ってきました。
二人とも、一瞬で、「これは入らなければならない」と確信しました。どこか本能的な直感だったと思います。これはもう間違いない、と。
それが、『たんめんぎょうざ 大衆中華料理 養心亭』でした。
http://r.gnavi.co.jp/6cyr3bys0000/
インターネット上での実食レポやブログ記事はほぼ皆無です。
住所は、市原市惣社1-12-17です。
見てください。この素敵過ぎる暖簾を、、、
このお店、創業40年の老舗ラーメン店です。店主のおじさんは、昭和21年生まれ。うちの父の二つ下。かつて神奈川県の大型レストランで修業したのちに、市原の五井に来て、独立したそうです。
料理人としては、もうベテランの領域ですよね。お孫さんもおられるんだとか。
このお店、凄いです。
もう、メニューがとんでもないんです。らんちばさんとはかれこれものすごい数のラーメン店に行っていますが、この二人がメニュー選びにここまで困ったのは初めてじゃないかな。
ね、凄いでしょ?!
困るでしょ?!
おススメは、タンメンなんですって。けど、ラーメンも美味しいんだとか。さらに、スタミナラーメン、(芝麻醤を使用しない)タンタンメン、朝鮮風冷やし中華、冷やしつけ麺、さらには唐揚げラーメンなるものも。魅力的なラーメンがありすぎです。。。
さんざん悩んだ挙句に、タンタンメンと、ラーメンをいただきました。
どちらも大当たりでした!
こちらのタンタンメン、尋常じゃないんです。
作り方としては、途中までタンメンといっしょ。
そこに、唐辛子粉を投入して、辛味をつけるんです。
しかも、使われているスープは、牛骨スープのみ。
なので、牛骨とうがらしタンメンなんです。
通常の坦々麺でもなければ、勝タンとも違うし、またアリラン系とも違います。
そして、野菜は二郎系なみにたっぷり山盛り。
もやしだけじゃない。色んな野菜がたっぷりと入っていて、お得感も半端ないです。
それだけじゃない!!
この麺に、驚愕でした。
太麺なんですけど、これが妙にセクシーなんです(苦笑)。
分かりにくい表現ですが、セクシーなんです。
なめらかで、つるつるっとしていて、もちもちっとしていて、艶やか。
弾力性もあって、のど越しもよくて、噛み心地も気持ち良い。
こんなに、麺で感動するなんて、、、
思わず、厨房にいる店主のおじさんの顔を見つめてしまいました。
なんてことだ、、、と。
それくらい魅力的な麺でした。
製麺所は五井の古くから付き合いのあるところなんですって。
そして。
このなんの変哲もないラーメン。
これが、まさにずばり王道の「牛骨ラーメン」だったんです。
千葉で、これほどの牛骨ラーメンを出しているお店って、ないんじゃないかな?!
しかも、それが創業以来ずっとそうだというのだから、驚きです。
店主さん、厨房の冷凍庫から牛骨を見せてくださいました。
スープは牛骨と野菜のみの透明なクリアなスープなんです。
僕は、かつて鳥取まで牛骨ラーメンを食べに行きましたが、たしかにその時の味わいに近かったです。
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/3f20176382428d6ae310d90182e2905d
ちょっと甘みが強いかな。
でも、この甘みこそ、またこのお店の牛骨ラーメンの最大の特徴ともいえます。
聞けば、店主さんがかつて働いていた巨大レストランで、焼き肉をやっていて、その時に牛骨を知ったんだとか。
これは、もう僕的には、驚きでした。
麺は、細麺。太麺ほどのインパクトはありませんでしたが、やはり最高のゆで加減でした。
千葉でも、40年前から牛骨ラーメンが出されていたんですねー。
それに驚きでした。
しかも、情報としてネット上に存在しない。(もちろん本のレベルでも)
だから、まだまだ、あるんですよ。こういう知られざる「名店」が、、、。
店主さん曰く、「餃子も格別だよ」、とのこと。
手作りの餃子です。具だくさんで、いい焼き加減でした。
醤油をつけなくても、美味しくいただけて、大満足でした。
***
いやー、驚きました。
ビックリでした。
市原の五井に、こんな素晴らしいラーメン店があったなんて。
絶対にまた来たいです。
それと、もう一つ。
市原から茂原にかけて点在する「アリランラーメン」や「オロチョンラーメン」について。
ここでもやはり、中国的でない千葉的なタンタンメンがありました。
ただの偶然かもしれませんが、共通点はいっぱいあります。
通常、ラーメンというと、中国から来た、というのが定説です。
が、千葉のラーメンにいたっては、中国というよりはむしろ、朝鮮半島の影響が強いのでは?!、と思うのです。
(*北朝鮮、韓国という区分けは、日朝文化史的に合致しないので、朝鮮半島と明記します)
というか、中国で生まれたラーメン文化が日本化され、それを朝鮮半島的なテイストにアレンジしたもの、というか。
僕はかつて、「辛ラーメン」が大好きでした。その辛ラーメンをプロ的にアレンジしたもの、というか。
世の中は、アジア外交で揺れていますが、少なくとも「味覚的」には、中国、日本、朝鮮半島は切っても切れない関係。
もっと、味覚的に、国際関係をやってくれれば、もっとお互いに理解できそうなんですけどね。
(このお店のご主人の修行先の先輩に、朝鮮半島からやってきた人がいて、色々と教わったそうです)
この点については、もっと調査したいなぁ。
なぜこのエリアに、朝鮮半島の影響を感じる辛いラーメンが点在するのか。
また、他のエリアに、そういう辛いラーメン文化圏が存在するのか。
大真面目に考える意味もありそうです。
素敵な看板でした。
ひとめぼれでした。
場所は、「市原市役所前」の交差点をちょっと行った場所です。住宅街の一角?にありました。
ラーメン屋的には、「若貴」の近く、ですかね。