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Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

スキー初心者体験談①-心が折れた1日目…

昨年末に、成人になって初めてのスキーをしました。

2021年12月31日のスキー体験についてはこちらを

小学生の頃に一度、ボーイスカウトでスキーをしに行き、少し習った記憶があります。

その後、17歳くらいの時に、当時の仲間とスキーに行きました。

覚えている限り、それだけしかスキーをしたことはありませんでした。

実に30年ぶりのスキーで、完全に「初心者」の状態です。

先日、またスキーをしに【越後湯沢】に向かいました。

本当は、昨年末と同じみやぎ蔵王白石スキー場に行こうと思っていたのですが、その数日前に起こった福島県沖の地震で、行くことができなくなりました。

そこで急遽、ネットで初心者向けのスキー場を探して、越後湯沢に行くことにしました。

向かったスキー場は、【湯沢高原スキー場】でした。

オフィシャルHPはこちら

このゲレンデマップを見た時に、「素敵だな」って思ったんです。

世界最大級のロープウェイがあり、初心者コースが「山頂」から続いているのです。ここの「パノラマコース」は、初心者用のコースでありながら、2200mも続いているんです。

僕も自分が「初心者」だということは強く自覚しているので(且つ若くもないので)、無理をすることなく、ゆるやかにスキーを楽しめればOK!と思って、ここに行くことにしました。

以下、大人になって人生二度目のスキー体験です。

今回は、スキーに心が折れた一日目の話です。


スキーは午前中に楽しむのがいいと本やネットに書いてあったので、午前中にでかけました。

結果論ですが、最初は、麓の「ファミリーコース」や「デビューコース」でしっかり練習をしてから、山頂に行くべきでした。大人になって二度目のスキー体験です。まだろくにスキーができないのに、山頂に行くべきではありませんでした。もっとストレートに言えば、しっかりブレーキをかけられるようになってから、山頂に行くべきでした。

初心者コースということで、気持ち的に安心してしまい、僕は何も考えずに(上の画像の)ロープウェイに乗って、パノラマステーション(山頂の中間あたり)に行きました。

ところが、そのパノラマステーションでいきなり「恐ろしい現実」に直面します。

ロープウェイから山頂に向かうためのリフト乗り場までの短い「スズランコース」がとんでもなく恐ろしかったのです。とても人生ほぼ二度目のスキー初心者には太刀打ちできないくらいに怖いコースだったんです。

それでも、一応ボーゲンはできる(実際にはそれすらろくにできていない)ので、ある程度は進めました。が、山道とあって、コースの幅がとても狭いのです。しかも、そのコースの片側は、崖みたいになっていて、高所恐怖症の僕には耐えられない恐怖でした。

ゆっくりゆっくりと進んでは行きましたが、最後の急斜面(片側は崖で、コースの先はカーブ)で早速僕は「ギブアップ」。もうどうにもならないので、スキー場に電話をしてパトロール隊の人に救助してもらいました。その時に、「もし無理だと思ったら、スキー板を靴から外して、歩いて先に進んでください」という助言をいただきました。

この目の前の(僕から見るととんでもない)急斜面に、僕は慄き、救助の人を呼んで、なんとか歩いてリフト乗り場にまでたどり着きました。

でも、まだ僕の心は折れてませんでした。多分、身体がまだ元気だったからか、「よし、これから頑張ろう!」という前向きな気持ちでいっぱいでした(恐怖心はありましたが…)。

そして、高原エリアに向かう「高原エクスプレスリフト」に乗って、山の7合目?くらいのところまで登りました。見晴らしはとても良いです(天気は悪かったですが…)。

リフトを降りたら、今度はその30mくらい先のところにある「山頂パノラマペアリフト」に乗ります。そうすると、大峰山の山頂に到着します。

この大峰山は夏にはトレッキングコースとなり、高山植物がいっぱい見られるんだとか

この山頂では、上級者向けの「青いケシコース」と初心者向けの「パノラマコース」の二コースがあって、分岐しています。青いケシコースをのぞくと、もうそこは異次元の世界というか、僕の目から見ると、真っ逆さまに転落するようなコースでした。まぁ、一生お世話になることはないコースだな、と(苦笑)。

で、僕はそのパノラマコースを進みました。

最初はなだらかな道が続いていて、僕でも大丈夫でした。まわりには小さな子どもたちがいっぱいいて、スキーインストラクターの人が、「はい、ブレ~~~キ、はい、とじる~~」と声を掛けていました。体重が軽いからか、小さな子どもたちもその声に合わせて、上手にブレーキをかけていました。「ハの字だよ~」、「おにぎりさんのかたちだよ~」とも言っていました。小さい子だと、4歳くらいの子もいたかな?!

なので、「あ、ここなら大丈夫かも」と一瞬思いましたが、その希望はすぐに断たれることになります。

このパノラマコース、全長2200m、斜面はそれほど急ではないので、「初心者コース」って言っていいんだと思いますが、山頂とあって、常に片側が「崖」になっているんです。

まずは、YouTube動画で見ていただきたいです。

こんなコースです。

多分、スキーが上手な人からしたら、「なんじゃこれ…」っていう初心者レベルのコースだとは思います。

ですが、スキー初心者で、ブレーキに自信がなく、高所恐怖症の僕からしたら、もうとんでもない恐怖のコースだったんです。谷底に落ちたら、死んでしまう…っていう恐怖で、足がすくむんです。

それでも、なんとか前に進まなきゃって思いながら、ゆっくり少しずつ進んでいきました。

少し滑ったら、休憩して、また少し滑ったら、休憩してを繰りかえし…。

しかし、(両サイドが崖になっていないコースでは普通にできる)八の字のブレーキがここではかけられないんです。崖から落ちてしまうかもしれないという恐怖のあまりに、どうすることもできないんです。「もしブレーキをかけられなかったらどうしよう」という恐怖が僕の身体全体を支配しているかのようでした。

しかも、このコース、そんなに人も多くないんです。空いていてよいんですけど、この山頂の銀世界に一人で感じる恐怖は、同時に「孤独」でもありました。恐怖と孤独に、もう僕の心はどんどんやせ細っていきました。

ボーゲンもろくにできていなかったことにも気づきました。ブレーキもかけられません。これは、運転できない人が、ブレーキのかけ方も分からないまま、車で高速道路に乗って走っている状態と言ってもよいかもしれません。ブレーキを上手にかけられない恐怖というのは、ブレーキの壊れた自転車に乗って坂道を暴走するようなものです。

怖い、怖い、怖い、、、

もう恐怖心しかない状態になっていきました。

なんとか、(1時間半くらいかけて)1000mくらい進んだと思いますが、もう気持ち的に限界に達していました。

「あ、もう無理だ。完全に心が折れた。怖くて足が動かない。助けて…」

「こんなところに来るんじゃなかった。今の僕にはまだ早すぎた。もっとしっかり基礎的な練習をしてから、ここに来なきゃいけなかった」

「初心者コースという言葉に惑わされてしまった。このコースはとてもじゃないけど、初心者用のコースじゃない! これはおかしい。コース設定が悪い!」

などなど、色んな感情が湧いてきました。

道幅の狭い雪道に腰を下ろして、時折やってくるスキーヤーの姿を眺めながら、「いったいどうやって降りたらいいんだ?」と自問自答を繰り返しました。僕の心はすっかり弱気になり、足はすくみ、手は震えていて、身体中が委縮していました。

(この時、実習で挫折をしてきた学生のことを思い出していました。昔、実習担当をしていた時、「心が折れた」という言葉を何度も聴いてきました。僕は「もう少し頑張れば、実習をクリアできるのに…」と思っていましたが、「もう無理です」「実習を途中で辞めさせてください」と言われたことも多々ありました。きっと今の僕みたいな感覚だったんだろうなって思いました)

「できない」「怖い」「恐ろしい」「孤独」…、そういう感情が心を支配した時、人間は、動けなくなります。自力では何もできなくなります。心が折れる経験というのは、(そこにもレベルはあると思いますが)ホントに辛いものです。

おそらく普通に滑れば、10分もかからないであろうパノラマコース2200mを3時間くらいかけて、なんとか滑りきりました。途中からは、ちょっと記憶がありません(苦笑)。

ただ、コースの最後、このコースで一番斜面が急な道だったのですが、「崖」が見えかったので、そこはスムーズに下りられたんです。ブレーキもかけられました。この時、僕の恐怖の根源には、やはり「崖」があったんだなって思いました。僕は極度の高所恐怖症で、「落ちたら死ぬかも」という場所に行けないんです。

そんなこんなで、人生ほぼ二度目となるスキーで、心が折れる経験をすることができました。

この時、思いました。

「もう二度とスキーなんてしない。スキーなんてしなくても生きていける。スキーは得意な人がやればいい。僕がやらなくても誰も困らない。絶対に二度とスキーなんてするものか!」

と(;'∀')。

自分のレベルに合わないコースに行ってしまったために、こんな風に思うに至ってしまったわけです。

前回のみやぎ蔵王白石スキー場だったら、楽しく安全に滑れたんですけどね…。今の自分が来るべきスキー場(コース)ではなかったんですね。

何事も、その人に合った場所、その人にあったコース、その人のレベルに適している道というのがあるんだ、って思いました。いきなり(高所恐怖症の)初心者に、断崖絶壁のスキーコースを走れ!って言っても、そりゃできるわけがない。何よりもまず「しっかりブレーキをかけること」をマスターしてないで、こんなところに行ってはいけなかった💦

その後、これまた急斜面が続く「コスモスコース」を降りて、途中の「エーデルワイス」というレストランでラーメンを食べて、更に恐ろしく見える急斜面を滑って、なんとか怪我なく無事にロープウェイ乗り場に戻ることができました。

最後、これまた恐ろしく急斜面に見えるコースでしたが、崖ではなかったので、怖かったですが、スキー板を外さずに滑りきることはできました。(心は挫けてましたが…)

この時に、こんな動画を撮りました。

心折れて、満身創痍で、疲労困憊で、寒くて、凹んでいる僕のぼやきです(苦笑)

その後、ロープウェイに乗って、下山すると、、、

そこには、平和でのほほんとした「ファミリーコース」がありました。

折れた心を癒そうと、(懲りずに)そのままファミリーコースで、滑ってみることにしました。

この上の画像のリフトあたりがファミリーコースです。

このファミリーコースは、それこそ新幹線の高架くらいの高さのところを滑るなだらかなところなので、「崖」も「断崖絶壁」もありません。

あまりにも恐ろしいコースを走ってきたので、このファミリーコースは楽しく滑ることができました。

「ああ、ここならいくらでも滑れる! ここなら怖くはない! まずはこういうところでいっぱいたっぷりスキーの経験値を上げてから、上に行くべきだった。いきなり頂上になんて行くべきじゃなかった」

と反省しながら…💦

人間には、できることとできないことがある。

でも、それは「あれかこれか」の世界じゃない。

スキーにおいても、「今自分にできること」と「今はまだできないこと」があって、その今自分にできることをしっかりやることが何よりも大事なんだ、と気づかされました。

ファミリーコースであれば、それこそ何回でも何十回でも滑ることができました。ブレーキもかけられます(たまにバランスを崩して転倒しましたが…)。

その後、「デビューコース」でやや難しいコースに進んで、ある程度厳しい斜面でも体勢をコントロールしながら、しっかり滑れるようになってから、ロープウェイに乗るべきでした。

このことに気づけた僕は、いくらか(折れた)心が癒されて、少しだけ希望が見えてきました。

<2>につづく

コメント一覧

sehensucht
コメントありがとうございます。

共感してくれる人がいてとても嬉しいです。ホントに「落ちたら死ぬだろ」というレベルでした。足の開き具合で転落する恐怖も感じました。

なので、まずはしっかりブレーキをかけられるように練習しました。しすぎて足を痛めましたが…。でも、それでも、なかなかスキー板のコントロールがうまくできず、最後までやっぱり怖さを克服することはできませんでした。

ですが、崖に近づかないようにしながら、なんとか3回、ここを滑ることができました( ;∀;)

高所恐怖症の人は(僕も含め)、こういうところには行かない、というのが原理原則ですね!!
高所恐怖症
この感覚は高所恐怖症の人にしかわからないでしょうね…スキー場の映像見ましたが、完全に落ちたら死ぬじゃないですか。しかも登山中脳に異常が起きて滑落とかではなく、足の開き具合を間違えただけで崖下にダイブとか、平気でやってるひとは頭おかしいですよ…
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